
更年期の生理不順は閉経のサインばかりじゃない。気をつけたほうがいい「病気」とは【宋美玄×アルテイシア】4
更年期世代から始まり、閉経後の女性の約半数に起こると言われている「GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)」。
ひらたく言うと尿漏れ、頻尿、性交痛など「おシモ」の諸症状のことですが、なかなか周囲に相談しにくく、ひとりで悩んでいる女性も多い問題です。
そこで今回オトナサローネでは、産婦人科医の宋美玄先生と作家のアルテイシアさんをお招きし、読者50名の皆様と一緒に「おシモ」の問題に関してオープンに話す公開オンライン取材を開催しました。
1時間半の取材を13本の記事に起こし、丸ごとお届けする本連載。この記事は4本目です!
<<一本前の記事「「ミレーナ」を入れるとどんな変化が起こる? 医者自身が実際に入れた感想は!」を読む
【宋美玄×アルテイシア公開取材全文ログ#4】
子宮を全摘して、山にも登れるようになった
宋先生:40代になってピルを取り上げられて、代案をだされずに生理で苦しんでいる人をみると、「他のお医者さんに行ったほうが…」って思います。
アルテイシアさん:わたしは子宮筋腫で、それは3人に1人くらいあるっていうメジャーなものだけど、それが悪さをしだして、大きくなって苦しんでいるときに、もう妊娠を考えない人であれば…ということで「子宮を取った」。今はハイキング部に入ってるんだけど、子宮筋腫のときは山なんて登れなかったです。
宋先生:そうねー。まず貧血になるよね。
アルテイシアさん:貧血にもなったし、スーパータイプのタンポンを入れて大きなナプキンを着けても、一時間もたないくらいの出血量だったから。
宋先生:それは多すぎるね。
アルテイシアさん:そう、もう、トイレがないところに行けない。
宋先生:トイレとの戦いやからね。で、山なんてそういうの持って帰らなあかんやん?
アルテイシアさん:そう、いま私は在宅ワークの作家だから、行きたいときにトイレに行ってナプキンを変えられるけど、会社員だったら会議中だったり、通勤途中に降りてナプキン変えてまた電車に乗って…とか本当に大変だと思う。だから、もし(子宮を取ることを)考えてる人がいたら参考にしてください。
ミレーナを入れている場合、更年期や閉経はどうなる?
アルテイシアさん:ミレーナの話に戻るけど、ミレーナを入れてる場合、更年期はどのような感じで出てくるの? 閉経はどのように判定するんでしょう?
宋先生:影響はあまりないです。ミレーナを入れる入れないに関係なく、卵巣は自分のタイミングで引退します。更年期は、全員くる。そのなかで、更年期障害の症状が出る人は6割です。
で、卵巣の引退とともに「(ミレーナの)入れ替えはもういらないですよね」ってなったりするので、アラフィフになったらホルモン検査をしています。
普通の人は生理がだんだん飛んできたて閉経に気づくのだけど、ミレーナを入れているとそういうサインがないから、自分で検査をしないとわからないのです。ただ、生理不順ってすごくうっとうしいから、それを感じずにすむというメリットはあります。
アルテイシアさん:蛇口が壊れたみたいにドバって出るとか、生理周期がめちゃくちゃになるとか、すごく不便だと言いますよね。閉経前。
宋先生:よくあるのが、閉経期に生理が不順になるという知識があるせいで「これは更年期かな」って思っていたら、がんを見逃してたというパターン。あまりにも更年期=生理不順・不正出血っていわれてるせいで、大きな病気を見逃したりしがちなんです。
▶▶次回「尿もれだけじゃなく、後ろのほうも悩みは多い。まるっと鍛えるケーゲル体操とは」に続きます(5/25 20:30更新)
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■アルテイシアさんの作品は!
『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』650円(10%税込)/幻冬舎
『ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法』781円(10%税込)/幻冬舎
『田嶋先生に人生救われた私がフェミニズムを語っていいですか!?』1650円(10%税込)/KADOKAWA
■宗美玄先生のクリニックは!
丸の内の森レディースクリニック
東京都千代田区丸の内1・5・1 新丸の内ビルディング9F
(文/星雅代)
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