
また?あなたの周囲に浮気不倫カップルがわんさかいる理由
「そもそも一夫一婦制というのは人類にとって自然ではないんです」と、心理学者の杉山崇先生。
「我々の脳の奥深い部分には、人類が『社会』という仕組みを作ったときに獲得したマインド、【他人の不幸は密の味】が横たわっています」。
うっ、まあ、否定はできないです。
「社会の中では、ヒエラルキーが上位の固体がいろいろ有利になる場合が多いんです」。
なるほど、そうですね。
「そして、ヒエラルキー上位になるためには、他人の不幸が必要なんです。これが自然ではない理由です」
……?? 先生、もっと詳しく教えて?
アンケートでは「不倫もアリ」が75%だが
では、拙著『ウルトラ不倫学』を参照しながらご説明しましょう。
主婦の友社が実施したアンケートによれば、「不倫を絶対許せない」人は1/4以下でした。つまり、3/4は「場合によってはアリ」と考えているのです。ですが、不倫報道があるたび、徹底批判をするコメンテーターが登場します。なぜなのでしょう?
現在の日本がとっている一夫一婦制は、従来は女性に対して有利な制度だと考えられていました。女性は男性を「獲得した資産」と考えるんですね。なぜかというと、お金を稼いでくる能力は相対的に男性のほうが高いから。女性にとっては生涯の生活を保証する資産なんです。
さて、人類は「配偶者防衛本能」という本能を持っています。自分の配偶者をとられることに強い拒否感を示す本能です。これは男性のほうがぐんと強い。そして、この「配偶者防衛」がルールとして決まっている一夫一婦制は、実は男性側のメリットが高いんです。なぜなら、「寝取ったお前が悪い」と言えるから。
誰もが自分のDNAを残したいですから、サル山のように強いボスザルがメスを総取りする社会は、弱いオスには厳しいのです。
もしかして、不倫を徹底的に批判する人は、この「配偶者防衛本能」が強いのかもしれません。また、進化心理学という分野の観点からは、こういった社会の都合が不倫を「倫に不ず」と規定している「だけ」とも言えます。これらの本能については拙著『ウルトラ不倫学』で詳しく説明しています。男性が浮気する心理を追及したい人はぜひご一読ください。
不倫のつらさに対抗するには
私は臨床心理学者としてカウンセリングを行う立場でもあります。カウンセリングの目的は、どんな人でも自分のあり方に誇りを持って生きられるようにすること。不倫をしている人、されている人、純粋に不倫のゲスさに興味がある人、どんな人でも、「不倫という行為がいいか悪いかは、周囲や社会ではなくあなたが決めること」です。
とはいえ不倫はつらい。特に年末年始のイベントごとで彼がファミリーの元に帰ってしまうとつらい。逆に、不倫されている妻の立場であれば、イベントごなのに夫があの女とどこかへ出かけているのがつらい。
女性の不倫は、どうしても相手の男次第でその幸福度が決まりがちです。女性のほうが相手の影響を受けやすいからです。まず、女性はその存在を隠されていると喜びを感じにくいもの。ですから、2人の存在を公にできる人間関係を持ったほうがいいです。趣味の会、行きつけのお店の人の輪、何でもいいでしょう。
また、「妻の座」を奪おう、妻に近づこうとするのではなく、反対に妻が絶対やらないポイントをひとつでもつかんでおくと自分も不安にならずに済みます。例えば、自転車や将棋、トライアスロン、映画など、一緒に楽しめる男性の趣味をマスターするのもいいでしょう。
マメではない男との不倫がそもそも間違い
不倫中の休暇期間、たとえばクリスマスやお正月に彼がまったく連絡をくれない、何をしているかも教えてくれなくてつらいという相談を受けます。こうした、マメさに欠ける男との恋愛はそもそもオススメしません。まず、あなたは不倫そのものが好きなのか、その男が好きなのかをよく考えて区別したほうがいい。
よその奥さんから男を寝取るのが好き、スリルが大好きという女性は、相手の男性にマメさを求めちゃいけない。でも、その男が好きなら、あなたのことをもっと好きになり、大事にしてもらうべきです。
ここで問題なのが、男性の本能。男性は自分がマメではないという自覚ができないのです。自分は精一杯まめに連絡しているはずだ、何で怒ってしまうのかが全く分からない。これが標準的な男性です。
ですから、はっきりと、妻の座がない私は心配なのだ、不安なのだ、だからこまめに連絡をくれと伝えてください。そこで理解してくれない男性は、おそらくあなたのことをそれほど大事に思っていません。ただの都合のいい女として扱われていることに気づきましょう。
どちらにせよ、その不倫を誰からも好奇の目で見られ陰口をたたかれる「ゲス不倫」にしてしまうのか、周囲がそういう恋愛の形もありだねと理解してくれる「そいとげ不倫」に昇華するのかは、あなたの気持ち次第です。
不倫カップルには「会えない時間」があります。会えない時間を大事にできたカップルが恋愛を昇華します。ぜひ『ウルトラ不倫学』で相手の心理を知り、その美しい愛を昇華してください。
お話し・杉山崇先生 神奈川大学人間科学部人間科学科教授、同心理相談センター所長。 学習院大学大学院人文科学研究科にて心理学を専攻。在学中から、障害児教育や犯罪者矯正、職場のメンタルヘルス、子育て支援など、 さまざまな心理系の職域を経験した。現在は、脳科学と心理学を融合させた次世代型の心理療法の開発・研究を行っている。
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