先生、コロナ後にお金持ちになるにはどうしたらいいですか?

引き続きコロナ禍が続く中、このままで私の人生、キャリア、安泰なの…? と不安を覚える女性も多いのでは?

アラフォー、アラフィフともなると、何らかの老後の財産形成に取り組んでいる人もいるかもしれません。反対に、まったくノーイメージ! 2000万円要るってホント!? という人もいるかもしれませんね。

今回は、見えないポストコロナ時代を生き抜くためのマネーリテラシーについて、投資のプロフェッショナルで財産形成に関するわかりやすい著書も多数の奥野一成さんにお話しを伺いました。

「投資なんて難しそう…」なんて貴女もご安心。「初心者ウェルカム!」な、入門レベルのお話です。

 

【お話を伺ったのは】

奥野一成(おくの・かずしげ)さん

農林中金バリューインベストメンツ株式会社  常務取締役兼最高投資責任者(CIO)

京都大学法学部卒、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士(Master in Finance)修了。1992年日本長期信用銀行入行。長銀証券、UBS証券を経て2003年に農林中央金庫入庫。2007年より「長期厳選投資ファンド」の運用を始める。2014年から現職。日本における長期厳選投資のパイオニアであり、バフェット流の投資を行う数少ないファンドマネージャー。機関投資家向け投資において実績を積んだその運用哲学と手法をもとに個人向けにも「おおぶね」ファンドシリーズを展開している。

 

 

株式投資とは、わかりやすく言うと“企業のオーナー”になること

 「投資」ときくと、様々な金融機関や企業銘柄がありますし、何を選択していいのか分からない!という人も多いですが、実は大きく分けて「金利」「不動産」「企業」の3つの分野しかないそう。

 

「まず一つ目の『金利』は、わかりやすい例は銀行預金の金利。

 

現在はほとんどの銀行が0.001%の低金利となっていて、金利ベースでお金を増やそうというのは、日本ではもはや厳しい時代になっています。

 

また2つ目の『不動産』は、不動産物件の家賃で利益を出すということ。

 

読者の中にはマンションや持ち家を購入したという人もいるかもしれませんね。不動産購入については、結婚や出産、親の介護といったライフスタイルの変化に合わせ、「自分(たち)の住むところ」という観点で探す人がほとんどで、購入自体を投資と捉えて購入することは、まだそこまで一般的ではないかもしれません。

 

そして3つ目の『企業』

 

企業と聞いて、「え?」と驚く人もいると思いますが、株式に投資をするということは、すなわち企業に投資するということ。

 

「日本人の多くが『株』というものをギャンブルの一種と捉えてしまっている人が多いように思いますが、それは『株の売り買い』を『いかに儲けるか』ということに終始して“頻繁に”行うものだという先入観が原因です。

 

本来は、株に投資するということは、企業が事業を行い、サービスを提供することによって生み出される利益に投資をしていく、というのが基本概念。

 

株式投資において投資家は『企業のオーナーの一人』です。企業のオーナーになるという視点で投資をする姿勢が重要です。」(奥野さん)

 

働く人にとって一番メリットがある“iDeCo

 「株式投資の中には、個別株やアクティブファンドのように、投資家自身やファンド会社がそれぞれの考え方によって投資先を選択するものや、インデックスファンドのような投資成果が特定の市場平均指数に連動した投資信託など様々なものがあります。

 

何に投資するかはとても重要なのですが、まだ全く投資をやったことが無いという方でも取り掛かりやすいのがiDeCo(イデコ)という仕組みを利用することではないでしょうか。

 

iDeCo60歳になるまで引き出すことが出来ない、自分で作る年金制度のことですが、逆に60歳まで引き出しができないことを利用して、強制的に老後の資金を貯めていくことができます。60歳を過ぎると、老齢給付金(年金)として受け取ることができます。iDeCoの最大のメリットは、、毎月の掛け金自体が税制優遇の対象になる(毎月支払っていく金額の分、所得税の対象から除外できる)ことです。働く人であれば確実にメリットを享受できるので、やっていない人はすぐにでも始めるべきと考えています」(奥野さん)

iDeCoの枠組みで運用できる商品には、元本確保型元本確保型以外の2パターンがあり、自分の資産形成するにあたって何を重視したいのかという視点で商品を選ぶことが可能。

 

リスクを少なくしたいという方であれば、元本確保型を選択したり、もう少しリスクをとって運用したいという方は、株式ファンドやREIT(不動産投信)、債券ファンドなどの元本確保型以外を選択することができ、また運用する銘柄も変えたいと思った時に変更することが可能なので、自分の資産形成に併せて見直すことが可能なのだとか。

 

さらに、iDeCoの拠出枠を使い切ったうえで、より積極的に資産形成に取り組みたいという方には、NISAを使っての投資がオススメということ。

 

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかりますが、NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度。

 

「初心者の方は、この制度を使いながら『投資信託』へ投資を行っていくことがオススメです。

 

投資信託は、運用の専門家が投資家から資金を集めて資産運用し、その運用成果を投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品のことです。

 

分かりやすく料理で例えると、フランス料理のフルコースを食べたいと思った時に、一つ一つ自分で買って作ることもできますが、シェフに任せてお金を支払うだけで、美味しい料理を提供してもらえますよね。専門家に任せた上で運用が可能なので、ある程度の安定した運用を、自分で細かく作業することなく実現できる訳です。

 

iDeCoにせよ、NISAにせよ、メリットを十分に受けるためには、運用の結果として利益が出ていることが重要になります。長期的に利益が見込めるものとはどういうものなのか、『投資』の本来の意味とともに、私の書いた本で勉強していただけるといいですね。」(奥野さん)

 

資産形成は、毎月の余剰金をコツコツと! 「預金」のみはNG!!

でも、まとまったお金もないし…退職金とかが入ったら投資しようかな…。

 

そんな風に思った貴女、ちょっと待って!

 

「いつかお金ができたら投資をしよう」という発想はあまりおすすめできないというのが奥野さんの意見。

 

「多くの方が、投資は退職金などの大きなお金ができたタイミングで始めようと考えると思いますが、その考えは間違っています。

大きな資産を用いた投資を短期的に行うと、どうしてもギャンブル的な目線になってしまいがちだからです。

月々の余った数千円程度のお金からでもコツコツと投資を開始していくことが望ましいです。

“ストック(まとまったお金)”からの投資ではなく、“フロー(毎月稼いで、使っていくお金)”からの投資をするというほうがおすすめなのです。

そうすることで、長期的な視点で企業の状態を見て投資していくことが可能となるからです。

もしも生活費の中で数千円程度も投資に回せないという状態であれば、まずは支出を見直し、余剰金を作るところからが投資の第一歩です。」(奥野さん)

 

 

投資をもっと知りたいあなたにオススメ。高校生でもわかる奥野さんのお金の教科書

 とはいえ、どんなことから勉強していいのか分からない! 耳慣れない業界用語がうんざり・・・。

そんな方には、奥野さんの新書もオススメ。お金が増える仕組みやこれからの働く人に必要なマインドなどについてわかりやすく説明されています。高校生でも分かる内容で纏めてあるので、これから投資を始めたい方には、まずこの本を読んでみるのもいいかもしれません。

『先生、お金持ちになるにはどうしたらいいですか?』 奥野一成・著 1,650円(10%税込)/ダイヤモンド社

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