杏、不倫に続く実母との金銭トラブルが「致命的」な後ろ暗い理由

2020.04.24 LIFE

新型コロナ肺炎対策で自粛自粛の毎日ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 

新型コロナ肺炎は今のところワクチンも治療薬もないので、感染爆発を止めるためには、うつらない、うつさないを心がけるしかないのですが、ウィルスでない「うつるもの」も私たちの身近には、あふれています。

 

夫の不倫に続いて、今度は実母に訴えられた杏

夫である俳優・東出昌大の不倫が明るみになり、離婚するのかどうかが注目される女優・杏ですが、「女性セブン」(小学館)が、杏の実母との金銭トラブルについて報じています。

 

概要をまとめますと、杏は大手芸能事務所に籍を置いていますが、節税のために実母が代表取締役の個人事務所を設立します。しかし、2014年に杏は個人事務所を退社して、事務所と直接契約にしたいと言い出します。要は母親と縁を切りたいと言ったわけです。

 

こうなると、実母にはお金が入ってこなくなるので困ります。調停をしましたが、もの別れに終わり、とうとう裁判に突入します。実母は杏が事務所の社員であることの確認と、調停中の名誉棄損の慰謝料1000万、杏がずっと個人事務所に在籍したとして20年間の利益を12億と計算し、とりあえず3000万を補填せよと主張します。

 

親が子を訴えるとはおだやかではない話ですが、二人はこれまで良好な関係で、ずっと二人三脚でやってきたと報道されていました。フツウの家庭とは違う経験をしすぎたため、協力せざるを得なかったのだと思います。

 

子ども時代から、杏は親に翻弄されてきた・・・

杏の父親は、いわずとしれた俳優・渡辺健ですが、大河ドラマ「独眼竜政宗」の主役をつとめた後に白血病が発覚します。今と違って、白血病は治療法がないとも言われていた時代ですから、俳優としてこれからという時期に家族は奈落の底に叩きつけられた思いがしたことでしょう。

 

実母は新興宗教にはまり、信心に励みます。その結果、健が快方にむかったことで、ますます信仰にのめりこみ、多額のお布施を要求されたそうです。高額の水を教祖から買っていたと当時の週刊誌で読みました。

 

一家の主が働いていないのに、お布施をどんどんするものですから、家計はひっ迫していきます。実母は知人や杏の同級生の親御さんから2億もの借金をしていたことがわかります。

 

健は借金を理由に離婚を申し立てますが、実母は拒否。健の9人の不倫相手の実名を挙げ、応戦します。ちなみに不倫の女王、斉藤由貴も相手の一人として名前が上がりました。

 

泥沼の裁判を経て離婚しましたが、健が養育費を支払わないので、生活は困窮。杏には兄がいますが、「オトコに学歴がないのは困る」と、杏は自ら中退するのです。その後、父親への嫌悪感からか、渡辺姓を名乗らずに芸能界入りをします。モデルから始まり、今や日本有数の視聴率が稼げる女優と成長しました。母親の借金も杏が返し、実母を個人事務所の社長にすえていますから、母親を食べさせていたと言っていいでしょう。

 

それなのに、杏がどうして母親を切ろうとしたのか。それは実母が霊能者に傾倒して、個人事務所から多額のコンサルタント料を支払っていたからだそうです。

 

しかし、実母によると、霊能者に頼っていたのは杏のほうで、独身時代に不倫をしていたり、DV癖のある男性と交際していて、それを霊能師に相談をしていたと裁判で反論したのです。証拠としてメールも提出したそうです。

 

結婚した男が、父親と同じように不倫しまくりだった。母親が宗教にどハマりしたことで、いらぬ苦労を経験してきたのに、自分も霊能師に相談してしまう。父親の不倫で傷ついたのに、自分も不倫をしてしまった。

 

これが私が毎週しつこーく書いている、「恋愛と結婚は、育ってきた家庭の焼き直し」という話なのです。

 

よくも悪くも、子どもは親と同じことをしてしまう。だからこそ、表面的なモテテクなんぞ磨く前に、自分の育ってきた環境を振り返る必要があると思うのです。

 

「親のようになりたくない」と思っているのに、同じことをしてしまうのはなぜか?

私は専門家ではないので、一般論として書きます。

 

父親が病気になり、母親が宗教にのめりこんで金欠というのは、子どもが育つ環境としては好ましくなかったと言えるでしょう。

 

悲劇的なのは、「誰が悪い」という犯人が見つからないこと。父親は好きで病気になったわけでもないし、夫が若くして当時あまり治療法の確立されていなかった病気にかかったら、実母が宗教にはまってもせめられません。

 

こういうアンバランスな環境、いわゆる機能不全家庭で育つと、子どもは心に大きな傷を負い、一方で自分の存在感を示すために、自発的に役割を背負います。

 

兄のために高校を中退し、モデルから始めて売れっ子となって、母親の借金まで返す。優等生の杏は、ヒーロー型、もしくはケアテイカー型の子どもだったのかもしれません。

 

ヒーロー型とは、その名のとおり、勉強やスポーツなどで優秀な成績を収めてヒーローになろうとする子のことです。世に名を残すような人になることもありますが、欠点としては「一番以外、全部失敗」という非現実的な完璧主義に陥る可能性があります。

 

ケアテイカー型というのは、子どもが親のお世話をしてしまう、親子逆転を指します。家族が助け合うことはいいと思いますが、その結果、親が子どもに依存したり、「自分が面倒を見ないとどうにもならない人」を探してしまう傾向があります。なので、わざわざアルコール依存症やDV男など「手のかかる人」と交際してしまうこともあります。

 

この手の問題は世代間で連鎖してしまい、「ああいうふうになりたくない」と強く思っているのに、気づいたらそうなってしまうこともよく知られています。このあたりのことにご興味ある方は、「私は親のようにならない 改訂版」(誠信書房)を読んでみてください。

 

心理学の観点から言うと、家族間のトラブルが続く杏は「なるべくしてなった」部分があると言えるでしょう。構造的な問題であって、誰が悪いという話でもありませんし、杏に男運がないとか男を見る目がないとかいう話でもありません。

 

杏が実母から「うつされた」ものとは?

杏が実母から「うつされた」と思うもの、それは不安です。実母は元夫の闘病により、「困ったことがあったら、神さまや霊能者に頼る」というクセがついているようです。カウンセリング的に使うならいいと思いますが、事務所からコンサル料を払うというのは、ちょっと依存的と言っていいのではないでしょうか。なぜ、こういう人にすがってしまうかというと、不安が強いからだと思うのです。

 

子どもの思考回路は、親によって作られます。不安が強い母親に育てられれば、当然、子どもの不安も強くなります。杏が問題のある男たちとの交際を、本当に母親に打ち明けているとしたら、それもまた、不安のなせる業だと思うのです。

 

独身同士のカップルならいざ知らず、既婚オトコ、DVオトコと問題があった場合の解決方法は「彼に妻と別れてもらうか、自分が別れる」か「離れる」というシンプルなものしかない。それがわかっていながら、母親に打ち明けているとしたら、不安を抱えきれないから誰かに聞いてほしかったのではないでしょうか。

 

日本のドラマだと、こういうときに母親は「大丈夫よ」と笑ってはげましてくれるものと決まっていますが、不安の強い母親の場合、打ち明けられたことで不安が爆発、センセイ(霊能者)に相談しなくては!相談するには相談料!おカネ!ぎゃ~!と話が必要以上に大きくなってしまうのではないでしょうか。

 

杏が私の推測するように、不安定な家庭で不安を「うつされて」成長したとしても、それが悪かというと、そうは思わないのです。

 

不安定な家庭で育ったことが芸能界で成功するモチベーションにつながった部分はあるでしょうし、不安が強いから、日ごろのトレーニングを入念にしたりするというプラスな面もあるはず。

 

家族との関係を振り返るというと、必ず「いいトシして家族のせいにするな」という人が出てきますが、誰かを糾弾せよという話ではないのです。どんな物事にも「いい面」と「悪い面」はあるはず。大事なのは、両方から眺めて考えてみることではないかと思います。

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