「食べても食べてもお腹が空く」人に、医師がそっとお伝えする3つの改善のコツ

こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。

この連載では、人生100年時代の折り返し地点、50歳になる前にやめたい悪習慣についてお伝えしていきます。

食べても食べても、すぐにお腹が空く。だから、間食が欠かせない。その悪循環を断ち切るには、ちょっとした食べ方のコツがあります。

【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#42】

実は…お腹が空くのは、脳の勘違い!?

食べても食べても、すぐにお腹が空いて、何かをつままなければ気が済まない。
そんな衝動から、ずっともぐもぐ、ポリポリ、口に運んでいる人は多いはず。

 

「空腹を楽しみましょう」なんて人の気が知れない。
空腹を我慢するなんて絶対できない。

 

そうこうしているうちに、すっかりカロリーオーバーになると、ぽっちゃりを抜け出せなくなってしまいます。

 

そんな人は、消化能力が高いわけはでなく、脳の勘違いで空腹を感じているだけかも知れません。

 

「摂りすぎた糖質」がさらに脳に空腹感を与える

やはり、キーになるのは、糖質。

 

炭水化物や砂糖やブドウ糖たっぷりの甘いものの摂取が多い人で、すぐに空腹を感じて我慢できない人は、脳の勘違いで空腹を感じている可能性があります。

 

炭水化物や甘いものは、血糖値を急上昇させることや、腸内のカンジダ菌の増加に伴って、低血糖傾向になることを以前からもお話ししてきました。

 

低血糖は、体にとってエネルギー不足の危機的状況ですから、脳は「もっと食べろ!」と指令を送り、危機を回避しようとします。

 

加えて「ビタミン・ミネラル不足」で電池切れに

さらに、多くの人は、主に糖質をエネルギー源にしていますが、実は、これは即効性のエネルギーで、持続力に欠けます。

その上、鉄や亜鉛、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンB群が不足すると、不完全燃焼になり、十分にエネルギーに代わりません。

 

これらのミネラルやビタミンB群は、必須栄養素であって体に欠かせませんが、かなり頑張って食事のバランスを良くしないと摂れません。

 

特に、精製された炭水化物に偏りがちで、白いパン、ご飯、麺類が大好きで、タンパク質や海藻類の摂取が少ない人では、多いに不足しています。

 

食事のバランスをとることはもちろんですが、忙しい日常で毎日実践ができない場合は、ベースサプリメントとして、マルチビタミンミネラルを補給してみたら良いですね。

 

ハイブリッドエンジンを搭載して「電池切れ」を回避

一方で、脂質をエネルギー源にすると、糖質よりも持続力のあるエネルギーがたくさん生まれ、電池切れをしづらくなります。

 

糖質も脂質も、両方のエネルギー源がハイブリッドで使えたら、電池切れしづらい、つまり「空腹」になりづらい体になります。

 

カロリーが高いからと控えがちな脂質ですが、食べ過ぎの糖質を減らして脂質を増やすことで、空腹感を感じづらくなり、総合的には食事の摂取量が減ることになります。

 

ぴったりの中鎖脂肪酸「MCTオイル」の選び方

特に、使いたいのは、エネルギーに代わりやすく、脂肪として蓄積しづらい、中鎖脂肪酸・MCTオイルです。

 

MCTオイルは、ココナッツオイルから抽出した油脂です。

 

MCTオイルの中には、4種類の脂肪酸(C6,C8,C10,C12)が含まれていますが、燃焼効率が良く体に良いのは、C8(カプリル酸)とC10(カプリン酸)。

 

特に、これらを抽出したものが、おすすめです。

 

MCTオイルを買う際は、裏の原材料表示を確認し、脂肪酸の組成まで確認すると良いですね。

 

「空腹を感じづらくなる」食べ方3つのコツ

コツ1・1食あたりお茶碗1杯程度のバランス食にする

炭水化物オンリーのご飯ではなく、おかずも含んだバランスの良いご飯にして、炭水化物は適量にする。お茶碗1杯程度の量が1食分の目安です。

 

コツ2・普段の油をMCTオイルに変更

そして、サラダのドレッシングや和物、スープなど、MCTオイルを大さじ1杯程度使ってみましょう。
コーヒーに入れる「バターコーヒー」もお手軽にMCTオイルを摂れる方法です。すると、食事と食事の間にも、あまり空腹感を感じずに済むはずです。

 

コツ3・間食は脂質やタンパク質メインにする

それでもなお、食間ににお腹が空く場合は、ナッツ類や茹で卵、ささみジャーキーなど、糖質を含まない、脂質やタンパク質メインのおやつをチョイスしてみて下さい。

 

最近、コンビニエンスストアにも、「ロカボ」おやつが並んでいます。

 

1週間ほど続けると、「お腹すいた!」と叫んでいたのが嘘のように、食欲が適正になるはずですよ。

 

【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」、週1回、土曜の夕方に配信!】

文/内科医・認定産業医 桐村里紗

tenrai代表取締役医師。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。治療よりも予防を重視し、「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、新しい時代のヘルスケアを様々なメディアで発信している。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」他メディア出演多数。著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)他。

 

 

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