
51歳、家族にはっきり「更年期です」と伝えたのに…「誰も私の不調に気づいていなかった!」【100人の更年期#65】前編
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閉経の前後5年を一般に、更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの?みんなはどうなの?
今回は、美容ライター・編集者の藤井優美さんにご自身の体験を伺いました。聞き手はオトナサローネ編集部井一です。
同じ71年生まれ、「HRTが効きました!藤井」&「漢方組です!井一」の2人がコンビで更年期シリーズをお届けします!
◆藤井優美さん
美容ライター・編集者。1971年生まれ、51歳。38歳で出産した長女は現在中学生。30年に及ぶ美容ライター歴の経験をさらに磨き、日々よりヘルシーに、より軽やかに、より美しく暮らすための情報収集に余念がありません。都心の緑豊かな住宅地で、かわいいワンコ、ご主人、娘さんとの暮らしをエンジョイ中。
【100人の更年期#64】
衝撃。「正しく伝えた」はずだったのに…家族は更年期を理解していなかった
約30年に渡り、美容雑誌を中心に美容記事の執筆を続けてきた藤井さん。婦人科医を取材する機会も多いうえ、美容に関わる先輩がたから「更年期に起きること」を聞かせてもらうチャンスもあり、同世代美容パーソン同士での情報交換も欠かしません。「知識は十分」の立場でした。
「なのに、昨晩夫と話をしていて、大ショックな事実が判明したんです。『実は私、まだまだ更年期がつらいんだ。去年は本当に息を吐くのも辛かった。あれだけありとあらゆることを試してたのにね』なんて話したところ、夫が絶句したんです。そして、『えっ、そんなに大変な状態だったの?』って。えええ? 私、何度も、メンタル的にこんな状態です、更年期ですごく辛いですって話したのに??」
ご主人は決して話を聞いていなかったわけではありません。「更年期だと訴えているのはわかっていた。でも、そこまでの辛さだったとはまったく理解していなかった」のだそうです。
「一緒に暮らしている家族でさえこうなんですね。知ってたんです、更年期のつらさは明確な言葉で周囲に伝えないと、ただの具合悪そうなママでスルーされてしまうと。だから家ではわかりやすくはっきりと、お手本のように自分の状況を伝えていました。なのに、全然伝わっていなかった!」
「健康を維持するためにやったほうがいいこと」、わかっているけどできないんです!
つらい、眠れない、やる気が出ないなどの主訴は繰り返し伝えました。ご主人の前で泣いたこともあったそうです。また、LINEでご主人に「私は更年期症状が辛い、ちょっとした言い方でも辛いし泣けてくるので、私が辛さを訴えるときは改善アドバイスではなく静観してください」と送ったこともありました。
「仕事のシーンでは気張れるけど、家に帰ってきたときのダウンぷりが自分では許せない。家族に八つ当たりする自分も許せない。怠くて辛いんだけど『わかってよ』的な不機嫌はなるべく出したくない、でもそんな説明もしんどくてできない。結局ただの不機嫌な人になってしまい、自分を嫌悪。こんなに苦しんでたのに、そもそも私が八つ当たりしていることにすら家族はまったく気づいていなかった。エッ、そこから!?」
ご主人は藤井さんの訴えを受け止める際、どうやら「俺もそうだよ」と自分の老化を想像しながら聞いていた様子です。しかし、なだらかに老化を迎えている男性に比べ、女性は急激に低下するホルモン量に翻弄されている状態。これを「人間の衰えの一部」と解釈したのならば、乱高下で起きる更年期症状までは想像がつかなかったことでしょう。
「夫のクライアントに、引きこもり気味の息子さんがいるご家庭があるそうなんです。『元気な人ってそういう人に、外に出ろとか簡単に言うけど、本当に落ちてるとできないのよ、私だって去年は更年期で自分の身体を立ち上がらせるのが精いっぱいだった。日光に当たれ、散歩しろなんてわかりきってる、やりたいよ。できるならやりたいけど、でもできないのよ』って訴えたら、冒頭の通り夫が絶句したのでした(笑)」
中学時代からずっと生理痛との戦い。プレ更年期にも異常に気付く
そんな藤井さんの「更年期以前のホルモン事情」を伺いました。初潮は平均的な12歳。でも、中学時代からずっと、ひどい生理痛と付き合って生きてきたそうです。
「中でも高校生の頃は最悪でした。授業中、座っていられない痛みで保健室に行くのですが、当時は『病気じゃないんだから』と追い返される時代でした。教室で痛みのあまり机につっぷしているのに、男子の手前もあってはっきり生理痛とは言えません。『保健室から追い返されたんです~(泣)』ってごまかすしかない。とにかく、生理は私にとって戦いでした」
大人になり、美容ライターを始めてから、更年期障害は【ホルモン量・気質・環境】の3つの要因で出るか出ないかが決まると婦人科の医師に聞く機会があり、それが長く印象に残っていたといいます。
「ホルモン量だけが症状を決めるわけではない。気質とは気にしやすさ、神経質さなどの性質です。環境は介護、パートナーとの不和、仕事ストレスなんかですね。こういう要素が相互に作用しあうのですが、私はこのうち気質が心配でした。というのも、心配性で気にしいだから、きっと更年期障害も出るだろうなと思っていたんです」
そんな藤井さんは42、43歳ごろに体力低下を感じ始め、45歳から経血量の異常に気づきます。
「規則正しかった生理が、3日で経血が減ったのに5日めに大出血、外出先で服を汚してしまう、なんて変わり始めたんです。婦人科で相談したところ、『脳下垂体からのホルモン分泌指令がうまくいかなくなったの、この時期はしょうがないの』って言われました。『つらいなら子宮内に女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)を留置するミレーナを使いますか?』と聞かれましたが、使うと生理が止まってしまいます。私、子どもの初潮時までは自分の生理がまだあってほしくて、娘と『今月は~』と、生理の話をしたかったので、この段階ではまだ踏ん切りがつきませんでした」
(ちなみにまで、ミレーナを入れても生理が止まらない人もいるのだそうです!)
最初に襲われたのはホットフラッシュでした。次々に始まる不快な症状
そんな藤井さんを最初に襲った明確な更年期症状は「滝のような汗」でした。ほどなく次々に典型的な症状が襲い掛かります。そして、落ち込んでいく身体を助けてくれたのは?
▶【この記事の後半を読む】「私はもう必要のない人間なんだ」強烈な更年期うつが始まる…最後にたどりついたのは?
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