
腕利きの鍼灸師、45歳で看護師に転職。激務とともに始まったのは【100人の更年期#77】前編
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閉経の前後5年を一般に、更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの?みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
【100人の更年期#77】前編
カオリさん 54歳
45歳で鍼灸師から看護師へ転身。3人の子育てをしながら看護大学へ通い、卒業後は看護師として新たなキャリアをスタート。現在はコロナ対応施設で保健師として働く
助産師にも頼られる「腕利きの鍼灸師」。一転、42歳で看護大学へ入学した理由は
コロナ対応施設で保健師として働くカオリさんは、現在54歳。鍼灸の専門学校を卒業後、42歳まで鍼灸師をしていました。
ある日、妊娠中の親戚女性の子どもが逆子だと聞かされたカオリさん。お灸でできる範囲でのケアをしたところ、無事、スムーズに生まれたという出来事がありました。後日、その噂を聞いたある助産師が、カオリさんをスカウトに来ました。カオリさんはスカウトを受け、助産師と連携して、鍼灸の視点で産前産後の母親をケアするようになりました。
そんな中、カオリさんをスカウトした助産師が急逝。カオリさんは「残されたスタッフで何とかしなきゃ」と思いましたが、鍼灸師とはあくまでも医療ではなく医術の資格。カオリさんにできることは限られていました。このときカオリさんは、医療に関わることは何も手伝えない自分に、申し訳なさと悔しさでいっぱいになりました。自宅でも「先生の代わりに私ができることはなんだろう……」とふさぎ込む日々。その様子を見た小学生の長女が、カオリさんに言いました。
「何もせずに夢を叶えようなんて無理だって、お母さんがいつも言ってるじゃない」
その言葉で、カオリさんはハッとしました。
「医療の知識も資格もないのに、医療の手伝いをしたいと思っても無理ですよね。勉強はしないけど東大に入りたいと言っているのと同じです」
45歳で看護師に。その直後から発汗、生理時の大量出血、頭痛が始まったが、ホルモン値は正常…?
カオリさんは一念発起して42歳で看護大学へ入学し、45歳で看護師の資格をとって卒業しました。卒業後は看護師として夜勤もこなすなど、ハードな日に。この頃から、ひどく疲れると必ず、首から上だけ汗が噴き出るようになりました。
「急にハードな生活になったので、多少の体調不良は仕方ないと思っていました。45歳なので、更年期のホットフラッシュ(ほてりやのぼせ、発汗など)なのかなって」
発汗と付き合いながら働き続け、46歳になったカオリさんは、助産師の勉強をするために産婦人科クリニックへ転職しました。
この頃から、カオリさんの体調はさらに下降します。汗の量がだんだん多くなり、夏の暑い日になると、出勤するだけで髪がシャワー直後のように汗でびしょびしょになるほどでした。
生理時の出血量も増え、初日からバケツをひっくり返すような勢いで出血するようになりました。夜は眠れず、寝不足のまま働くため日中に眠くなり、倦怠感にも悩まされる日々。このときカオリさんは、
「夜勤をしている時点で生活のリズムは乱れているから、いろんな症状がでるのは仕方ない。更年期だし」
と思っていました。
そして、いよいよ体調不良も我慢の限界に近づいた51歳のとき、職場でホルモン値を調べてもらいました。ですが、更年期と呼べるほど、ホルモン値は低下していませんでした。
「やはり転職や夜勤による疲れが、更年期によってひどくなったのかなと思って、漢方薬を飲んだり定期的にホルモン値を測ったりしながら、様子をみることにしました。看護と鍼灸の知識があるので、何かあれば自分で対処すればいいという思いもありました」
漢方薬とお灸があれば一時的には楽になることから、カオリさんは体調不良を我慢して働き続けました。ところが……
▶【この記事の後編】これが更年期なんだと思い込んでいたら、私はきっと潰れてしまったと思う
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