まさに至福の味!手土産界に君臨する帝国ホテル 東京のフルーツケーキ「オーチャード」【近藤サトのセンスがいいおすすめ手土産】

2021.01.30 FOOD

 

美味しい食べものには味覚においても値段においても一定の限界があると思っています。

 

これ以上美味しくできない、これ以上お金をかけられないという。「いやいや10万円のステーキもあれば、一個1000円の卵も1000万円のワインもあるわよ」とおっしゃるかもしれませんね。

 

たしかにそういうのは巷に存在するようです。が、そういうのは限界ではなく私にとっては限界突破です。

 

一生に一度くらいは?いえいえ、冷静に考えれば食肉や鶏卵、ワインのスペシャリストでもない私に味覚やそこまでの価格を評価できる自信は全くありません。

 

でも、これは味も価格も限界ぎりぎりだなと思うのは、東京日比谷の帝国ホテル 東京のホテルショップ「ガルガンチュワ」で販売されているフルーツケーキ「オーチャード」。

 

オーチャードはその存在を知る人の間では「一万円超えのケ―キ」と呼ばれているそうで、私も第一印象は「高っ!」でした。

 

ただ、10000円を超す価格にほかの菓子類とは一線を画した強い意志が感じられ、これはただものではなさそうだと思ったのです。

 

果樹園と冠したフルーツケーキは持った感じはずっしりと重く、その時点で果物の割合が相当多いことがわかります。箱をあけると数々のドライフルーツが表面にちりばめられており、暗くなりがちな焼き菓子の表面で果実がさえずっているような華やかさ。

 

カットした断面は、思わず彦摩呂さんのあの名言が口をついて出そうなほど、色とりどりのドライフルーツがまんべんなく宝石のようにたっぷり埋め込まれています。

 

実は使われている十数種類のドライフルーツはそれぞれの特性に合わせた最適なリキュ―ルに漬け込まれたものを使用しているそうで、またそれらがしっかり馴染むまでケーキを休ませ熟すのを待つそうです。

 

こうして完熟状態で店頭に並べられたオーチャードは、香り高くドライフルーツ本来の凝縮された甘みや酸味が生かされ、ケーキといいながらも生地までフルーツと紛うほど豊かに実り、至福の味わいです。

 

一度に十数種類の果物を食べるという不可能を可能にした唯一無二の驚異的なフルーツケーキとしてガルガンチュワに君臨しているのも頷けます。これは限界ケーキでしょう。

 

でもやっぱり10000円超えは、と思う方もいらっしゃるでしょうか。それについてさすがと言うべき奥深いエピソードをホテルをよく知る方から聞きました。

 

オーチャードが誕生する2005年以前、ホテルの御贔屓筋が帝国ホテルに「おたくには帝国ホテルの手土産として他人様にお持ちするようなお菓子がない」と苦言を呈されたそうです。

 

それは重大な忠告として受け止められ、ついには贔屓客が納得する「帝国ホテルらしさ」を追及した焼き菓子を作ることになったというのです。

 

では価格はどうして10000円超えなのでしょうか。というより9800円ではダメだったのです。桁の違いは格の違いです。帝国ホテルは5ケタのフルーツケーキを製作するというミッションを遂行した結果として、価格にふさわしい極上のフルーツケーキ、オーチャードが誕生したのかもしれません。

 

オーチャードの美味しさを凌駕するのは、帝国ホテルの顧客の凄さかもしれませんね。

【フルーツケーキ「オーチャード」】

発酵バターやハチミツを加えた生地に、メロン、ブルーベリー、マンゴー、いちじくなど10数種類のフルーツとナッツをふんだんに織り込んだ、フルーツケーキ。フルーツは、それぞれに合わせたリキュールやブランデーに漬け込んでいるので、食べた時の香りも魅惑的。11000円(税込み)。

詳しい商品情報はコチラ

お問い合わせ先 帝国ホテル 東京 ホテルショップ「ガルガンチュワ」 03-3539-8086

 

<執筆/手土産セレクト>

近藤サト

1968年岐阜県生まれ/日本大学芸術学部放送学科卒業。1991年4月、フジテレビ入社。報道番組や情報番組などのナレーションを担当。1998年9月、フジテレビ退社。フリーランスに転身後は、落ち着いた声質をいかしてNTV『有吉反省会』、CX『梅沢富美男のズバッと聞きます!』などのナレーションを中心に活躍。また母校である日本大学芸術学部の特任教授も務める。

 

 

 

 

 

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