勝手に仕事を辞めた夫との離婚、親友状態の彼【#婚外恋愛3】
「彼氏」にはしたくない理由
晴れて独身に戻ったC子だったが、彼とは今でもプラトニックな関係だと言う。
それが真実かどうかはさておき、頑なに「恋人」にするのを避けるのは、以前家族に反対されたことが尾を引いていた。
「付き合ったって、また親に反対されるって思うと気が重いの。結婚は無理だしね」
ヨガの教室をオープンさせたのも、これから先「おひとりさま」で過ごすことを考えての決断だった。ひとりで生きていく糧をしっかり得ながら、彼との関係も続けたい。そんな思惑がC子にはあった。
「2番目に好きな人」との結婚に失敗し、大騒ぎで離婚してからは腫れ物を触るような距離で家族が接してくるのも、C子にとっては苦痛だった。
「彼氏」にしない限り、何か言われることもない。その気楽さをC子は望んでいたのだ。
だが、C子はそれで良くても彼のほうはどうなのか。
いつまでも「親友」で留め置かれたまま先に進めない関係を、彼はいつまで受け入れるだろうか。彼が「親友」以外の関係を望んだとき、C子はどうするのか。
結局、自由なようでいて一番窮屈な思いをしているのはC子なのではないかと、別れた夫に手を焼く彼女を見ていると思う。
関係を曖昧にしたままでも、お互いがそれで良いなら問題はないだろう。
だが、C子の場合は、自分の人生だけを安泰にして彼を都合よく存在させようとしている。
どんな関係を持とうと自己責任だが、もし彼がそんなつながりに愛想を尽かして離れていく決心をしたとき、C子はどうするのか。
恋人関係を避けるつながりとは、そんなリスクを忘れてはならないのだ。
【シリーズ・婚外恋愛】