
「俺から離れたら地獄の苦しみを味あわせてやる!」DV夫との奴隷のような日々。夜泣きする子どもを抱き続けた朝、私が決意したことは
写真はイメージです
夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。
モラハラ夫との関係に限界を感じ、離婚を切り出した途端、「ふざけるな!」「出ていくなら子どもは置いていけ!」と怒鳴り声を上げられ、壁を殴ったり物を投げたりされて……。
そんなふうに、恐怖で威嚇される女性は少なくありません。
冷静に話し合うことなどできない相手に、自分の気持ちを伝えようとするたびに、なぜか“悪者”にされてしまう。
そんな理不尽な日々の中で、恐怖と不安に追いつめられ、「逃げる」しか選択肢が残されないことがあります。
今回は、夫の支配と暴言に耐えきれず、ついに「昼逃げ」という形で家を出る決断をしたMさんのケースをご紹介します。
Mさんを奴隷のように扱う夫
Mさんは妊娠を機に、それまで続けていた仕事を退職しました。
しかし、つわりで体調が優れない時期にも、夫は思いやる素振りすら見せず、食事の準備や掃除ができないMさんを見ては「またサボっている」と責め立てたといいます。
出産後の生活を考えたとき、Mさんは「育児と仕事を両立する自信がない」と感じ、家庭に入ることを選びました。けれどその判断が、夫との関係を大きく変えてしまったのです。
子どもが生まれた後の生活は、完全なワンオペでした。夜泣き、予防接種、離乳食と、すべてをMさんひとりで担っていても、夫は手を貸すことはありませんでした。それどころか、口を開けばこう言われたそうです。
「お前は稼ぎもないくせに。俺の金で生活してるってわかってんのか?」
出産直後で心身が不安定ななか、この言葉はMさんの心を深く傷つけました。
「自分には価値がない」と思い込まされていく日々が始まったのです。
夫は、自分の都合がいい時だけ子どもを可愛がりますが、ミルクもオムツ替えも一切せず、子どもが泣けば不機嫌になります。育児の“楽しいところ”だけつまみ食いし、あとはすべてMさん任せ。そんな状況が続いていました。
「子どもは大事」なのに育児をしないのはなぜ?
Mさんのように、「子どもは大切だ」と口では言いながら、育児や家事には一切関わらず、問題が起きればすべて妻のせいにする、そんな男性は少なくありません。
この背景には、モラハラ夫に特有の心理構造があります。
彼らにとって子どもは、可愛い存在であると同時に、“自分の所有物”という意識があるのです。そのため、子どもが泣いたり、思い通りに育たなかったりすると、「理想と違う=誰かのせいだ」と短絡的に考え、妻に責任を押しつけます。
さらに、家庭内に“上下関係”を作りたがる傾向も強く、「自分が稼いでいる=偉い」「家のことはお前がやるのが当然」という価値観で支配しようとするのです。
こうした男性の行動の裏には、いくつかの共通する心理的な傾向があります。
・強い支配欲
家庭を「助け合う場」ではなく、「自分が指示を出す場所」だと考えている。
・深い劣等感の裏返し
自分の未熟さや無力さを見せることに強い恐怖を抱いており、優位であろうとする。
・責任転嫁の癖
子どもが泣けば「お前がちゃんと見てないからだ」、家庭が荒れれば「お前のやり方が悪い」と、常に妻に責任を押しつける。
・子どもと向き合うことへの未熟さ
「子どもは可愛い」と言いつつ、実際には深く関わろうとしない。
子どもの泣き声や反抗など、自分の感情が揺さぶられる関係を避け、無意識に距離を取ってしまう。
このような心理が根底にあるため、夫たちは自分が育児や家事をしないことに、罪悪感を持ちません。
むしろ「自分は働いているのだから、当然だ」とさえ考えているのです。
Mさんの心が限界になったきっかけ
「ここにいたら、私はもうダメになる」
Mさんがそう強く感じたのは、ある冬の朝のことでした。夜泣きする子どもを抱きながら、一睡もできずに朝を迎えたMさん。ほんの少しでも横になりたい……そう思った矢先、夫が起きてきました。
疲れ切ったMさんに、労いの言葉をかけるでもなく、夫が発したのはただ一言。
「すぐに朝飯を作れ」
その瞬間、Mさんの中で何かが切れました。自分の苦しみを見ようともしない相手。相談もできず、憎しみが湧くような関係。
「これはもう夫婦とは呼べない」と、やっと気づいたのです。
我慢の限界を超えたMさんは、思わず言い返しました。
「全部私が悪いっていうの? あなたは何もしてないくせに!」
すると夫は狂気を含んだ声でこう言いました。
「お前は馬鹿か。俺が稼いでいるからお前と子供は暮らしていけるんだ、俺が養ってやっているんだ、そのご主人様に対して、よくそんな文句が言えるな!生意気だ。謝れ!土下座しろ!」
そう言って、Mさんの頭をつかみ、床に押し付けようとしたのです。
ついに決意した「離婚」の言葉
「この人と一緒にいても、幸せにはなれない」ようやく、離婚への決意が固まりました。
数日後、子どもが寝静まった夜。Mさんは覚悟を決め、夫に伝えました。
「離婚したいと思っています」
怒鳴られるかもしれない。無視されるかもしれない。
それでも、このまま心が壊れるよりは…と、勇気を振り絞った一言でした。
夫はしばらく沈黙した後、低い声でこう言いました。
「ふざけんなよ。離婚? お前みたいな女が子どもを連れてどこに行けるんだ。子どもは俺のものだから絶対渡さないぞ。俺と離婚するなんて言ったら地獄の苦しみを味合わせてやる」
本編では、モラハラと暴言によって、離婚すら許されない支配関係に追い込まれたMさんの葛藤と決意についてお伝えしました。
▶▶『「壁を殴りながら笑う夫」から、バッグひとつで逃げた朝……「昼逃げ」は、私の命を守るための選択だった』
では、Mさんがどのように“逃げ出す準備”を進め、ついに家を出たのか、その全容をお届けします。
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