
“たかが咀嚼音”で夜も拒否され、レス、離婚寸前……。そんな夫がふと気づいた“本当の問題”とは
「クチャクチャ音が無理」と妻に言われて、ただでさえギクシャクしていた関係に“セックスレス”という深刻な問題まで加わった……。ヨシヒサさんはそこでようやく、自分の行動がどれほど妻を傷つけてきたかを実感したといいます。
この記事では、ヨシヒサさんが「咀嚼音」をめぐる問題とどう向き合い、夫婦関係の修復に向けてどんなステップを踏んでいったのかを具体的に伺いました。
前編「『あなた、自分がクチャラーだって分かってる?』妻にそう言われたアラフォー夫が迎えた離婚の危機」に続く後編です。
クチャラーが招いたセックスレス。「たかが食べ方」では済まなかった
実は、ヨシヒサさんが直面していた問題は、食事中の不快感だけにとどまりませんでした。食べ方の癖が、夫婦の親密な時間にまで影を落としていたのです。
「ある日、妻から『音に敏感になりすぎて、夜に近づかれるのも苦痛なの』と言われました。正直、深いショックを受けました。
その言葉を聞いた瞬間、僕たちの間にもうセックスレスが現実になっていると痛感しました。お互いの距離が、心の面でもどんどん離れていくと、ただのスキンシップですらためらわれるようになるんですね。『たかが食べ方』で片づけてきた自分の認識が、どれほど浅はかだったかを思い知らされました。
それまで、夫婦の関係がうまくいかない理由をどこか外側に求めていた自分がいました。でも、実際には僕の些細なクセが、じわじわと彼女を追い詰め、信頼をすり減らし、最終的には精神的なつながりさえも揺らがせていた。妻との会話が減ったのも、すべて連動していたんだと思います。自分の中にあった甘えや鈍感さを、ようやく受け止めることができました」
日常の「食べ方」を変えるには? 小さな習慣が大きな変化に
──「食べ方を変える」と聞くと簡単なようでいて、実は思った以上にハードルの高いこと。とくに忙しい日常のなかで、つい早食いや“ながら食べ”になってしまうという方も多いはずです。ヨシヒサさん自身は、どうやってその習慣を変えていったのでしょうか。
「僕の場合は、『まずは箸を置く』ということを徹底しました。一口食べたら、噛んでいるあいだは箸をテーブルに置いて、飲み込んでから次のひと口を口に運ぶ。そのくらい極端に区切らないと、無意識に次々と食べてしまう癖が抜けなかったんです。でもこの“止める動作”を入れることで、自然と食べるペースが落ちていきました」
“飲み込むまで次を口に入れない”という基本のマナーを意識しはじめてから、ヨシヒサさんには意外な気づきもあったそうです。
「ふと、『こんなに食事って落ち着いた時間だったっけ?』と思ったんです。以前は仕事の合間などに何かをかき込むように食べることが多くて、『食事を楽しむ』という感覚すら薄れていました。でも、ゆっくり食べるようになってからは味をしっかり感じられるようになったし、胃もたれも減った。結果的に、自分の体調にも良い影響があったと思います」
この変化は、健康面だけでなく夫婦の関係にも良い影響を与え始めていました。
「以前は『どうせまた注意されるんだろうな』って、話しかけることすらためらっていたんです。でも、少しずつ自分が変わっていくことで、妻の機嫌も前ほど悪くならなくなったと感じます。『またあの嫌な空気になるかも』という緊張が減って、僕自身も自然に会話ができるようになりました」
完全に直ったわけではないものの、意識的に行動することで、夫婦の関係にも小さな光が差し込み始めています。
「まだ完璧ではありません。つい無意識に戻ってしまうこともあります。でも、今は『あ、音立ててたかも』とその場で自分で気づける。これって僕にとっては大きな進歩なんです」
「離婚話が出たときは、自暴自棄になりそうだった」 次ページ
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