日本にいるとメンタルを病む(笑)。だからヒマラヤは人生の休憩をする場所。毎回、真剣勝負という感じだったら、行きたくなくなっていた【登山家・渡邊直子さんに聞く】
日本での人間関係は難しい。「言葉尻ひとつ」で人を嫌いになったりしないシェルパとは気が合う
――現地での交渉やシェルパたちとのやりとりなどマネージメント力がとても重要だと著書で書いていましたが、もとからコミュ力がすごく高いタイプではなかったとか。
日本にいるときや、外国人登山家との交流はあまり得意ではないのですが、シェルパ相手だとなぜか上手くいく(笑)。私はストレートに物事を言ってしまったり、顔に出たりするので日本では上手く行かないことが多いんです。もっと器用に立ち回れていれたら、と何度も思いました。
だから、素直で単純で、ちょっとしたことにも驚いてくれるシェルパたちとの交流が楽しくて仕方がない。私が感情的になって怒ったとしても、それで嫌われることはない。言葉尻ひとつで人を嫌いになんてならないのがわかっているから、気をつかわなくていいのがすごく楽なんです。彼らはきっと、あのときこう言っておけばよかった、みたいなこと、考えたこともないと思う。本当に羨ましい限りです(笑)。
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日本人女性初“8000m峰全14座登頂”を果たした現役看護師で登山家の渡邊直子。
ヒマラヤで出会うさまざまな国籍の人との出会いと別れのなかで、驚くようなハプニングに見舞われながらも、
「私にとっては、日曜日に居酒屋へ行くようなもの」と語る。
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Profile

渡邊直子
1981年、福岡県生まれ。3歳から登山やサバイバルキャンプ企画などに参加。小学4年生から雪山登山に魅了され、中学1年生でパキスタンの4700mまで雪山登山、大学1年生で5000m峰、大学3年生で6000m峰登山に挑戦し、登頂。2004年、長崎大学水産学部水産学科卒業。09年、日本赤十字豊田看護大学看護学部看護学科卒業。同大学在学中に自身初の8000m峰登山としてチョ・オユー(8201m)に登頂。その後、看護師として働きながら資金を貯めてヒマラヤに通い、ほぼ毎年8000m峰に挑戦。24年10月にシシャパンマ(8027m)に登頂し、日本人女性として初めてヒマラヤ8000m峰14座完登を成し遂げた。
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