岩井志麻子 「出会いがない」と嘆くあなたへ

2017.04.11 LIFE

「いい出会いがないかな~、なかなか出会いの機会がなくて」。

こう愚痴る人、嘆く人、言い訳する人に対して、自分からどんどんいろんな場所に出て行きなさいとか、家で寝っ転がっててもいい人は降って来ないよ、とか説教する気はない。

本当に出会いを求めている人、本気で結婚相手を探している人、その人達は愚痴る前にみずからガシガシ出向いているし、誰か紹介して~なんていうだけいって悠長に待つなんてことはせず、使える手は使いまくっている。

 

「出会いがない」というだけの人の真実

出会いを心の中で望むだけ、出会いがないと口でいってみるだけの人は、その状態が満足とまではいかなくても、受け入れてるんだもの。だから下手に周りの人が見合い話や合コンの話を持っていっても、なんだかんだいって及び腰になることも多い。
あと、出会い系だの昔ながらのお見合いだの知り合いの紹介だのを、エロや金目的の遊び、売れ残り同士の在庫処分みたいに思いこみ偏見を持ち、過剰に出会いに夢を抱き、なんかわからんが劇的な運命の出会いを待ち続ける人もいる。

 

うちの犬との「出会い」の話

ここにうちの犬を持ちだすのはやや不適切かもしれないが、オスの方は近所のペットショップで見た瞬間、「これはうちの子だ」と叫び、即決で連れ帰った。
メスの方は、敬愛する林真理子先生にいただいた。真理子先生のご近所のペットショップで一年くらい売れ残っていたそうで、見るたびに顔が荒んでいくのが可哀想でならない、私が買い取るから志麻子さん飼ってちょうだい、となったのだ。

 

どんな「出会い」だとしても

メスの方は思いがけず引き取ることになったわけで、一目惚れしたとか何が何でも欲しいと思ったわけではなく、当初は正直えーっ、ちゃんと可愛がれるかなと微妙に不安にもなった。今はもう、オスの方と同じくらい可愛くてならないうちの子だ。

つまりオスの方は一目惚れの運命の出会い、メスの方は人の紹介というより、文字通り売れ残りを引き取ったわけ。それでも出会いは関係なく、まったく同等に大事だ。

本気で出会いを求めるならみずから動き、動かないなら今の状態に満足しているのを自覚しましょうと、シンプルなことしか繰り返せないが。考えてみれば今の夫は、道端で拾ったというのに近い。悪さしても情が移ったから、今さら道に捨てられないわ。

 

【犬も女も歩けば棒に当たる】

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この記事は
作家 岩井志麻子

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