「妊婦みたい」と言われた50歳、閉経後のパツパツ便秘を救った漢方は?

「下っ腹がぽっこりしてきた」「今まで快便だったのに最近は便秘気味」など、40~50代になり、こんな悩みをお持ちではありませんか?

日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。この時期は、ホルモンバランスの乱れにより、さまざまなからだや心の不調に悩まされるもの。

定期的にお通じはあるがスッキリしない、便秘がひどくなったなどの便秘症状は、更年期にもみられる不調です。

そんなつらい不調の乗り越え方を、「あんしん漢方」の薬剤師、道川佳苗さんに教えてもらいました。

更年期の歩き方(8)

50歳、便秘のせいでおばさん体型…仕事の自信も失い…

大企業の管理職として働いているAさんは50歳。40代後半から生理の周期が乱れ始め、50歳に閉経を迎えたそうです。

 

「私は自他ともに認めるエネルギッシュなタイプ。今まではバリバリ働いていて、外食も多く、会食でおいしい物を食べるのも楽しみのひとつでした。もちろん体調不良とも無縁。でも、閉経を迎えてからは、なんだか自分の身体じゃないみたいなんです」

 

この1年で急激に体調が変わったとAさんは言います。

 

「便秘をするようになりました。今までは毎日快便で便秘の心配なんてしたことがなかったのに、閉経したとたんにお通じが悪くなって……」

 

お腹が張り、ガスが溜まっている感じで気持ち悪いうえ、下っ腹がぽっこりと出てしまいました。

 

「もしかして妊娠?って言われかねないくらい、お腹がパツパツ。お気に入りのスカートも履けなくなり、大ショックです。今ではお腹が楽なゴムタイプのズボンばかり履いています」

 

その他にも体調の変化を感じています。

 

「今までは冷えも感じたことがなかったのに、手足の冷えも感じるし、お腹が冷えるので寒い日はカイロを貼って乗り切っています。普段は便秘だけど、たまにお腹が痛くなって下痢をすることもあるんです」

 

さらにAさんには最近ショックなできごとが。

 

「職場の若い後輩たちが『あのおばさん管理職がさ』と言っているのを耳にしてしまい……バリバリ働いてまだまだ若いと思っていた気持ちが一気に崩されました」

 

自分だけがまだ若いと思っていたんだな……そう感じて恥ずかしくなり、急に自信を失ったそう。

 

たかが便秘なのに…自信をどんどん失っていく

Aさんは続けます。

 

「便通がスッキリしないと気持ちも落ち込む事が増えて。こんなおばさんだもの、昔みたいにスッキリと出ることはもうないのかなと悩んでいます。鏡に映る自分のぽっこりしたお腹を見るたび、ため息を通り越して涙が出ます」

 

Aさんは、思い切って便秘で悩んでいることをかかりつけの内科の先生に相談してみました。そうすると、思いがけない言葉が返ってきたのでした。

 

「もしかしたら便秘も更年期からきているかもしれないね」

 

更年期ですか……! 閉経したとはいえ、まさか自分に更年期症状があるとは思っていなかったので驚きました。

 

そもそも、更年期の症状でも便秘があるなんて。

 

でも同時に、「更年期ということがわかれば、対策が打てるはず」と希望も持てたのでした。

 

おばさん体型で太り気味なこともあり、根本から体質改善をして治したいと思い、漢方に詳しい先生に相談してみることにしました。

 

その便秘、更年期のせいかも?便秘が起きる理由って

更年期では、

・今まで快便だったのに急に便秘になった

・定期的に出るけどスッキリしない

・便秘と下痢を繰り返す

・コロコロとしたうさぎの糞のような便が出る

などの症状がみられます。

 

このように、今までは快便だったのに閉経をきっかけに便秘になることが更年期の便秘の特徴です。更年期に便秘の症状が出るのは、女性ホルモンの分泌が急激に少なくなることにより、自律神経のバランスの乱れが引き起こされることが関係しています。

 

腸の活動をコントロールしているのは自律神経ですが、自律神経のバランスが乱れるとストレスも感じやすくなり、交感神経が過敏になります。そうすると副交感神経がよく動かず、腸の蠕動運動もにぶくなってしまい便秘が引き起こされるといわれています。

 

また、更年期はホルモンの分泌が乱れやすいだけでなく、さまざまなライフスタイルの変化と重なる時期です。そのため、余計に症状が悪化することがあります。

 

便秘以外の更年期の症状は?

突然顔が熱くなるホットフラッシュなどは更年期の症状として有名ですが、更年期のホルモンバランスの乱れによって、以下のような症状が生じることもあります。

・肌荒れ

・腹痛

・太りやすくなった

・イライラしやすい

血の巡りや気の巡りも悪くなりやすい更年期では、このような症状も起こりやすくなるのです。

 

更年期の不調には漢方がよく効きます

「更年期症状がつらいけど、ホルモン補充療法には抵抗がある」

「便秘を生じない体質になりたい」

そんな方には漢方薬がおすすめです。

漢方薬は、漢方医学の多くの症例により効果と安全性が認められているお薬です。自然の生薬からできており、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないと言われています。

とくにホルモンバランスなどからだ全体のバランスを整える事を目的とした漢方は女性の味方ともいえます。

また、現在生じている不調を抑えるだけでなく、根本的な体質の改善を目指すものですので、「薬で辛さや痛みを解消しても、すぐにまたぶり返す」という経験を経て、自分の健康に自信を持てなくなったとお悩みの方にも、ぜひ試していただきたいお薬です。

さらに、健康のために、栄養バランスのととのった食生活や、ジョギングや筋トレなどの運動習慣を続けるのは難しいという場合でも、漢方薬の場合は、自分の症状や体質に合ったものを毎日飲むだけですので、手間なく気軽に継続できるという利点もあります。

漢方医学を日常生活に取り入れることで、健康で快適な生活をめざしてはいかがでしょうか?

<便秘の方におすすめの漢方薬>

・大建中湯(だいけんちゅうとう):お腹が冷えて痛む、張る、便秘の人に。

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):太りやすくなった、便秘がちな人に。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):イライラして、のぼせもあり便秘がちな人に。

 

漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

 

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。

 

・あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

便秘も放置せずに専門家に相談しよう

便秘は一見、更年期と関係がないようにみえる症状ですが、更年期の症状で便秘が出る場合もあります。よくある便秘だからと放置せず、根本的に改善することが大切です。また、便秘だけでなく、下痢も起こる、お腹が冷えるなどさまざまなお腹の不調が出やすいのも更年期の特徴です。つらい時には一人で悩まず、専門家に相談してみましょう。

 

執筆/あんしん漢方 薬剤師 道川佳苗

漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事し服薬指導をする中、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、調理技術、栄養学を学ぶため服部栄養専門学校に入学し卒業する。現在は今までの経験を活かし web上で健康相談や薬膳や漢方に関する情報発信をしている。

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