【40代編集部長の婚活記#282】恋人いない歴9年の40代独女が「囚われていた呪縛」
女性らしさを否定する「きっかけ」
きっかけは、実は婚活記を書くようになって過去の自分を振り返ってわかったのだけれど、4歳のときに幼稚園で男の子からスカートめくりをされたことだったと思う。
あのときの情景はいまでもハッキリと覚えている。
幼稚園の玄関の階段のところに、同級生の男の子が2人立っていた。その横を通って中へ入ろうとしたところ、後ろからスカートをめくられ大きな声で笑われた。
ものすごくイヤだったし、悔しかった。「やめてよ」的なことを言い返したとは思うのだけれど、とにかく屈辱的で、もう二度とスカートめくりをされたくないと思った。
男の子っぽくなりたい!
もう絶対にスカートめくりされないためにはどうしたらいいか。幼い4歳児ながらも対策を考え、出した答えがこの2つだった。
・スカートをはかない
・男の子っぽくなる
この「男の子っぽくなる」から始まって、先にあげたピンクや料理を否定する方向へと進んでいった。小学生になった頃には「女らしいこと=イケてない」「男らしいこと=イケてる」という思考になり、自分は「性別を間違って生まれてきた」と思うようになった。
ときどき母に「本当は私、男の子に生まれるはずだったんだよね」と言ったりしていた。
「女性」であることを受け容れたくない
昨今、「LGBT」「LGBTQ」といった言葉も浸透し、ジェンダーに関する問題が広まってきている。私自身はその範囲には入らないのだろうけれど、自分のジェンダーを受け容れられなかった点では、共通するものがあると思う。
私は女性でありながら、「男らしくなりたい」「性別を間違って生まれてきた」と言っていたけれど、いわゆるT=トランスジェンダーなわけではない。生まれたときの身体的性は女性であり、性自認も女性なのだけれど、女性であるがゆえに男性に屈辱的な行為を受けたのでせめて外見的には女性らしくないように努めてきたのだ。
トランスジェンダーが先天的、本能的なものだとしたら、私は後天的、意図的にトランスジェンダーになろうとしたけど結果的になれていないから、「こじらせジェンダー」とでもしておこう。