
「寝だめ」はできる? 睡眠コンサルタントが教える「眠り」3つのメカニズム
みなさん、こんにちは。睡眠コンサルタントの友野なおです。睡眠について考える新連載、第2回目の今回では、睡眠のリズムと「寝だめ」のメカニズムについてお伝えしたいと思います。つい休日は、日ごろの睡眠不足を解消するべく「寝だめ」をしたいと思ってしまいますよね。でも寝だめのしすぎはあまりおすすめできないことが科学的にもわかっているのです。ではどうしたらいいか?についても今回はご説明します。
人はなぜ眠くなる?
実は、睡眠は2つの基本法則にしたがっているとされています。1つ目は「体内時計」、2つ目は「ホメオスタシス」です。
私たちの体には、まるで時計が備わっているかのように朝・昼・夕と時間がたつとおなかがすいてきたり、夜になると眠くなったりしますよね。地球上のすべての生物は「リズム」を持って生命活動を続けており、これは脳内に存在する体内時計に制御されています。
体内時計は、睡眠・覚醒のみならず、体温・血圧・心拍・神経活動・ホルモン分泌など、生命活動を維持するために必要なさまざまな生理機能をコントロールしているのです。
また、私たちは大脳がシステムダウンしないよう、疲れると自然と睡眠を促す物質(睡眠物質)が脳内にたまり、睡眠中枢に働きかけて眠気を誘発します。同時に、覚醒中枢にも作用して覚醒レベルを低くしているのです。
これを「ホメオスタシス」といい、ひと言でいえば「睡眠への欲求」。つまり、1日頑張った夜はぐっすり眠れるということです。
また、私たちの体温は1日の中で、一定のリズムで上がったり下がったりしていますが、実はこの体温リズムも睡眠・覚醒リズムと連動しています。人は体温が上がると覚醒度が上がり、体温が下がるときに眠くなるというメカニズムを持っているのです。
よく耳にする「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」って?
人が心地いい睡眠を得るためにはさまざまな生理現象がからみ合っていますが、睡眠とひと言でいっても、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つが存在しています。レム睡眠は「体を休ませる睡眠」で、ノンレム睡眠は「脳を休ませる睡眠」。それぞれの目的を持ったこの2つの睡眠が朝まで交互に繰り返されて出現し、心と体をしっかりと休息させてくれるのです。
深いノンレム睡眠は就寝後、最初の3時間の間に多く出現します。このとき美容に欠かせない成長ホルモンが一番多く分泌されます。入眠から3時間はエステのように肌をキレイにしてくれる大切な時間帯です。
一方、レム睡眠は睡眠期の後半に増える眠りで、脳は目覚めている状態に近い浅い眠り。夢を見たり、金縛りにあったりするのも、この眠りの最中だといわれています。実はこの眠りの間は体を休めつつも、学習や記憶の強化・整理と密接に関わっていることがわかっているのです。覚えたことを記憶としてしっかり脳にとどめるためにはレム睡眠が必要という報告もあります。
「寝だめ」はプラス2時間まで!
また、ついやってしまいがちな「寝だめ」は体・心・脳のリカバリーを妨げる習慣なので、あまりおすすめできません。人間は朝起きて光の刺激を目から脳に与えたら、そこから約15時間後に眠気が訪れるようおやすみスイッチの予約ボタンが押されます。しかし、寝だめをしてしまうとどんどんスイッチが押される時間が遅くなり、自然と就寝時刻も後退して夜ふかしモードから体内時計の乱れへとつながってしまいます。
起きる時間が決まっている月曜日には必然的に究極の寝不足状態がつくられ、作業パフォーマンスが低下し情緒も安定しにくい状況になるので、週末の寝だめは多くても平日のプラス2時間までにとどめましょう。
1,200円+税
単行本(ソフトカバー)
ISBN-13: 978-4074172207
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