ひらがな2文字!「殺陣」の読み方、知っていますか?
街中で見かけるさまざまな漢字の中には、思いも寄らない読み方をする漢字がたくさんあります。
そして、たとえ見かける機会が多かったとしても、読み方を知らないと「え、なんて詠むの…?」と困惑してしまうものです。
そこで本記事では、意外と読めない漢字クイズを出題します。
イベント会場などで見かけることも多いパフォーマンス「殺陣」。あなたはなんと読みましたか?
「殺陣」とは
演劇・映画で、斬り合いや捕り物の場面の立ち回りの演技。また、その演技を振り付けること。
引用元:三省堂 大辞林第三版
のこと。
少々物騒な「殺」と「陣営」「陣痛」などの言葉で馴染みのある「陣」を組み合わせた言葉です。「殺」や「陣」の馴染みのある音から「さつじん」と読んだ人も多いのではないでしょうか。
「さつじん」は決して間違いではありません。
ですが、同じ音に「殺人(さつじん)」がありマスカラ、物騒な話だと勘違いされてしまうかもしれません・・・!
ひらがな2文字で表される一般的な読み方で読んだ方がベターです。
正解はこちら!
「たて」です。
「殺陣」が「たて」と読むようになった背景には
- 読み「たて」の由来
- 漢字「殺陣」の由来
が関係します。
まず「たて」は、歌舞伎で乱闘・斬り合いの場面を意味する「立ち回り」を略した「立ち」が由来とされています。
「殺陣」は、大正から昭和初期に活躍した大衆演劇の人気役者で、劇団新国劇を創設した沢田正二郎が、公演の演目に「殺人」と提案したところ、座付き作家の行友李風から「穏やかでない言葉なので「陣」の字を当てたらどうか」と提案されたことが由来とされています。
そのため、元々「殺陣」は「さつじん」と読まれていたんです。
沢田正二郎の七回忌記念公演『殺陣田村』から「殺陣」に「たて」の読みが当てられるようになり、そこから「斬り合いや捕り物の場面の立ち回りの演技=殺陣(たて)」となりました。
参考文献
- なにわ人物伝 -光彩を放つ-沢田正二郎 ―さわだ しょうじろう―
- 小川順子『殺陣という文化-チャンバラ時代劇映画を探る』世界思想社、2007年、15-16、31-32頁