さらに新しい世界へ!「40代は赤ちゃんですよ」90代も通う習い事で見つけた、“夢中になれる自分”の育て方

2025.06.12 LIFE

日々が飛ぶように過ぎていくなか、自分のあり方に漠然と迷う40代50代。まるでトンネルのように横たわる五里霧中ですが、そんななか「ほんのちょっとしたトライ」で自分のあり方を捉えなおすには、「最初の一歩」に何をしてみればいいのでしょうか。体験談をご紹介します。

<<この記事の前編:「責任ある仕事に抜擢されるも、『プレッシャー』と『孤独』で眠れない夜。43歳女性が心の余裕を取り戻すためにした“あること”とは(前編)

 

◾️ワカナさん
石川県在住、43歳の会社員。41歳の夫、小学3年の息子と3人暮らし

 

【私を変える小さなトライ#32】後編

「40代はまだ赤ちゃん⁉︎」ソーシャルダンス教室との出会い

ピアノを再開したことで心が軽くなったワカナさんは、「今度は体を動かさなくちゃ」と思い立ちました。普段の運動といえばウォーキング程度で、どちらかといえば運動は苦手なタイプ。

「ジム通いはきっと続かないし、楽しめることがいいな」

そんなとき、ふと思い出したのが、息子が子ども園に通っていた頃に、園児たちがヒップホップを踊っていた光景でした。

 

「ヒップホップは私にはハードルが高いけれど、ソーシャルダンスならどうだろう?」

そう考え、さっそく近くのダンス教室で体験レッスンを受けてみることに。1カ月ほど前から、本格的にソーシャルダンスを習い始めました。

 

その教室は、素敵なご夫婦が運営していて、最初は「40代でダンスを始めるなんて、ちょっと恥ずかしいかも……」と不安だったワカナさんに、こう声をかけてくれました。

「40代なんて、まだ赤ちゃんですよ! うちの生徒さんで最高齢の方は90代。まだまだこれからです!」

 

その言葉に背中を押され、週1回のペースでソーシャルダンスを習い始めると、「音楽に乗って体を動かすのって、楽しい!」という気持ちがふつふつと湧いてきました。

「自分のなかにそんな情熱が眠っていたことにも衝撃を受けました」

 

勤務体系が不規則なワカナさんは、毎週月曜日の午前中が休み。その時間を使ってダンス教室に通っています。ダンスをするのは高校の授業以来で、習い事としては今回が初めて。まさに新たな一歩です。

 

「夢中になる」「ちょっとした達成感」がもたらした効用とは

「すごく簡単なステップなのに、すごい運動量なんです。もう夢中になって踊っています」

そう語るワカナさん。職場では常に緊張を強いられ、家に帰ってからも仕事のことが頭から離れなかった日々。けれど、ダンスをしている時間だけは仕事を完全に忘れて、心から「楽しい!」と感じられる時間になったといいます。

 

ダンスを始める前は、寂しさに押しつぶされそうになり、以前の職場の仲間たちに会いたい気持ちでいっぱいでした。でも、体を動かすことで、そんな行き場のなかった思いも次第にやわらいでいきました。

「つらい仕事があっても、自分だけの“楽しい世界”があると乗り越えられます。体を動かすと、大変なことも忘れられるし、気持ちも切り替えられる。ダンスを始めてから、ピアノもさらに楽しくなりましたし、音楽を聴くこと自体が幸せになりました」

 

そう前向きに語るワカナさんの表情は晴れやかです。

「できなかったステップができるようになった」「弾けなかったパートが弾けるようになった」──。大きな目標じゃなくても、小さな成長を素直に喜べるようになった自分が、とても愛おしく思えるようになったそうです。

 

職場の人間関係にも、少しずつ嬉しい変化が

最近では、新しい部署でも少しずつ気の合う同僚ができてきました。「私、ダンスを始めてみたんだ」「やっぱり運動しないと更年期が来るよね〜」などと、たわいない話で盛り上がれる同世代の仲間が増えてきたのです。

 

さらに、「大人になってから本格的にピアノを再開した」という同僚とも出会い、意気投合。なんと、今度一緒に連弾をする約束まで! 新しいことを始めたからこそ巡り会えた、素敵なご縁です。

 

かつて子育て中は、習い事はもちろん、毎月の美容院に行くことさえままならなかったワカナさん。今は、少しずつ「自分のための時間」を楽しめるようになり、その日々を「ひたすら幸せ」と感じていると話します。

 

「これまでは仕事と育児に追われて、自分を優先することが難しかった。でも今は、自分を楽しませることが、結果的にいい流れを生むんだって思えるようになりました」

 

「まずはやってみる。行動してみること。それが、人生の扉を開く鍵になる──」
そう実感をこめて語ってくれたワカナさんの姿は、とてもまぶしく見えました。

 

<<この記事の前編:「責任ある仕事に抜擢されるも、『プレッシャー』と『孤独』で眠れない夜。43歳女性が心の余裕を取り戻した“あること”とは(前編)

 

【編集部より】

白髪染めをやめた。矯正を始めた。ドライヤーを買い替えた。骨密度検査をした。習字を始めた。寝る前にストレッチを続けている。資格を再取得した。ママ友と温泉旅行に行った。2㎏やせた。子どもとオンライン英会話を続けている。断捨離した。終活してる。離婚を決意した……

あなたの「小さなトライとその気づき」もぜひ教えてください。こちらから

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク