ダイエットのため「油」を控える更年期世代が「体重と一緒に美しさも減らしてしまう」致命的なワケ

2022.11.30 FOOD

大人世代になると、いろいろなトラブルが現れます。特に更年期世代に突入すると、ホルモンバランスが乱れてくるので肌や髪の劣化、体重増減、体の不調、精神面のゆらぎといった症状が出てきて、自分でもどうしたらいいか不安になります。

 

そして、コロナ太りでダイエットをしようと油ものを控えている更年期世代のみなさん。減らしがちな食事には、当然やめるべき揚げ物やスナック菓子など脂質・炭水化物メインのものだけでなく、油の多そうなイメージの肉や魚も含まれるケースが多数。ですが、油と一口に言ってもたくさんの種類があり、不用意にダイエットすることで、同時に摂取できるはずの必須脂肪酸という体に必要な油まで減らしてしまっているのです!

 

実は、美賢者たちの間で昨今またブームとなりつつあるのが、オイル。特に、注目を浴びているのが「オメガ3脂肪酸」です。

 

知ってるようで意外に知らない「オメガ3脂肪酸」の重大な役割


なんとなく「オメガ3」という単語は聞いたことがある。体にいいんだよね、でもどういうものかよくわからない。という人が多いようで、私もその1人。体内で作ることができないから摂取しないといけない「必須脂肪酸」のひとつ。という程度の知識でした。

 

そこで、日本脂質栄養学会 理事長で、麻布大学 生命・環境科学部の守口徹先生にお話を伺いました。

「人間の脳の約65%は油=脂質で出来ていて、脳が正常に動くには、脳の脂質バランスを良くする必要があります。特にオメガ3脂肪酸(以下オメガ3)が不足すると、うつ等の気分の落ち込み、イライラ、不安、記憶力の低下などが起こりやすくなります。そして、ホルモンバランス(分泌)を整える作用があるため、生理前や生理中の頭痛改善に効果があるという研究報告があります。更年期に関しては、加齢とともにホルモンが減少するというのは仕方のないことですが、オメガ3が不足することでホルモンの減少が加速し、辛さや痛みが増すことが考えられます。オメガ3が満されていれば、加齢のスピードは自然本来のスピードに保持できると考えられ、症状が出たとしても緩和させられる効果が大いに期待できます」(守口先生)

 

大人世代に必須のオメガ3脂肪酸

なんと! 更年期の我々にも効果期待大のオメガ3脂肪酸。それだけじゃないんです。

 

「オメガ3は紫外線のダメージを予防、軽減する効果があることが分かりました。また血行がよくなり、新陳代謝がうまくいくようになることで、細胞が活性化、肌の乾燥や髪のパサつきの改善も期待できます」

 

さらには、オメガ3は細胞とも深い関わりがあるそう。

 

「私たちの体を作っている約37兆個と言われる全ての細胞ひとつひとつを覆っている膜を作る大切な材料となっています。そして、その細胞膜にオメガ3の油が適度に含まれることが、細胞膜自体の柔らかさに繋がり、体と心と脳の健康を大きく左右することがわかっています」

 

細胞膜が柔らかであれば、摂取した栄養を細胞内に取り込むことができ、老廃物の排出もスムーズにできるということ。細胞が元気でいきいきとしていれば、それが肌や髪、健康面にも精神面にもいい方向へ働くはずです。

 

オメガ3脂肪酸を摂取するには?

オメガ3の油は、体内で合成できない必須脂肪酸のため、一生にわたり、普段の食事から摂る必要があります。とはいえ、油をそんなに摂るのも……。

 

「毎日小さじ1杯を摂る習慣をつけましょう」と守口先生。たったそれだけ?

 

「毎日小さじ1杯をきちんと摂ることで、体は少しずつ変化します。まずは約1ヵ月程度を目安に肌のツヤを見てください。脳への影響は約半年ほどかかりますが、摂り続けることですべての細胞・臓器にオメガ3が行き渡るので、確実に手ごたえを感じるはず」

 

実はオメガ6とバランスよく摂ることが大切!

「油(脂質)には大きく分けて4種類ありますが、細胞の働きに大きく影響するのが、オメガ3とオメガ6の油です」

 

オメガ6の油は、サラダ油・ごま油・マーガリン、またマヨネーズ、菓子パン、スナック菓子、スーパーのお惣菜やコンビニ弁当などの加工食品にも多く含まれています。

 

「オメガ3、オメガ6共にそれぞれの役割があるため、体の機能を本来あるべきパフォーマンスに整えるには、細胞の炎症を抑える“油の摂取バランス”がとても大事なのです」

 

実はオメガ6はふだんの食生活で無意識に摂れているんです。なので、圧倒的に摂取量が足りないオメガ3を意識的に摂ってバランスを保った方がいい、というわけです。

 

更年期太りだからダイエットしたいので油は控えています、という人にもオメガ3は必須です。

 

「オメガ3の摂取により細胞が正常に機能することでエネルギー消費を円滑にすることができます。老廃物をきちんと排出するなど健康的なダイエット効果が期待できます。ダイエット中でも良い油はしっかり摂りましょう」

 

オメガ3を簡単に摂取できる楽レシピ

「アマニ油やえごま油などの植物性のオメガ3オイルを毎日摂ることで、オメガ3をコツコツ補うことができます」

 

とはいえ、小さじ1杯を飲むというのは毎日は続きそうにないです……いざ摂るにはどうしたらいいのでしょうか?

 

だいじょうぶ。オメガ3の油は、熱に弱く、加熱料理には使えないため、基本的には、料理の仕上げにそのままかけるだけでいいのだそう。

管理栄養士 金丸絵里加さんにレシピを教えていただきました。これを参考にいろいろアレンジしてみるといいかも!

 

 

まぐろアボカド納豆 (期待できる効果効能:うつ・美肌・筋肉)

 

 

材料(2人分)

まぐろ刺身(赤身)……120g

<A>

しょうゆ……小さじ2

みりん……大さじ1/2

 

納豆……2パック(80g)

アボカド……小1個

練りわさび……小さじ1/2

アマニ油orえごま油……小さじ2

 

作り方

①まぐろは2cm角に切り、Aを混ぜたたれに漬け込む。

②アボカドは種と皮を取ってまぐろと同様の大きさに切る。

③納豆は付属のたれを一つだけ加えて、粘りが出るまでかき混ぜる。②と汁気を切った①、わさびを加えて混ぜ合わせて器に盛り、アマニ油orえごま油を回しかける。

 

えのきと小松菜、ごぼうのみそ汁 (期待できる効果効能:便秘・血糖値・食べ過ぎ防止・ダイエット)

 

 

材料(2人分)

えのきたけ……1/2袋

白菜……2枚

小松菜……2株

ごぼう……1/2本(80g)

だし汁……1と1/2カップ~2カップ

みそ……大さじ1と1/2~2

アマニ油orえごま油……小さじ2

 

作り方

①えのきたけは長さを3等分に切ってほぐす。白菜は縦半分に切ってから横細切りにする。小松菜は3~4㎝の食べやすい長さに切り、ごぼうは縦半分に切って斜め薄切りにする。

②鍋にだし汁とえのき、ごぼう、白菜の芯の部分を入れて強めの中火にかける。煮立ったら火を弱めてそのまま2~3分煮込む。小松菜と残りの白菜を加えてさらに煮て野菜に火が通ったら、みそを溶き入れて火を止める。器に盛り、アマニ油orえごま油をかける。

 

サーモンのねぎ酢ダレ (期待できる効果効能:疲労・筋肉・美肌)

 

 

材料(2人分)

サーモン(刺身)……200g

<A>

長ねぎ(みじん切り)……1/3本分

(*あれば九条ネギ等の青い部分も使うと彩りがよくなり仕上がりがキレイです)

アマニ油orえごま油……小さじ2

おろししょうが・白いりごま……各小さじ1

しょうゆ・酢……各小さじ2(*簡単にしたい場合は、ポン酢しょうゆ大さじ2を混ぜてもOK)

塩……小さじ1/3

みりん……小さじ1/2

 

作り方

①サーモンは食べやすい大きさにそぎきりにする。

②Aのねぎ塩だれの材料をよく混ぜなじませる。(*まぜて冷蔵庫で3~4日保存可)

③器に①を並べのせ、②のたれをかける。

 

 

甘酒豆乳ココア (期待できる効果効能:便秘、血管をしなやかに)

 

 

材料(1人分)

ココアパウダー……大さじ1

水……大さじ1

甘酒(市販品)……200ml

アマニ油orえごま油……小さじ1

 

作り方

①小鍋にココアパウダーと水をペースト状になるまでよく練る。

②甘酒を少しずつ加えて溶きのばし、時々混ぜながら弱めの中火で温め、アマニ油orえごま油を加える。

(甘みが足りないようなら、砂糖を好みで加えて溶きまぜる)

【編集部より】 「昔に比べてまつ毛が減った」「もうまつエクは重くて無理」 そんな人に耳よりのアイテムを見つけました! ▶▶こちらから  

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク