
コロナで「自制しない人たちにイライラする」人に、医師がお伝えしたいこと
どん底に突き落とされるような大きな問題があるわけではないけれど、日常の中で積み重なった不満や不安で心がどんより。
そんなゆうゆう世代のために、心療内科医の海原純子さんに伺った、淀んだ心をすっきりさせる方法とは?
モヤモヤ別処方箋 前を向く「心の棚おろし」
悲観、怒り、後悔、不安……。でも「辛い」と嘆くだけでは心は沈むばかり。
負の感情を晴らすにはどうしたらいい? 海原さんからの処方箋です。
【悲観】先々のことが不安で不安で、何もする気が起きない
Q コロナ禍で、ずっと自宅にいます。「年金が減ったらどうしよう?」「自分は喉が弱いから、コロナにかかったら、死ぬに違いない」など、将来に希望が見いだせません。家事など、何もする気が起きずにいます。
A ちょっと体を動かして心に風を入れましょう
コロナ禍での閉塞感やウイルス感染への不安で気持ちが滅入っているのですね。でもやる気が起きるのを待っていては、いつまでも気持ちは上向きになりません。こういうときは体を動かすのが一番! おすすめはすぐにできる掃除です。掃除機を出すのが面倒だったら、机の上をふいたり、ガス台の隅を磨いてみたり、小さなことでいい。心は体と一緒に動くもので、ちょっと体を動かすだけでも心に風が入って活気が出てきますよ。気分が変わって「悩んでも仕方がない。それより自分にできることをしよう」と、前を向く力も湧いてくると思います。
【怒り】こんな状況でも自制をしない人たちに腹が立つ
Q コロナ禍なのに、外出している人に腹が立って仕方ありません。娘は「仕事だから、仕方なく外出しているのかもよ?」と言いますが、どうしても批判的な気持ちになってしまいます。ずっと家にいる夫にも腹が立ち、在宅中の近所の子どもの声にも、うんざり。ヒステリーになりそうです。
A 自分を喜ばせることをして。他人への怒りが消えます。
見も知らぬ他人に腹が立つのは、相手の問題ではありません。それは自分が幸せではないから。自分に幸福感がないから、「私は自粛生活で我慢しているのに、あの人は外出して」「楽しそうな子どもの声が耳障り」と他の人に腹が立つんですね。ならば、どうしたらいいか? 他人の外出を気にするより、自分を幸せにすることを考えましょう。「好物のお刺し身を食べよう」とか「好きなCDをかけて歌おう」とか、何でもいいから今の自分を喜ばせることをする。自分の心が喜べば他人のことが気にならなくなり、他人に対する怒りも消えていくでしょう。
【ねたみ】私だけが認めてもらえない。いつも損をしている
Q 私のパート先のカフェでは営業時間が短縮になり、突然クビと言われました。私より作業が遅い大学生はそのまま勤務しているそうです。なぜ? ひどくないですか!? 私のほうが絶対仕事ができるのに! 自分の存在価値を否定された気がします。
A 仕事だけではない自分の存在価値を見つけましょう
仕事は作業効率だけで評価されるものではなく、コミュニケーション力など+αが必要です。カフェの店主が最も大事にしているのは+αのほうかもしれません。カフェにとっての優先事項と自分に不足しているものを考え、「やはり自分のほうが長けている」と思う場合は「どうして私がクビですか」と聞いてみては? 年齢が原因なら、もうしようがない。というより、若さを最優先するような店に勤め続ける必要がありますか。そういう店は「辞めてよかった」です。ただ、どうして仕事を失うことで存在価値が否定されたと思うのでしょう? 存在価値は生き方や人間関係のあり方やいろいろな要素から成り立っています。仕事だけではない自分も大事にしてほしいですね。
気になる「心のモヤモヤの晴らし方」特集全編は発売中の『ゆうゆう』2020年9月号(こちら)に掲載されております。是非チェックしてみて下さい!
ゆうゆうは親子で楽しめる雑誌です。お母様へのプレゼントとしても是非ゆうゆうをご活用下さい。
教えてくれたのは・・・
海原純子さん
うみはら・じゅんこ●東京慈恵会医科大学卒業。医学博士。心療内科医。昭和女子大学特命教授、日本医科大学特任教授。ハーバード大学客員研究員を経て現職。ジャズシンガーとしてライブ活動も。近著に『さびない女を作る 46歳からのキレイの医学』など。
取材・文/佐藤ゆかり
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