「このままでは夫がダメになる」コロナ禍に地方Uターン移住に踏み切った夫婦に「起きたこと」

2023.12.23 WORK

コロナ禍を経て私たちの仕事や暮らしは大きく変化しました。それに伴い、首都一極集中型だった人口増加にも歯止めがかかり、「地方」に視線が向けられるように。

その流れに乗って地元・栃木県にUターン移住した私、市川みさきが、移住を決めるまでの過程と1年間居住してみて感じたメリットとデメリットをレポートします。

 

息抜きのできないコロナ禍のリモートワーク、私たち夫婦に「降りかかった」意外な困難

地方出身の私と夫は、大学入学を機に上京。卒業後は千葉県と都内の企業に就職して、東京で出会い結婚しました。仕事や交友関係が都内で完結していた私たちは、漠然と「このまま一生、東京近郊ですごしていくんだろうな」と思っていました。

 

2020年にコロナが流行してからは、私も夫も千葉県市川市にある1LDKの家でリモートワークを続け、週に1~2度出勤をする日々が続きました。しかし2022年に私がフリーランスライターに転身し、完全在宅勤務になることが決まったことで、1LDKの部屋を手狭に感じるように…。さらに、収入が不安定になることに対する不安を抱え始めます。

 

時を同じくして、部署異動した夫の残業時間が増加。日の当たらない部屋に仕事用デスクを置き、一日中PCに張り付いているので、息抜きがうまくできていない夫の姿を目にしました。

 

結婚時に「楽しく暮らす」を我が家のモットーにしたにもかかわらず、今の状況ではそれが叶えられそうにありません。私たちは不安や不満の打開策として、引っ越しをして生活スタイルに変化をつけてみることに。今のワークスタイルを鑑みつつ、不安・不満を解消するために、以下の4つの条件を元に引越し先を検討し始めました。

 

▼引っ越し先の条件

①1時間以内で東京に通勤できる

②夫と私それぞれの仕事部屋を設けるために、3LDK以上の間取りが確保できる

③千葉県在住時よりも家賃が下がる

④リフレッシュができるように、できれば自然が多い場所

 

条件を踏まえ千葉や埼玉、神奈川の物件情報をシェアしあっていたある日、夫がいきなり「栃木に住んじゃうっていうのはどう?」と言い出したのです。まさかの提案に驚きつつ検討を進めると、栃木県は4つすべての条件に当てはまることに気づきました。

 

まずは平日に「お試し移住」をしてみる。地元民への聞き込みも慎重に

私は地元で一人暮らしをする高齢の祖母たちの生活が心配だったこともあり「夫の気が変わらないうちに!」と、2022年7月頃から栃木県の賃貸住宅情報を調べ始めました。

 

引っ越しの条件として上げた「①1時間以内で東京に通勤できる」を叶えるためには、新幹線が停車する駅の近くに居住することが必須。新幹線停車駅のある小山市と宇都宮市を候補にすることにしました。

 

どちらに居住すべきか悩んだ私は、栃木県に住む友人に、生活についてヒアリングをしました。市の中でも住みやすいエリア、休日の遊び場、よく行く飲食店などを聞き込みし夫にシェアして、どんな生活が待っているのかを2人で具体的にイメージするようにしました。

 

また休日と平日に県内のホテルに泊まり、朝や夕方の通勤ラッシュ時の人流や、車の混雑具合を確認したことも。休日は街の賑やかさを、平日は通勤の様子をイメージでき、住んだ後の現実的なイメージをふくらませるのに非常に有効だったように感じます。

 

検討を経て最終的には、より商業施設が多く交通網が発達している宇都宮市に移住をすることに決めました。

 

前編記事では市川夫妻が東京を離れる決心をするまでの経緯を伺いました。後半では実際に地方へUターンして気づいた「メリット」「デメリット」を伺います。

 

▶つづき>>>「コロナ禍のリモートワークで地方にUターンした人たち」はいま幸福なのか?「モノが少ない」「文化体験が薄い」「車は必須」だが

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