
乳房の痛みに潜む更年期世代ならではの病気リスクって?まさかの原因に「意外過ぎてちょっと虚を突かれた」
52歳、更年期世代の編集Tです。どうも近頃「左の乳房」が痛い! 授乳していた時のような、なんかぎゅーっとなるような感覚もあって、もしかしてこれはいま話題の「乳がん」!? そういえば脇のリンパが腫れている気もする? どうしよう! とんでもなく不安になってバタバタとクリニックを予約したのですが、果たしてその結果は……?
前編記事『52歳、もしやこれ「乳がん」では?もう1か月乳房がチクチク、じんじん、腕まで痺れる。青ざめながら受診して判明した「意外すぎる原因」』に続く後編です。
重要な病気だけ聞いたら安心して、「痛みの原因の診断そのものを聞き忘れた」
医師による診断で、重篤ではないのがわかったけど、まだ乳房の痛みがなんとなくあるし、脇の辺りはじんじんしているし、腕は痺れている気もする。よくよく考えたら私は「乳がんか、そうではないか」にすべての意識を持っていかれていて、痛みそのものの原因とその対処、いわゆる疼痛緩和については質問もせず、よかったー!って帰ってきてしまったのです。
命は取られないことはわかった。でも、痛いは痛いんです。この原因をもう少し聞いてみたくなり、今度はおススメの乳腺外科を聞いて受診しました。東京・JR大森駅にある「Kクリニック山王」です(こちら)。こちらは女医さんがいる病院でした。エコーを撮り終えて、いよいよ女医さんの診察です。
女医「画像で見る限りどこも異常はないですね。気になっていらっしゃる脇のリンパ節の大きさも問題ないです」
私「腕にかけての痺れたような痛みっていうのもなんでしょうね」
女医「皮膚表面もきれいなので、そこが痛みの原因でもないし。ただ、同じように腕も痛いという方、よくいらっしゃるんですよ」
私「そうなんですね!」
女医「年齢的に、ホルモンバランスがゆれてしまう時期ではあるので、それが原因なのかなと。この世代で乳房の痛みで受診される方が『今までに経験したことない痛み』とよく表現するのを聞きます」
私「私もそれです! 生理前の張りとは訳が違って、今まで感じたことのない痛みです」
女医「乳房の痛みそのものが別の病気なのではと、心臓などさまざまな科を受診しても特に異常がないと言われ、病院を転々としているうちに時間が経って、『そういえば痛みが薄れた……』という患者さんもいらっしゃいました」
私「そう言われてみると、私も1ヶ月前よりは痛みが薄れているようにも思います」
女医「ホルモンのゆらぎですので、乳腺外科ではなく婦人科の診察範囲となります。漢方やホルモン治療、プラセンタなどの対処方法もありますが、このような治療を始めたことで逆にその痛みに意識が集中して気になってしまい、より不安と痛みとが増してしまうという側面もあるかもしれません」
私「またこうした痛みが出てくる可能性もあるし、日常生活で規則正しく過ごすなど気を付けるほうがいいのかもしれないですね……」
女医「そうですね。何でも投薬で治療することが絶対正解だとは言い切れない部分があります」
このあと続けてKクリニック山王の院長・菅重尚(かん しげなお)先生にもお話を伺うことができました。
院長「画像も見ましたし、問題ないですよ。ホルモンバランスの乱れ、ということです。生理痛の親戚、みたいな感じだと思ってもらえれば」
私「なるほど!親戚ですね……。ありがとうございました」(妙に納得)
なんかおかしいと思ったら「検診より、受診!」
この乳房の痛みが出て、乳がんかも?と思った時、最初は「検診の予約をすべき?」と様子を見てしまったんです。でも、よく考えたら検診の結果って1ヶ月も後に郵送ですよね。しかも検診は「健康な人ベース」ってよく言いますから、万が一見逃されてたら!なんて不安もなくもない(疑り深い)。何もない時は検診でも平気ですが、ちょっとでも不安要素があったら、1ヶ月も待てないですよね。何事も異常を感じたらすぐ診てもらうのが大事だなって、おおいに反省しました。
診察してくれたドクターも「こうした受診のほうが検診よりしっかりと診断できるし、何より保険内で診られますから」とも言っていました。確かに。喉が痛くなったら耳鼻咽喉科、みたいに、胸だったら乳腺外科へとフットワーク軽く診察へ行くことが大事ですね。そう、それはわかっている。でもね、やっぱり「乳がんかも……」と怖くなっちゃうと、「あとあと転院するくらいなら最初から大きい病院に行ったほうがよい……?」なんて心理も働き、どうしよう……でも怖い!と焦りました。が、調べたら近所に乳腺外科は案外数があるんですよ。普段気にしていないだけで……。
Kクリニック山王の菅院長も最後に「乳がんは1年に1回は検診しておけば大丈夫ですよ!」と伝えてくれました。定期的に検診はしつつ、何らかの症状が出たら、病院へ。
しかし、更年期症状のひとつとして、これほど強くて長い「乳房の痛み」も入ってくるとは、驚きました。全然知らなかったから。みなさんも、そんな痛みがあるかもしれませんよ!でも慌てないで受診して!というお話でした。
▶52歳、もしやこれ「乳がん」では?もう1か月乳房がチクチク、じんじん、腕まで痺れる。青ざめながら受診して判明した「意外すぎる原因」
■監修・新見正則医院 院長 新見正則先生より
もちろん例外もありますが、実は「痛み」が主訴の場合、乳がんである可能性はそれほど高くありません。「先生、お乳が痛いんです」と駆け込んでくる患者さんは結構いらっしゃるのですが、それほど不安がらずじっくりと診察を受けて大丈夫です。逆に、乳がんの典型である「しこり」を見つけたら、これは大慌てで受診して、早く早くとせかしていいです。では今回のように乳房が痛む原因は何なのかというと、典型は乳腺炎ではあるものの、乳腺炎とは主に産後の乳腺に傷から菌が入ることが原因で、閉経期の52歳の女性だと考えにくい。今回は結果的に「閉経期のホルモンの変動の影響で乳房に痛みが出た」という診断ですが、これは「ままあること」です。肝腎なのは何より「命をとる病気が背後に潜んでいないか」を調べることですから、乳がんでなかった場合に安心して痛みの原因を聞きそびれるというお話もよくあることです。なのですが、快適な暮らしのためには痛みそのものも治療の対象ですから、慌てずに「先生、この痛みの原因は何なんでしょうか、病名はつくのですか?緩和の方法はありますか?」と質問して納得してください。自分の身体をより理解することが、閉経期からあとの身体の変化、いやな老化を少しでも遠ざけるための第一歩です。
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(東洋医学、整形外科、臨床外科)獲得。
■Kクリニック山王 院長 菅重尚先生
平成元年慶応義塾大学医学部卒。慶応大学医学部 一般外科学教室入局。国保福生病院、共済立川病院、総合太田病院、帝京大学医学部日本鋼管病院などに出向。消化器のがんにたいする手術に習熟。慶応大学病院勤務時には乳腺班に所属し、乳がんの診療・研究に携わる。共済立川病院、帝京大学、日本鋼管病院勤務時には慶応大学医学部・血管班と連携し、腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症などの血管疾患に対する手術に習熟する。消化器の疾患と乳腺の疾患に関しては新しい医療の提供を目指す。また、検診・人間ドックを強化し、予防の医学、がんの早期発見・早期治療に力を入れている。https://k-clinic-sanno.com/
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