300以上ある更年期症状「腹痛」も出るってご存じ?でも、原因はホルモンだけじゃないかも

更年期に入ってから以前より腹痛が頻繁に起こるようになった気がする、という方、多いのではないでしょうか。実は、更年期世代にはお腹の不調や腹痛を起こしやすい要素がそろってしまっているんです。

この記事では、ウンログ株式会社の腸活うんち専門家・長瀬みなみが、更年期世代に起こりがちな腹痛の原因をはじめ、突然襲ってくる痛みを和らげたり、慢性的な腹痛を改善する方法をご紹介します。

 

更年期に起こる腹痛の原因

更年期に起こる腹痛は、ホルモンバランスの乱れによって起こります。女性ホルモンの分泌が低下してホルモンバランスが乱れると、さまざまな不調を引き起こしてしまうのです。腹痛を引き起こす要因は、自律神経の乱れや、それによって全身の血流が悪化してしまうことにあります。

 

内臓機能は自律神経によって動いているため、自律神経が乱れると内臓機能も低下してしまいます。胃腸の消化機能が低下すると、食事を消化吸収することができずに消化不良を起こして腹痛を引き起こしてしまうのです。消化不良のまま食べ物が大腸まで流れ込むと、腸内細菌による腐敗が起こり腸内環境の悪化にもつながります。腹痛をともなうような便秘、下痢になってしまうのです。

 

血流が悪化すると、体表面と内臓どちらの冷えにもつながり、全身の機能が低下します。冷えが起こると、腸のぜん動運動が弱まって便秘になってしまったり、ぜん動運動が過剰になって下痢をしてしまったり、さまざまなお腹の問題を引き起こしてしまうのです。また、血流の悪化によって筋肉のこわばりも起こります。お腹周りのインナーマッスルに柔軟性がなくなることで痛みを生じることも。この場合は、体の前面だけではなく、背面の腰回りの血流も悪くなっているので、腰に痛みがでることも多いです。

 

このように、更年期のホルモンバランスの乱れが、さまざまな要因の腹痛を引き起こす可能性があるのです。

 

更年期の腹痛を和らげる方法

突然の腹痛に襲われたとき、どのような対処をすれば良いのでしょうか。どのような要因によって腹痛が起きている場合でも、まずは体を温めるようにしましょう。温めることで血管が拡張します。血流を含めた体内の循環が改善されるので痛みを軽減できる可能性が高いです。

腹痛の場合は特にお腹周りや腰回りを温めます。腹巻やホッカイロを使うと温めやすいです。そのほか、室温をあげる、温かい飲み物や温かい食べ物をとり入れる、入浴するなども効果的です。お腹以外にも、手首・足首を含む首の部分を温めるのも効果的です。首の部分は、皮膚が薄くなっている上に、太い血管が通っています。そのため、そのままにしておくと冷えやすい部位。しかし、温めることで効率よく全身に血液をめぐらせることができます。全身を温めるためには、首がつく部分もお腹とあわせて温めてあげるようにしましょう。

ホットフラッシュの症状がある方は、顔周りに汗をかいたり、暑さを感じたり、体の冷えを感じないかもしれません。しかし、上半身は暑さを感じても、お腹周りを含む下半身は冷えていることが多いです。上半身は涼しい装いでも、下半身は冷え対策を怠らないようにしてくださいね。

 

更年期の人も要注意!大腸の働きの低下

ご紹介したように、更年期症状が要因となって腹痛が起こる場合もありますが、更年期世代は更年期とは無関係に腹痛を起こしてしまうことがあります。その原因は、暴飲暴食、不眠、運動不足、などの生活習慣によるもの、加齢による筋力の低下、消化機能の低下などさまざまです。腸の機能を低下させてしまうような生活習慣がある方は、腹痛の原因は更年期によるものではないかもしれません。思い当たるところがある方は、ぜひ生活習慣の見直しもしてみてくださいね。

腸の働きを活発にするためには、腸内環境を整えることが近道です。腸内環境が良好だと、消化吸収の促進、規則的な排泄、代謝アップなど、血流の悪化や冷え、便秘・下痢などによる腹痛も予防することができます。

また、腸内環境は更年期の症状を緩和するためのカギとも言われています。更年期が原因の腹痛も、腸内環境を整えることで予防や改善ができる可能性があります。

 

更年期の腹痛を改善する3つの方法

更年期の腹痛を改善するためには、体を温めることと、腸内環境を整えることがポイントです。どちらかだけを行うことでもある程度の効果は見込めますが、どちらも同時にできる方法があれば、忙しい人でも一石二鳥ですよね。今回は、体を温めながら腸内環境改善にも効果的な方法を3つご紹介します。

■白湯を飲む

腸内環境を改善するために意識したいのが適量の水分摂取です。しかし、冷たい水を飲み続けることは、内側から体を冷やしてしまうことにもつながります。せっかく腸内環境を整えたくて意識的に水分をとるようにしても、冷えによって腹痛を起こしてしまうのは本末転倒。そこでおすすめしたいのが、白湯です。

白湯は、50度程度に温めたお湯でOK。日中飲むことが難しい場合は、朝起きたときと夜寝る前のタイミングだけでも冷たい水から白湯に変えてみてはいかがでしょうか。

白湯が苦手で飲みづらさを感じる場合は、少しだけレモン汁を入れて味付けをする、ノンカフェインのハーブティーを利用する、など工夫をしてみてください。ただし、コーヒーや紅茶は、カフェインが体を冷やしてしまったり、利尿作用で水分が排出されてしまったり、腸内環境改善にはおすすめできない効果も。嗜好品として楽しむ程度にして、飲み過ぎには注意してください。

■湯船につかる

全身を温めるために、入浴時は湯船につかる時間を作りましょう。冷えを感じる人は、40度程度の温度の湯船で15分程度の全身浴をするのがおすすめです。2014年に金沢大学から発表されている論文では、40度のお湯に15分浸かると、深部温度が0.5度上昇することがわかっています。

湯船に浸かることは、自律神経を整えて深い睡眠をとるためにも重要。入浴後に体温が低下していく過程で副交感神経が優位になり、眠くなるからです。腸の働きは睡眠中にもっとも活発になるので、入浴によってスムーズに入眠ができると腸内環境改善にも役立ちます。

■腹筋を鍛える

腹筋を鍛えることも、腹痛の予防に大切です。体温の40%は筋肉によって作られています。腸やお腹周りを温めたいのであれば、その周辺の筋肉・腹筋を鍛えましょう。

女性は、男性よりもお腹が冷えやすく、冷えによる便秘や下痢を起こしやすいと言われています。その理由は、女性と男性の筋肉量に差があるため。更年期世代になると、加齢による筋力低下も加わって、よりお腹が冷えやすい状態になっています。

更年期世代こそ、腹筋を鍛えることが腸内環境を改善して腹痛を予防するために重要なのです。

 

更年期の腹痛は原因がさまざま!ひとつずつ対応しよう

更年期世代の人に起こる腹痛についてお話してきました。更年期に起こる腹痛の原因は、ホルモンバランスが乱れることによって引き起こされるもの、更年期症状ではなく加齢によるもの、更年期症状と加齢の複合的なもの、など多種多様です。

改善のためには、体を温めることと、腸内環境を整えること、の2つが重要です。しかし、腹痛を起こしている原因を取り除かなければ、腹痛がなくなることはありません。改善を目指しながら、原因を見極めて、排除していくことが重要です。

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