「いじめ」にあっても生き延びるために大事なこととは。私がヒマラヤに行く理由は「挑戦」ではなく【登山家・渡邊直子さんに聞く】
精神的疲労をリセットさせるために、何がなんでもヒマラヤの8000m峰に行かないと!
――借金してでも行くっていう、優先順位がはっきりしているところも潔いなと。
私はコンプレックスも多く、ストレスも人一倍抱え込んでしまうタイプなので、やっぱりそういう場からは逃げたくなるんですよね。日本で充足していて幸せに暮らせていたら、そんなにしょっちゅうヒマラヤに行かなくてもいいと思うんですけど、私にとって日本にはそういう場所がなくて。ヒマラヤに行かないとリセットできないくらい、疲弊してしまう。精神的疲労をリセットさせるためには、ヒマラヤの8000m峰に行かないとダメなんです(笑)。
――日本人女性初で8000m峰14座をすべて登頂した人というと、野心があって、自己肯定感が高い人というイメージがありました。でも実際はそういったコンプレックスもあり、自分のことが嫌いだったりと、私たちと同じように思っていた。それでも、こんなことができてしまうんだという驚きと共感がありました。
挑戦しようと思って行ってないからだと思います。登頂が本来の目的じゃなくて、そんなことよりも、ただシェルパに会って楽しみたい。ベースキャンプでみんなとおしゃべりしながらご飯が食べたい。なんか新しい刺激が欲しい、新しいことを知ってみたい、ネパール語をもっと覚えたいとか、そういう楽しみを見つけたいっていうほうが大きいから。
ヒマラヤに行って、子どものような無邪気な自分に戻れるのが好きなんです。子どもの頃なんて、何も考えずにできるところがありましたよね。挑戦したいと思ったらみんな臆病になってしまう。失敗したら……という感情が出てきてしまうから、わざと違う目標に変えて、挑戦になるようなゴールを見ないようにしていくこともあります。私、高所恐怖症だから、地形とか調べたら怖くて行けなくなってしまう。だからわざと、事前に調べないようにしています。目の前に来た時には、もう行くしかない状況にするんです。
▶「いじめ」にあっても生き延びるために
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