セックスレス。したい私と、したくない夫。【40代、50代の性のリアル】#5(前編)

2021.06.07 LOVE

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日本はセックスレス大国だ、とよくいわれる。一般的に、健康な男女のカップルに「1カ月以上、性交渉やセクシャルコンタクトがないこと」をセックスレスという。国内の既婚男女におけるセックスレス・カップルの比率が50%弱、つまり2組に1組がレスになっているとする調査結果もある。

 

したい理由は、人それぞれ

数字だけ見るとセックスレスはちっともめずらしくない。双方ともにしたいと思っていなければ特に問題はないが、片方がしたいけどもう片方はしたくない、という場合が困る。セックスがないことでふたりの関係そのものに影響を及ぼすことも少なくない。

性生活に関する調査を見ると、「なぜしないのか」を訊ねる項目が必ずある。「面倒」「疲れている」などがメジャーな回答で、日本の労働事情を考えるとそれも無理はないと思わされる。

その一方で、なぜか「したい」理由を問われることは少ない。したいのは「性欲」ゆえだと思われているのだとしたら、とんでもない。したい人の背景だって、いろいろある。

サトミさん(40歳)と3歳下の夫とのあいだには、いまはまだセックスがある。いまはまだ、というのは、今後なくなってしまうかもしれないとサトミさん自身が予感しているからだ。現在は、月に1回あればいいほう。サトミさんはこのペースを不満に思っている。

「10年前に結婚した当初は、週2ぐらいでした。でも、夫にその気がなくなっちゃって」

 

夫婦仲はいいけど、セックスレス

「周囲の友人に聞くと、家事育児に追われている妻のほうがしたがらないっていうのがパターンみたいですけど、ウチは逆。まだ手のかかる子どもが2人いて私が育児に追われているぶん、夫は家事をかなり引き受けてくれます。仕事もフルタイムでしているうえでの家事労働なので、疲れているのが原因かも……。でも、夜中にずっとゲームしているときもあるんですよね」

そう話すサトミさんにも仕事がある。近隣にきょうだいが経営する飲食店があり、そこを手伝っているが、子どもを保育園に送ってから仕事、子どもを寝かしつけてから仕事、場合によっては早朝から仕事……といった調子で自分自身の時間はほとんどない。

「お互い忙しいせいもあるのか、夫とのあいだに子どもの両親としての会話はあっても、大人の男女としての会話はほとんどないですね。ふたりで出かけるのは3カ月に1度あるかないか。どこの家庭もそんなものなのでしょうが、こんな調子だからたまにセックスするときもムードはゼロで、『今夜する?』『ああ、いいよ』で始まって、終わったら『じゃ、おやすみ』といって寝る。私はもともとムードを必要としていないのですが、それでもあっさりすぎだなぁと苦笑することがあります」

 

ハウツー本には「話し合いが重要」とあるが、サトミさんの場合は

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