
「私は、そなたの夫だからな」鳥山検校と瀬似が下した、愛情ゆえの切ない決断とは?【NHK大河『べらぼう』第14回】
*TOP画像/蔦重(横浜流星) 瀬似(小芝風花) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」14話(4月6日放送)より(C)NHK
吉原で生まれ育ち、江戸のメディア王に成り上がった蔦重の人生を描いた、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合)の第14話が4月6日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。
<<吉原の遊女「引退後」は楽園か、地獄か? 大門を出た遊女たちが直面する現実とは
瀬似に「巡る因果は恨みじゃなくて恩がいい」と教えた鳥山検校の愛
幕府は当道座にこれまでにない大規模な手入れを行いました。これにより、鳥山検校(市原隼人)と妻の瀬似(小芝風花)も容疑をかけられ、捕らえられました。
瀬似については、松葉屋が預かることを条件にまもなく釈放。裁きでは、“検校の寵をよいことに民から搾り取った金で興遊贅の限りを尽くした”と咎められたものの、吉原に売られた身の上を考慮されて“叱り”ですみました。
瀬似(小芝風花) 鳥山検校(市原隼人) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」14話(4月6日放送)より(C)NHK
一方、鳥山検校は自身が窮地に立たされる中でも瀬似のことを一番に考えていたよう。彼は”瀬似の面倒を見ることを今後は遠慮したい”と奉行に伝えていたのです。鳥山検校は瀬似が抱いていた自由になりたいという望みを最後に叶えてやったといえるでしょう。
鳥山検校(市原隼人) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」14話(4月6日放送)より(C)NHK
鳥山検校が送った離縁状 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」14話(4月6日放送)より(C)NHK
かつて、鳥山検校は「そなたの望むことは 全て叶えると決めた。 私は そなたの夫だからな」と、瀬似に伝えていました。世の中にはお金やモノで人の心を動かそうとすることに否定的な人もいますが、愛の表現方法は人それぞれ。この方法は鳥山検校なりの瀬似への最大限の愛情表現でした。
鳥山検校は多くの民や旗本からお金を搾取してきました。彼の悪徳な事業によって親が自害し、吉原に売られた女子もいます。

武家の娘(新井美羽) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」14話(4月6日放送)より(C)NHK
しかし、悪いのは、鳥山検校だけなのだろうか……。社会を支配している幕府や旗本も検校と変わらないことをしています。瀬似の親は武家が課してきたきつい年貢に耐えきれず、娘を吉原に売ったように……。特定の誰かが悪いというよりも一部の権力を許容している社会や制度に問題があるのかもしれません。
多くの人たちは不特定多数の人びとを不幸に陥れることはしないものの、自分以外の誰かに鳥山検校ほど大きな愛情を注ぐこともないと思います。あるいは、(経済力にかかわらず)妻の望みに“夫だから”と耳を傾け、叶えてあげる男性も少ないはずです。
瀬似は鳥山検校のあたたかな愛情をありがたく受け取っており、彼の妻としての自覚を抱いていました。蔦重(横浜流星)に「できれば 店 一緒にやんねえか?」と誘われたときに、真っ先に思い浮かんだのは鳥山検校だったようです。
「検校のお裁きが どうなろうとわっちは妻なんだから」
鳥山検校が「私は そなたの夫だからな」と自分の望みを叶え続けてくれたように、瀬似は彼を“妻として”裁きの内容にかかわらず受け入れる覚悟をしていたのだと思いました。
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