更年期にイライラするのは当然のこと。悩まなくていいんです 更年期♯4

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青年期、壮年期などと同じような時期の呼び方として、女性の閉経の前後5年を更年期と呼びます。

日本人の閉経の平均は50歳のため、45~55歳は更年期にあたる人が多数。この時期に女性ホルモンの分泌が急激に減少するため、更年期障害と呼ばれる状態に至る人もいます。

乳がんのセカンドオピニオンを中心に診察する医師の新見正則先生に、更年期とその治療について伺います。4回目の今回は「イライラ」と「肩こり」について。

【更年期とホルモン補充療法♯4】

イライラは当然起きること。深刻に悩まなくてOKです

更年期障害として発作のような怒り、イライラに悩む人が多いのですが、もしそれが生理の前ならPMSなので当然です。悩まないでいい。ぼくはこうした症状に漢方を出すことが多く、効かない場合はホルモン補充療法のパッチを出します。でも、その前にまず運動ですね。試しに走ってきてください。

 

どんな方法でも、治ったらそれでいいんです。ぼくのもともとの専門は外科医(乳がんなど)ですが、がんは走っても治せません。でも更年期障害は治るんです。簡単に希望が持てる。

 

先生、更年期障害でうつうつとするんです、外に行けないからうつうつとして夫の首を絞めたくなりますって訴える患者さんには、じゃあ亭主の首絞めたら?って笑って言っときます。みんなで笑って、帰って、次の診察ではもう治ってます。更年期障害とはそういう、つかみどころのない、とっても治療しにくい何かなのです。

 

ただし、注意したいことが1つあります。前述の通りに本人の主訴が本当の問題点からずれている場合、他に大きな病気が隠れていないかをぼくたちは心配しています。またおいでと言われた人はまた行ってください。大きな病気は1回では見逃すこともあるので、医師は経過観察を行っています。またおいでというのは、そういう意味なのです。

 

肩こりや頭痛は「上に腕を上げる」動作が必要です

肩こりや頭痛も更年期世代の方がよく訴えます。五十肩かもしれないし、肩こりにはまず運動、できれば水泳をしてください。なぜかというと、肩から上に手をあげ、肩甲骨を動かす運動が大事だからです。

 

先生、私、太っちゃって水泳はちょっとという方がよくいらっしゃいます。「誰も見てないから泳げば? 」と言います。でも水泳が面倒なご婦人には、「自宅のリビングで水泳のふりをしたらいいですよ」と指導します。肩甲骨は手を肩より上に上げないと動きません。高いところの窓を拭く、棚の上を片付ける、あとは水泳なんです。肩こりは血流障害で起きると説明されることもありますが、ぼくの経験ではちょっと違っていて、肩甲骨を動かすのが奏功します。

 

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お話/新見正則医院 院長 新見正則先生

1985年 慶應義塾大学医学部卒業。98年 英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は乳がん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。乳がん治療に於いては、明確な抗がんエビデンスを有する漢方、フアイアの普及も行う。

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