「いじめ」にあっても生き延びるために大事なこととは。私がヒマラヤに行く理由は「挑戦」ではなく【登山家・渡邊直子さんに聞く】

2026.06.19 LIFE

コミュニケーションが苦手な人が、わざわざ人のいる場を選ぶ必要はない。本当に自分だけが没頭できる世界があればいい

 

――居場所を複数作る、いわゆるサードプレイスの大切さについて、どうやって作っていったらいいのか。

 

私は子どもの頃にいじめられていたことがあって、そんなときもアジアの子どもたちと冒険する団体の企画に参加していたから、学校だけが全てじゃないと、潰れなかった。今いる場所だけが自分の世界だと思わず、別の場所ではいじめもなくて、うまくやれている自分がいたから。居場所が複数あることで、比較もできるし、いろんな考え方に切り替えられる。この人はなんでこういう人なんだろう? もしかしたら、こういうことがあったのかも、と想像する余裕が生まれる。コミュニケーションが苦手な人は、わざわざ人のコミュニティを選ぶ必要はなくて、本当に自分だけが没頭できる世界を持っておけばいいんじゃないかな。YouTubeでも、アニメでもゲームでもいい。リアルで会ったことのない人たちのコミュニティでもいいと思うので、何か没頭できるものを持っておくと、何かに行き詰まったときは一旦、そっちでリセットしようってなって、潰れずに済むと思います。

 

――渡邊さん自身、やってみないとわからないといった経験を何度もされてきたと思うのですが、判断力、決断力がついた、切り替えが早くなったというような、普段の生活にもプラスになっていることってありますか?

 

その辺は、いい部分も悪い部分もあります。いい部分というのは、いろんな苦難乗り越えていくうちに、ちょっとしたことが些細なことに思えて乗り越えやすくなりますし、自分自身が潰れなくなります。いろんな人がいて、いろんな考え方があるんだというのも身に染みてきますし、他で何か嫌なことがあって私に当たっているのかもしれない、といった捉え方もできるようになりました。

 

悪い部分は、日本での生活に刺激が感じられず、退屈に思えてしまうことかな。他の人たちにとってはどうでもいいことが気になってくるというのもね。例えば、店員さんの態度がマニュアル通りなのが引っかかってしまう、とか。海外の、ネパールの店員は不愛想だけど人間らしい接客をしてくれて心が温まるのに……などと思ってしまうこともあります(笑)。

 

▶おもしろ人間を作りたい

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