
検査の結果を聞くときに患者が準備しておくべきたった一つのこと【医師の本音】#4
「子宮頸がんかもしれません」、ある日突然そう言われたらどうしますか?
あるいは、乳がん、子宮体がん、卵巣がんなど女性特有のがん。
「がんのセカンドオピニオン」を中心に診察する医師・新見正則先生に「どうすべきか」心構えを教えてもらいました。
「女性特有のがん」と40代【医師に聞く】
子宮全摘出がいいのか…?保険診療では「心を受け止める」時間が足りない
アキ「たまたま私はこうして精密検査後のファーストオピニオンよりも前、いうなればゼロ次オピニオンとして新見先生とお話して考えることができています。でも、クリニックで異形成と言われたときは頭が真っ白になりました」
新見「大変でしたよね、お察しします。普段ぼくは乳がんのセカンドオピニオンがメインですが、そもそもがんという病気がこれだけ重たいのに、さらに子宮や乳房という女性性に関わる身体の話までを、保険診療のごく短い診察時間で受け止めるのは患者さんにとってはとっても難しいことですよ」
アキ「みんな悩むんですね?」
新見「悩むなんてもんじゃなく、全員真っ白になります」
アキ「紹介状の宛先を選べって言われても、どこにすればいいの…?って泣きそうになりました」
新見「その時点では何を治療するのかもわからないですもんね。更年期の反応も2つに分かれるんですよ、閉経してラッキーという人と、こんな早く来ちゃった、私まだ生理がほしかったって思う人。子宮も同じで、みなさん反応が分かれます。そこに医師が子宮を取るべきというような価値観の強制をするのは、ぼくはよくないと感じます」
アキ「私も、最初から子宮を取れと命じられていたら、悲しみと混乱と不安、いろいろな気持ちに押しつぶされたと思います。でも、自分で考えられるなら、その選択肢はアリだなと感じました」
あまりに真っ白になるならば、その場の説明を録音させてもらって
新見「誰だって自分のことは自分で選びたいんです。閉経していても子宮は残したいと感じる人もいます。でも、残念ながら保険診療にはそういう話を納得いくまでできる時間的余裕はありません。これは誰が悪いわけでもありません、日本の医療の仕組みならば9割の人は正しい治療を格差もなく受けられます」
アキ「でも、選ぶときの助言が少ないから、みんなセカンドオピニオンを求めるんですね」
新見「ぼくは1998年に日本で最初にセカンドオピニオンを大学病院で始めました。たくさんのお話しを聴いていると、医師ですら、患者としてがんを宣告されると真っ白になってあとの説明は理解できていません。言われたことは理解しても内容はまったく覚えていないそうです。なので、ぼくは、診察室で衝撃を受けたときはとっさに『録音していいでしょうか』と口にしてほしいと日頃から言っています。スマホで録ってあとから家族も交えて聞き直せば医師の説明が理解しやすくなります」
アキ「お医者様は録音を嫌がりませんか?」
新見「嫌がるかもしれませんが、先生、私はいま動揺で手が震えてメモも取れません、あとで冷静にお話を聞くために録音させてください、こう頼まれて断る医師がいるならそのほうが問題だとぼくは思います」
アキ「言われてみれば……実際、私も動揺してメモなんて取れませんでした。もし友人が同じように検査を受けたら、結果を聞きに行くときは録音させてもらえってアドバイスしたいです」
新見「前がん段階で、まだがんではなくても、こうした告知を冷静に受けられるわけがないんです。ぼくは、たとえばフェイスタイムでつないだりして、第三者がその場にいなくても一緒に告知を聞くのを当たり前にしたいと考えています」
アキ「夫が横にいてくれればよかったのにと思っていました」
新見「家族だけではなく、がんの経験者の先輩が一緒に聞くのだっていい、それなら要点を効果的に質問できるしょう。それ専用のボランティア組織も立ち上げられるかもしれない。この『第三者に開かれた診察室』というのをセカンドオピニオンのように普及させたいと思っています」
つづき>>>医師だけが知っている「治療開始までにやっておくべき正解」
>>>こちらからご覧ください
お話/新見正則医院 院長 新見正則先生
1985年 慶應義塾大学医学部卒業。98年 英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。2013年イグノーベル医学賞受賞。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在はがん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。セカンドオピニオンのパイオニアとして次の仕事は「第三者がオンラインで参加する開かれた診察室」を広めたいと思っている。また漢方の勉強中に出会った世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙をライフワークにしている。
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