
男性更年期?55歳で前立腺がんを治療、突然「生きる意味がわからない」と感じた【100人の更年期#74】前編
オトナサローネは同世代の女性がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
あまり知られていないことですが、男性にもホルモン分泌の変化が起き、ゆるやかながら男性更年期が起こり得ます。今回は、ホルモン分泌の減少による心身の変化を59歳男性に教えてもらいます。
【100人の更年期#74】前編
カズオさん 59歳
同世代の妻と15歳の子どもとの三人で暮らす会社員。前立腺がん経験あり。
活発だったのに55歳のある日を境に「生きる意味がわからない」と思うように
カズオさんは、半導体の技術者として働く59歳。55歳のときに前立腺がんになり、2カ月におよぶ放射線治療を経験しました。治療できる病院へ通うだけでも片道2時間。待ち時間と治療時間を合わせると1日約5時間の通院を、仕事をしながら毎日続けたそうです。
前立腺がんの放射線治療は、一般的にホルモン療法(前立腺に関わる男性ホルモンの働きを抑制する)が併用されます。カズオさんが治療を始めると、その直後から、体重や抜け毛が増え、ひどく気持ちが落ち込むようになりました。
「何事にも積極的で活発だったのに、すごく臆病になりました。人と言い争ったり競争したりすることが苦手になってしまい、明日がくることが怖くなる日もありました。何にも興味がわかないし、何をやっても楽しくない。何も食べたくない。誰とも話したくない。性欲もない。生きる意味がわからないと思うことが増えました」
避妊手術をした男友達も気持ちが落ち込んで悩んでいた。これはもしや…
カズオさんは、自分の心の変化を感じながら、ある友人のことを思い出しました。
「数年前にパイプカット(男性の避妊手術)をした40代の友人が、手術後から気分が落ち込み始めて悩んでいたのを思い出したんです。そういえば、当時の彼は、何もやりたくない、何も面白くない、食事もしたくないと、私と同じようなことを言っていたなと。今になるとその時の彼の気持ちがわかります」
この友人と自分の状態を重ね合わせ、カズオさんは男性ホルモンの減少は心までも左右するのではないかと思うようになりました。
「私の場合、2カ月という短い期間に、治療の過程で一気に気持ちが落ち込んだので、急に自分のメンタルが変わり、その変化が自分でも分かりやすかったのだと思います。もしも更年期の症状として男性ホルモンが減って、少しずつ落ち込んでいったら、精神を病んだと思ったかもしれません」
カズオさんは幸い、仕事中だけは心が折れることなく平常心でいられたため、あまり深刻に考えすぎないようにしながら日々を過ごしたそうです。
▶【この記事の後編】そんな中、どうも妻も様子がおかしい?もしかして夫婦で更年期?
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