44歳、更年期?めまいがひどくて涙が溢れます。漢方を飲みたいのですが、粉薬が苦手で…
知られていませんが、自分で丸薬を作るという手もあります。案外簡単です
どうしても粉薬が嫌という人は、ご自分で粉状のエキス製剤から「丸薬」を作ってみてはどうでしょう。はちみつを弱火で煮詰めて水分を飛ばすと茶色がかったキャラメルのような「煉蜜」ができます。それにエキス製剤を混ぜて、くるくる丸めて丸薬にするのです。漢方の中でも「散」「丸」とつく処方は、もともと原料の生薬全部を食べていたもので、ぼくが見学に行った福島県立医大の漢方講座は煉蜜と生薬で丸薬を作っていました。漢方は1800年前に日本に伝来したそのままを今でも続けていますが、その教えが江戸期にちょっと変わり、あとから「湯」ができました。葛根湯のようにエキスを煮出すものです。丸薬は見かけなくなってしまいましたが、漢方専門の医院や薬局ではまだ作っているところもあります。
最後に、まだ44歳でホルモン補充療法を始めているのは、閉経までまだ5年以上ありそうなことを考えると少々早いという気もします。婦人科によっては症状から見当をつけてエイッと出す場合もあり、必ずしもホルモンが処方されたから更年期というわけでもありません。ホルモン補充はメリットもありますが、ぼくの専門分野のうち2つ、静脈血栓症と乳がんの大きなリスク因の一つです。どちらも命をとる病気です。ぼくはHRT起因で生命が危うくなった患者さんをたくさん見てきましたので、HRTを否定こそしないものの、肯定的にも扱いません。服薬中はこれまでにも増して健康診断を慎重に受けてください。
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■新見正則医院 院長 新見正則先生
1985年 慶應義塾大学医学部卒業。98年 英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は乳がん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。がん治療に於いては、明確な抗がんエビデンスを有する生薬、フアイアの普及も行う。
■pluskampo(株)代表薬剤師 笹森有起先生
青森県出身。東北医科薬科大学を卒業し薬剤師免許を取得。調剤薬局での勤務を6年経験。薬剤師として働く中で漢方薬に出会い、自身の自然治癒力を最大限に引き出し、結果として症状が緩和する漢方薬の効果や考え方、哲学に感銘を受け、フリーランス薬剤師を経て起業。
+kampoブランドサイト:https://www.pluskampo.jp/
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