その結婚、本当に「必要」ですか?あなたの本音の探し方は【40代の婚活塾#3】
【リバイバル配信 40代の婚活塾#3後編】
婚活実例。年収1000万円の女性が結婚に求めていたものは…
私の仕事は結婚相談所ですから、もちろん会員様にご成婚いただくことが一番です。しかし、なぜ結婚をしたいのかという事を掘り下げると、必ずしも会員様が求めているものが【結婚】ではない場合があるのです。
例えば以前、年収1000万円のキャリア女性がいらっしゃいました。
その方は当時44歳で「定年まで16年なんです。定年延長で再雇用されても、ぐっとお給料は減ると思うし…。65歳まで働いても女性の平均寿命を考えたら、定年後22年も生きるんです! その22年間、私どうやって生きていけばいいんですか? だから、結婚しなきゃいけないんです! できれば、私が急に会社を辞めたくなった時のために、お相手の年収は最低でも1000万円以上で……」とおっしゃいます。
20代からずっと同じ会社で働いていましたし、努力家でとても優秀な方。コツコツとキャリアを積み、ご自分の手で現在の地位と収入を手に入れた素晴らしい女性です。
「それでしたら、貯金と退職金と年金で暮らしていけるんじゃないですか?」と言うと「えっ?! 貯金?? むしろ毎月カツカツです。お給料とボーナスは外食と趣味の海外旅行に全部使っていますから」とキョトン顔で腑に落ちない様子。
「えええええーーーーーっつ!」私は心の中で声を上げました。「それはつまり…私のお金は私のもの、老後の生活費は未来の旦那様が用意するものって事? ジャイアンか!」と叫びました(心の中で)。
3秒後、冷静さを取り戻した私は「一回、整理しましょうか。では、あなたが結婚したいと思うのは、老後の不安を解消するためなんですね? そしてその不安の原因は主に老後の生活資金なんですよね?」と聞きました。
すると「そうです」と答えます。そこで私は「では、宝くじが当たって、老後資金の不安がなくなったら?」「結婚は別にしてもしなくてもいいです。逆に、そのお金を当てにされるぐらいなら結婚したくないです」と。
「ちょっと待って! あなたはまさにそれをやろうとしているのですよ」という言葉をグッと飲み込み「では、弊社でマネー&ライフプランナーを紹介するので、一度あなたの生活を見直してみて、定年までにどのくらい貯金が出来て、その後その貯金と退職金と年金でどのくらいの生活ができるかシミュレーションしてみませんか」とご提案しました。
結婚相談所に来て、生活の見直しを提案されると思っていなかったのか、ちょっと意外そうな顔をしていましたが、数日後プランナーとの打ち合わせを終えた彼女は、晴ればれとした顔で言いました。「ありがとうございます。今回自分のマネー&ライフプランを見ていただいて、見通しが立ってすっきりしました」
そして「若い時から計画的に生活していたら、マンションが買えていたかと思うと驚きでしたが。それは知りたくなかった (笑)。とりあえず、月々決めた額を貯金して、もしもの時のために保険にも加入して、将来の生活不安に備えます。そして、婚活もやります! とりあえず年収は置いておいて、年下のイケメンを探します!」と、超ポジティブな発言(笑)。
もちろん、1回の相談でそういう気持ちになったワケではありません。ものすごく話をコンパクトにまとめましたが、ライフプランについてほかの専門家のお知恵も借りして、何度か面談を重ねていくうちに考え方が変わってきたのです。
あなたが「結婚しなければ」って思っている理由は何ですか?
このように、漠然とした不安を解消したいがために「結婚を!」と考える人は意外と多くいます。そしてそんな人たちは、不安が取り除かれる(と分かる)と、「結婚はしてもしなくてもいいわ。ご縁があれば」ぐらいのテンションになるのです。
ですから、40代で婚活を始める人に対しては、
何故結婚したいのか。
どんな人と結婚したいのか。
どんな結婚生活をしたいのか。
について、詳しくお聞きします。その上で、何か問題が見えてきたら、それを解決してあげる方法をご提案します。その結果、先ほどの女性のように婚活を続ける方もいますし、「不安がなくなったので、婚活はひとまず止めます。もともと一人でいるのが気楽だったし、結婚しなくてもいいかなって今は思っています」という人もいます。私はその両方の決断を尊重したい。
結婚しなくても自分らしく幸せに生きる道はいくらでもあるんですから。それぞれが、それぞれの人生を輝かせられればいいのです。
40代婚活の4つのルールのうち、2つまでご紹介しましたが、残りの2つ【婚活期間を決めない】【物事の見方を変える】は次回詳しくご紹介したいと思います。
(構成/奥永陽子)
>>>次の話(6月7日 19:30更新)
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