
病人にかける言葉は「無理しないでね」でなくてもいい。「GOGOアンナ!」だっていい、私はそれが嬉しい#4
こんにちは、「電撃10日婚」で世継アンナになりました、梅宮アンナです。
前編『梅宮アンナ「もう一生独身でいきます」と言っていたけれど。病気になって気づいた「支え合って通院しているご夫婦」の尊さ』の続きです。
病気になってよかったとは思わないけれど、病気を経験したからこそ得たことはたくさんあった
よっちゃんは最初にお食事した日にお土産を用意してくれていたのですが、私の爪が抗がん剤の副作用で黒くなっているというのを読んで、ネイルオイルを選んでくれました。なかなかそんなことしてくれる人はいないですし、ありがたすぎて使えずに飾っています。
今回なるほどなとつくづく思ったのは、女の人が一生懸命「結婚したいです」と言っても結婚には至らないということです。
現に私はこれまで至らなかったでしょう、でも、男の人が結婚したいって思うと早いんです。だから、結婚したい女性は、結婚したいと本気で思っている男性を探さないとならなかったんですね。
よっちゃんは脳梗塞を経験して、血圧も高いから、ご飯もちゃんと作ってあげたいなと思っています。でも、よっちゃんは私にそういう意味での献身を全然望んでいません。先に結婚してあとからお互いを知っていこうとしているので、昨日やっと2人で焼肉を食べて「あ、私が焼いてあげる側だな。食に関してはそれほど手回しをしないんだな」ってわかりました。キムチじゃなくてカクテキなんだなとか、タン、ハラミ、ミノがお好みらしいなとか。
昨日の病院の外来はおかげさまで、よっちゃん効果でしょうか、血液検査の数値が下がっていませんでした。分子標的薬の副作用で白血球が下がると免疫も下がり、肺炎リスクが上がるのでドクターストップの可能性があったのですが、まったく問題なし!
主治医に苗字が変わったと報告するタイミングでしたが、腫瘍マーカーの結果を聞く日でもあったので最初からは切り出しにくく、先に先生の話をきいて何も異常がなかったら「実は」と切り出そうと構えていました。「梅宮さん、すこぶる元気ですよ」と言われたので「実は」と切り出したら、「もちろん知っていますとも」と言われました(笑)。看護師さんにもおめでとうございます、打ち合わせに行ってもおめでとうございます、どこに行っても一生分くらいにおめでとうございますと言っていただいています。
改めて言いたい。「病人は病人らしく」していても幸福になる要素はまったくない
心の持ちようってすごいなと思います。これだけ夢中で好きになれる人がいること自体が嬉しいけれど、結婚するといろいろ忙しいので、自分ががんの闘病中ってことをすっかり忘れちゃった。
気づいたらあれだけむくみに苦しんでいた足が細くなっています。分子標的薬の副作用の下痢だって、何もないままならもしかして辛かったのかもしれないけれど、いまはハッピーだからむしろ悪いものをどんどん出してくれて一石二鳥って思えています。
病気になっていなかったら、この展開はないんですよね。病気になって結婚できるだなんて、私は思っていませんでした。いえ、誰ひとりとして思わなかったですよね。
ひとつ自分で「そうしておいてよかったな」と思うことは、「どうせ病気だから」と病気をネガティブに捉えるのを極力やめたことでした。そして「苦しそう」「声をかけにくい」という状態になるべくならないように頑張っていました。
「病人らしくしていろ」という罵声も飛んできましたが、ウィッグをお手入れしておしゃれしていたのは、「声をかけにくい人」にならないように努力していたから。お手本は海外のがん患者のSNSです。すっごくきれいにお化粧して、病人ぽくない雰囲気でインスタライブに登場するんですよね。
初めてよっちゃんに会った日も、私は「あれ、奇麗」と思われるよう最大限の努力をしていました。できないのに無理をするのはイヤだけれど、できるのにやらないのはもっとイヤだから。そう、私はこの11カ月、「アンナちゃん、やっぱりがん患者ぽいよね」って思われるのがひたすらイヤだったのです。
患者への励ましは「無理しないで」だけではない。「GOGOアンナ!」という応援が嬉しかった
応援してくれる皆さまが「無理しないでください」「ゆっくりしてください」と優しさで言ってくださるその気持ちはとっても嬉しい。でも、私にとってはそれは同時に悪魔のささやきでもありました。私はむしろ頑張りたかったの。頑張らないとならないから頑張っている、そんなときにかけてもらって嬉しい言葉は「GOGO! 行け行けアンナ!」。これがしっくりきました。
「大丈夫?と言わないでほしい」という私の発言も「せっかく相手が心配してくれる気持ちをむげにするのか」と批判を受けました。でもよっちゃんも同じことを言っていました。言う側は人生に1回かもしれないけれど、言われる側は毎日毎日毎日「大丈夫」「よくなるよ」「いまは治る時代」「これを飲めば」といろいろな人に言われまくって、もう抵抗する気力もないのです。大丈夫じゃないから、反論しないであいまいに微笑んでやりすごしているのです。
お気持ちは本当に嬉しいです、でも私たちはNOです。こういう本音を誰もいままで言ってこなかっただけのことなのだと思うのです。
私の病気が判明してからもう少しで1年です。この1年弱の間に世を去ってしまった仲間がいます。彼女は抗がん剤ではなく民間療法を選びました。結果論に過ぎないけれど、もし私も同じように全部諦めて標準治療に進まずにいたら、今日この時点でどうなっていたんだろう。
私は私が信じた標準治療の道に進み、肺炎にかかり術後の激痛に苦しみむくみに悩み倦怠感と戦い、想像の何十倍もしんどい11カ月を過ごしました。でも、いまこうして生還しています。
他人の選択にあれこれ口を出すのはおこがましいのですが、でもやっぱり、日本という世界最先端の医療を誇る国に生まれ、その技術と医療関係者の皆さまの献身を受け取ることのできた私は、本当に本当に幸運だなと思っています。
応援してくださる皆さま、本当にありがとうございます。
最初の記事>>>梅宮アンナが語る「電撃婚の直前」。「もうダメかもと思った」壮絶闘病、「私にとって、夫は副作用のない薬のようなもの」#1
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