
『光る君へ』にも登場した「貝合わせ」は、どんな遊び? 平安時代に人気だった6つの遊び
平安貴族の遊びは知的で雅。遊びの中には「脳トレ」のようなものもあった!
現代に生きる私たちの中にはネットサーフィンや配信動画の視聴などで余暇をつぶす人も多いと思います。一方、平安時代はスマホどころかテレビもパソコンもありませんでした。また、レジャー施設や商業施設もありません。
現代人から見ると平安時代の人たちの娯楽は限られているように見えますが、私たちよりも娯楽が充実していたと見方によってはいえるかもしれません。本記事では、平安貴族が余暇にどのような遊びをしていたのか見ていきましょう。
ハマグリを使った遊び「貝合わせ(貝覆い)」
本放送には、彰子(見上愛)が貝合わせ(貝覆い)をするシーンがありました。
彰子(見上愛) 大河ドラマ「光る君へ」 29話(7月28日放送)より(C)NHK
彰子を演じる見上愛さんが貝殻を持つ姿はうるわしかったですね。また、娘の彰子に優しく寄り添う黒木華さん演じる倫子もステキでした。
貝合わせは平安貴族たちが慣れ親しんだ遊びの1つでした。貝合わせは貝の珍しさや色、形などを二組に分かれて競う遊び。しかし、平安末期になると、貝合わせは殻の柄や大きさなどを見て、対応する貝殻を探す遊びになりました。
貝合わせに使うハマグリも美しいですが、ハマグリを入れておく貝桶も細部にまでこだわった優美なものがあります。
漢字の知識が必要な遊び「偏つぎ(へんつぎ)」
『光る君へ』にもまひろ(吉高由里子)や倫子たちが偏つぎで遊ぶシーンがあったため、本作のファンの中にはこの遊びを知っている人も多いと思います。
偏つぎは示された漢字のつくりに偏をつけた文字を考える遊びです。例えば、「二」に「イ(にんべん)」を併せると「仁」という漢字になりますし、「久」に「木(きへん)」を併せると「杦」になります。
漢字を多く知っている人や知っている漢字をすぐに思い浮かべられる人はこの遊びで優位に立てます。
女の子はいつの時代もおにんぎょうが好き「雛遊び」
雛遊びは女の子たちの遊びでした。紙でつくった人形に着せ替えて遊びます。また、現代のように人形用の家具なども備えて遊んだといわれています。
飾り雛(雛人形)は雛遊びと、人形に罪穢れを移して川に流す風俗が融合して発展しました。天皇・皇后の姿になぞらえた男女一組を飾るのが当初は一般的でしたが、江戸時代以降に段飾りも行われるようになったといわれています。
想像の世界はいつの時代もワクワクした「物語」
まひろ(吉高由里子) 大河ドラマ「光る君へ」 29話(7月28日放送)より(C)NHK
本放送には、まひろが『竹取物語』を娘の賢子に読み聞かせるシーンがありました。『竹取物語』は平安時代につくられた物語といわれています。
男子は三史五経などを読んでいましたが、女性は物語を楽しんでいました。女房の朗読を聞きながら物語絵を見ることもあったそうです。
また、既存の物語を聞くだけではなく、自身で物語をつくり競い合う物語合という遊びもありました。
当時のスポーツといったら「蹴鞠(けまり)」
Shutterstock
蹴鞠は男性の遊びでした。毬を蹴り上げて、相手にパスします。仲間とともに勝ち負けを競うというよりも、毬を地面に落とさず相手に長くパスし続けることを目的としていました。
現代と平安時代はルールも盤も別ものだった!?「双六(すごろく)」
清少納言は「つれづれなぐさむもの。碁、双六、物語」と『枕草子』に綴っています。清少納言も双六を楽しんでいた様子がここからうかがえます。
とはいえ、平安時代における双六は現在のものとは大きく異なります。当時は木の盤の上をふたつの領地に分けて、黒・白の石を使って遊んでいました。石をさいころの数だけ進めていき、相手の領地に先に入った方が勝ちです。
当時、さいころは2つ使い、筒の中で振って出していたといわれています。
参考資料
承香院『あたらしい平安文化の教科書 平安王朝文学期の文化がビジュアルで楽しくわかる、リアルな暮らしと風俗』翔泳社 2024年
川村裕子『平安男子の元気な!生活』岩波書店 2021年
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