日本にいるとメンタルを病む(笑)。だからヒマラヤは人生の休憩をする場所。毎回、真剣勝負という感じだったら、行きたくなくなっていた【登山家・渡邊直子さんに聞く】
毎回、真剣勝負という感じだったら、行きたくなくなっていたと思う。ヒマラヤは人生の休憩をする場所
――慎重になるときと、楽観的にトライするときとで、ジャッジがすごくいいバランスだなと。
私、学生時代にバトミントン部だったとき、試合前にトーナメント表を見ないようにしていたんです。対戦相手を知った状態で試合に臨みたくなかったから。ペアを組んでいた人にも、“(対戦相手を)直前まで言わないで。私より格上の人だったら、おじけづいて負けちゃうかもしれないから”って言っていました。先入観に引っ張られるのが嫌だったし、だったら何も知らない状態で対戦したい。試合に勝つとか、ここでひとつ壁を乗り越えたいってときは、あえて事前に余計な知識は入れない。それは昔からでしたね。大学で、全国大会に行く決め手になった試合でも、全国3位と対戦して勝てたのは、相手を知らない状態で挑んだからで、もし知っていたら負けていたと思う。後から全国3位だよって言われて驚きました。
――欲が出て記録に挑戦するとか、そういった方向には行かずに、ヒマラヤ登山は楽しむものという、その姿勢がずっとブレていない理由というのは?
ヒマラヤは自分の人生の休憩であり楽しみでもあり、何か新しいことを学びたいときにもなくてはならないものになっているんです。自分自身を好きになれる場なのは、行くたびに、シェルパたちが私の良さを引き出してくれるから。毎回、真剣勝負みたいな感じで行っていたら、きっと潰れていただろうし、行きたくなくなっていたと思う。楽しいから、続いているんです。逆に続かないことがあるとしたら、そういうところかもしれないですね。
▶日本の人間関係は難しい
この記事は
エディター&ライター
根岸聖子
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