山内惠介、「何度も見た」舞台に描かれる家族とは|対談・石井ふく子

2020.08.06 LIFE

変わりつつある日本の家族を見つめ、人々が求めるホームドラマを60年近くにわたり、作り続けてきた石井ふく子さん。93歳の今も新しい作品を生み出し続ける石井さんの力強い生き方に、演歌界の貴公子・山内惠介さんが迫ります。

 

石井先生の作るドラマはどれも
最後に希望を感じさせてくれます(山内)

石井:初めて山内さんにお目にかかったのに、そういう気がしないんです。あなたのことは「いい青年だから」とよく聞いていましたから。昨日もチータ(水前寺清子さん)から「よろしくね」と電話があったんですよ。

 

山内:人のつながりは本当にありがたいですね。感謝の気持ちしかありません。石井先生は年齢を重ねられてなお、プロデューサーあるいは演出家としてテレビドラマや舞台で新しい挑戦を続けていらっしゃる。みんながこうありたいと憧れる存在だと思うんです。僕もそのひとりで、いつかお目にかかりたいと願っていました。

 

石井:もう60年もこの世界にいます。制作したドラマも4000本を超えました。今も、テレビドラマと次の舞台の準備を進めています。

 

山内:素晴らしいですね。

 

石井:でも、今年はこれまでで最も大変な年だったかもしれません。ウイルスは目に見えない。いつどうなればこの戦いが終わるかもわからない。戦争も辛かったけれど、今回はじっと家にいるしかないので、皆さん、不安との戦いにお疲れになったんじゃないですか。私も準備していた舞台が中止になりました。あなたも大変だったでしょう。

 

山内:劇場公演も、コンサートも中止になりました。この経験を通して、仕事は人と人が出会い、作っていくものだと改めて感じさせられました。僕らばかりではなく、社会全体がそうなんだ、と。

 

石井:各方面そうですよね。やっとこの業界も動きだしましたが、ソーシャルディスタンスで、ラブシーンもできない。もっとも、私の手がけるものにはラブシーンはあまりありませんけれど……。

 

 

撮影/井坂英彰

 

山内:先生は家族をテーマにドラマを作り続けていらっしゃいますよね。

 

石井:家族はいちばん身近なことですから。人と人との関係のおおもとなんですね。

 

山内:僕は先生が手がけられた舞台『華々しき一族』のテレビ放映に感動して、何度も繰り返し見させていただきました。血のつながらない家族の、つかず離れずの関係性、同居人との心の機微……、色っぽい内容なのにドロドロしていない。品があるんですよね。

 

石井:家庭は日常であっても、ハラハラもドキドキもあるんです。今回の自粛生活でも、家庭のさまざまな問題が浮かび上がってきました。朝から晩まで会社だった夫が四六時中、家にいる。夫婦関係がよくなる人もいれば悪化してしまった人もいる。そのバックには感染という恐ろしさもある。夫婦それぞれ、お互いをどう感じたのか。子どもたちは親を見て何を思ったか。いろんな角度からドラマを作れると思いました。

 

山内:どんなドラマであっても、先生の作品は最後に希望を感じさせてくれますよね。

 

石井:ドラマを通して、家族はどんなに大事なものであるかということを皆さんに感じてもらいたいんです。人には、やはり心と愛が必要ですから。

 

気になる「山内惠介の会いたい人」対談の全編は発売中の『ゆうゆう』2020年9月号(こちら)に掲載されております。「山内惠介の会いたい人」は、2020年9月号より短期集中連載中です。是非チェックしてみて下さい!

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【プロフィール】

いしい・ふくこ●1926年東京生まれ。61年TBSにプロデューサーとして入社。東芝日曜劇場では「女と味噌汁」をはじめとする話題作を次々に制作。さらに「肝っ玉かあさん」「ありがとう」「渡る世間は鬼ばかり」など多くのヒットドラマを手がけてきた。近年は舞台作品の演出が中心に。プロデューサー、舞台演出家として、菊田一夫演劇賞・特別賞、毎日芸術賞を受賞、紫綬褒章なども受章。最多舞台演出本数などで、3度、ギネス世界記録に認定された。

 

やまうち・けいすけ●1983年福岡県生まれ。2001年17歳のときに「霧情」で演歌歌手としてデビュー。
09年「風蓮湖」がオリコンで50週にわたってランクインするロングヒットを記録。14年「恋の手本」で初のオリコンTOP10入りを果たす。15年、日本レコード大賞で日本作曲家協会選奨を受賞。同年、第66回NHK紅白歌合戦初出場。その後、5年連続5回出場。甘い歌声とマスクで人気を博す。最近は舞台や映画などでも活躍。

 

撮影/井坂英彰 スタイリング/高山良昭(山内さん) ヘア&メイク/小林葉子(山内さん) 取材・文/五十嵐佳子

 

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