医療は「解決」のためにある。どうか更年期の不調に苦しまず、医療に頼って【山田ノジル後編】

書籍『呪われ女子に、なっていませんか?』が好評発売中のフリーライター・山田ノジルさん。前編では「真面目な更年期世代の女性ほどうっかり信じやすいトンデモ健康法」の概要とその特徴を聞きました。後編では「どうして私たちはトンデモに惑わされるのか」を伺います。

 

【100人の更年期 #5 山田ノジルさん後編】

医療は「共感」ベースではなく「解決」ベース。塩対応されてもへこまないで

前編で話した科学的根拠のないトンデモ健康法は、私たちの「漠然とした不安」に寄り添ってくれるのもまたイヤなところです。

 

身体の苦痛があるとき、具体的な解決策より「つらいね、しんどいね」という共感を欲しいという心理は多くの人が抱える気持ちでしょうが、トンデモ健康法は時に高額ゆえか、そこにじっくり寄り添ってくれるものが多くみられます。

 

何かと人手不足と言われる医療の現場ではケアしきれないメンタル的な部分をカバーしてくれる側面は確かにありますが、その結果トンデモ療法を指導されたり高額な商品を勧められるのが困りものです。

 

さらにSNSが発達していることで同じトンデモ健康法を実践する人たちのコミュニティができやすい。お互いの励ましで癒やされあい、登録メンバー限定のサロンなどに囲い込まれ、人間関係が出来上がると足抜けしにくくなり……と、ワナがあるのも、問題点です。

 

無難な対策としては、普段から自分の話しに耳を傾けてくれる、金銭のやり取りが発生しない家族や友人の存在を一定数確保するこことでしょうか。ネット上の、「ツイ友」などでもかまいません。自分の話を聞いてくれる相手をいろんなジャンルに作っておくほうが、いろんな意見を見聞きするので客観的に物事を判断できるかと。

 

特に更年期障害は個人差が大きいようですから、「そんなのあなただけよ」とか「私は全然大丈夫だよ」といったマウンティングはスルーするに限ります。

 

また、医師もいまいち合わないと感じたら、そのまま惰性で通わず、積極的にいろいろなところにかかってみてはどうでしょう。最近は、昔みたいに高圧的な、神さまのごとくふるまう、もしくは頑固親父風の医師はずいぶん減ったようですが、医師はもともと医療という手段で苦痛を取り除くのが仕事。「共感」は得られなくても、仕方ないくらいにかまえておくと、気持ちにゆとりが生まれます。

 

もちろん親身になってくれる医師もたくさん存在しますが、「塩対応をされても普通」くらいに考え、暖かい寄り添いは別のところに求めてはどうでしょう。もしくは、心の問題は心の専門医へ頼る。

 

体調が悪く、メンタルも弱っているときですから、余計追い打ちをかけられイラッとくることもあるかもしれませんが、期待値を上げすぎないことです。すべての不調が、医療で科学的に解決できないこともありますので。つい、魔法のようにスッキリ不調を取り除いてほしい! なんて思ってしまうのですがね。

 

適切な医療との出会いでドンピシャ治るケースも

そもそも医師との相性以前に、適切な医療にたどり着くのが難しいという話もよく聞きます。

知人のケースでは、40歳くらいで抑うつが出て、精神科をはじめいろいろな病院をさんざん回って真っ暗な3~4年を過ごしました。腰痛も酷くなりマッサージにも多額を投じるうち、周囲に更年期障害が出始め、私ももしかして?と婦人科に行ってみたらドンピシャ。ホルモン補充療法を受けたら一発で治ったという話しです。こういうケースを知ると、40代で何かしら不調があるならとりあえず1回ホルモン値は測ってもらったほうがいいかもしれません。

 

どこの科に行けばいいかわからないという場合、まず通える範囲の産婦人科に行ってみてはどうでしょう。その診察内容に「更年期障害」と入っているなら、ベター。また、いちど電話をかけて、受付の人に「こういう症状なんですが」と相談してみるのもおススメです。ネットの口コミは、書きこんだ人の状況が見えないので、良し悪しでしょう。

 

私たちでさえ、自分自身の医療には迷うものです

私は取材という名目で、医師に話を聞くことができる機会に比較的恵まれていますが、それでも自分がいざ婦人科に通いたいとなると、どこに行けばいいかと迷っています。情報ツウの編集者たちなど、聞ける人がたくさんいるのにもかかわらずです。

 

この1~2年、私は自分で勝手に更年期障害だなと思っているので、一度ぜひホルモン値を測りたいですね。私の場合は、イライラが出るほか、頭痛もひどい。昔はまったくなかった生理前の不調も感じています。だるい、眠い、頭が痛い……などの症状が40歳を過ぎてから出てきて、ここしばらくは本当に強いです。

 

逆に、冷えは最近治まりました。昔はものすごい寒がりだったんですけどね。そんなふうに体調や身体の状態は結構変わるんだということを、日々実感しています。

 

「このくらいで病院に行っていいの?」は、どんどん行きましょう

40代女性は育児、仕事、家事などいろいろなことに振り回され、自分のことがあとまわしですよね。日常生活がなんとか送れる範囲の不調はスルーして、どうしても身体に対する優先度が低くなってしまう。私も仕事が優先になるもので、病院に対する優先順位がとっても低いんです。幸い今のところ更年期症状は日常生活に支障があるほどでもなく、緊急性が低いというのもあります。

 

私の知り合いに、外見はきれいにしているのになぜか歯医者だけ何年も行かない人がいて、最終的には30代で差し歯になったと聞いています。それは極端なズボラとしても、「これくらいで病院に行ったら、医師に迷惑なのでは」というような不安もあると思います。生理痛などについても、ついそう思いがちですよね。ですが、怒られることなんて、そうそうありません。「このくらいで?」と思っても、動けるうちにどんどん病院に行ったほうがいいでしょう。

 

日本は自己責任論が強く、自分でなんとかするのが偉い、この程度のことで忙しいお医者様にご迷惑をおかけしてはいけないというような雰囲気もありますが、そういった精神論と医療の問題は全くの別物。健康問題は、専門家の手を借りるべきです。

 

ただし「セラピスト」や「カウンセラー」「アドバイザー」「療法士」、といった専門家風の肩書には要注意です。単なる自称だったり民間資格の肩書だったりするケースも多く、そこにはトンデモ健康法が待ち受けていたりしますので。

 

トンデモ健康法は一般に、壮大なものに結び付けられています。膣や子宮を大切にしたら金運もよくなり、仕事でも大きなプロジェクト任せられ、彼氏もできてと……金運財布みたいですね(笑)。それに騙されてしまう人たちは、基本的にとってもまじめ。

 

根拠のない健康法を実践して効果が得られなくても、そこに「気づき」を無理やり探して自分で納得してしまったり、「努力が足りないからだ」と自分のせいにしたりします。

 

もし、あなたの更年期障害は「○○をしてこなかった『せい』」と脅されるようなものを目にしても、これは新しい自己啓発商材のプロモーションくらいに扱い、真にうけないことです。不調は医師に相談し、快適な更年期を送りたいですね。

『呪われ女子に、なっていませんか?』山田ノジル・著 ベストセラーズ・刊 1,400円+税 書影をクリックするとアマゾンにジャンプ

この記事の前編『「私、マジメだから」と自覚してたら要注意?更年期対策のワナ』はこちら!

 

あなたの更年期は?簡単なアンケートにご協力ください!

こちらから

 

【100人の更年期】隔週日曜20時連載です。

#1 54歳、「太った」のは更年期のせい?

#2 45歳、突然に生理周期が変化して

#3 44歳、「めまいとだるさ」を救ってくれたのは

#4 51歳、更年期世代は20時過ぎはメールに返事をしないこと!

#5 「私、マジメだから」と自覚してたら要注意?更年期対策のワナ【山田ノジル】

医療は「解決」のためにある。どうか不調に苦しまず、医療に頼って【山田ノジル】

#6 47歳、「突発性難聴」かと思ったら更年期。漢方治療への長い道

#7 46歳、子宮頸がん異形成で「睡眠と回復」の大切さに気づく

#8 59歳、更年期とセックスレスは関係アリ?この先50年も愉しんで【三松真由美】

#9 47歳、高齢出産と橋本病。疲れる、太るのは「私のせい」じゃなかった

#10 48歳、とにかく寂しい。私はおばあちゃんになっていくんだな

気になる「閉経」の平均年齢は? 生理はいつまであるの?40代が知っておきたい更年期

来るはずの生理が急に飛んだり、自分だけ急に暑いと感じたり。20代のころは「たまたまでしょ」で片づけていた体調の変化も年齢を重ねるにつれ「いよいよ更年期!?」と不安…

「出産していない女性」は性格がキツイ!? それは〇〇が原因だった

女性は、子どもを産んで母になると「強くなる」。未婚・未産の女性は、年齢を重ねていくと「きつくなる」といわれる。そりゃあ、母親は子どもを守るために強くなるだろうし…

偏頭痛やだるさは自律神経の乱れ!不調を整える3つの方法

忙しい年末年始です。仕上げなくてはならない大量の仕事を尻目に、「なんだか体調が良くないかも……」。偏頭痛がする、体がだるい、なんかイライラする……。それは、自律神経…

閉経の平均年齢は?月経はどんなふうに減っていきますか?【医師に聞く】

40代女性がひそかに悩む身体のこと。さまざまな分野に関して、医師に教えてもらいます。さて、アンケートでも特に目立つのが「更年期」についての悩み事。更年期に出てくる…

1位豆腐・2位レバー・3位は?更年期な40代女性はこれを食べるべし

まだ早い? それとも自覚がある? 40代なら視野に入ってくる更年期。今回は、いま摂るべき栄養素をご紹介します。もう知っているものもあれば、これがおすすめなの?とい…

40代未産女性は危険がいっぱい!リスクが高い病気リスト<子宮編>

子どもを産んだ人、産んでいない人。女性は二通りのどちらかになりますが、近年は子どもを産んでいない女性が増えてきました。1986年に男女雇用機会均等法が施行され、女性…

突然の「親の葬儀」。私の家族に起きたこと、かかった費用

考えたくないけれど、いつかやって来る親との別れ。残される家族としては、葬儀の費用のことも気になります。そこで、葬儀とその費用について調べてみました。葬儀は突然や…

菅野美穂、元カレの番組打ち切りで思い出されるヤバかったあの頃

男性は好きぐらいじゃ結婚しないよ?婚活中の女性に言うと、決まって引かれるのですが、私は本気でそう思っています。だって、もし好きな人と結婚するのであれば、恋愛経験…

40代おひとりさま「婚活よりも先に」始めたほうがいい4つのこと

婚活歴1年3カ月のOTONA SALONE編集長・アサミです。昨年より「40代編集長の婚活記」を執筆しているが、実は婚活よりも前に始めていた活動がある。それは「終活」。実は、40…

ベッキー、結婚再始動しても抜けない「例のクセ」にガッカリだ

久しぶりに見たけど、やっぱりベッキーって腕があるなぁ。2月10日放送の「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)を見ていて、こう思ったのでした。なぜベッキーを見る…

北海道で人気の手土産は?「とかち帯広空港」で買えるおすすめスイーツランキング

日本国内でもトップの「焼き菓子王国」北海道。小麦や乳製品、小豆など菓子原材料の一大産地としての地の利のほか、道民同士の「お持たせ文化」で洋菓子文化が発展しました。そんな北海道では、エリアごとに地元を代…

40代の肌づくりに必要な「腸」って…?科学的に正しい腸活を究極の美食でレクチャー!

季節の変わり目ごとに肌がゆらぐ40代。そろそろ秋の入り口ですから、身体をトータルに整えたいところ。そこで気になるキーワードが「腸活」ですが、正直に言って「どのくらい何を食べればいいのかわからない」という…

ザ ストリングス 表参道で最高の午後!キャスキッドソンのコラボアフタヌーンティー開催中

秋のさわやかな午後、表参道のケヤキ並木を眺めながら、優雅な本格アフタヌーンティーはいかがでしょう?ザ ストリングス 表参道1階のカフェ&ダイニング ゼルコヴァでは、ただいまロンドン発のライフスタイルブラン…

皮膚のセラミド、40代では「〇〇%」も減る…?知らなかった肌のこと

2007年にブランドが登場したアスタリフト。2010年、「ジェリー アクアリスタ」は登場するや大ヒットを記録します。当時は珍しかったジェル形状と高い浸透力で「肌が食べるジェリー」として導入アイテムの地位を確立…

【無印良品】大人気の化粧水はどれ?40代にオススメのスキンケアをタイプ別に詳解

私たちの日々の暮らしに寄り添い、いろいろな分野でいつでも支えてくれる無印良品。中でも、密かに愛用者が多いのがスキンケア分野です。ただ、何しろアイテム数が多いので、店頭のテスターでは「どれにすればいいの…

【無印良品】無敵の化粧直し!メイクパレットの人気組み合わせは?好評の8品はコレ

無印良品の店頭でいつも賑わっているコーナーの一つがメイクアイテム。アイカラーやファンデーション、チークなど、テスターはいつでもちょっと試してみたくなりますよね。従来から無印良品のアルミの名刺入れにコス…

45歳以上の女性必携!「マイナス5歳レンズ」でこの先の人生がグンと楽になる

40代の微妙な気持ちに寄り添い、丁寧なカウンセリングで最適な1本を選んでくれる「メガネの田中」。この春の「マイナス5歳メガネ」キャンペーンでは無料でパーソナルカラー診断を実施、店頭に出かけた人もたくさんい…

[PR]

この汗はホットフラッシュ?太っているせい?|100人の更年期#14

一般に、閉経の前後5年を更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。私ってもう更年期なの?…

ひとりで映画に行ける?ミュージカルは?40代がはじめてひとり観劇をしてわかったこと

オトナサローネで根強い人気を誇るのが「おひとりさまレベル」チェック記事。40代のおひとりさまがひとりでどこまでできるか、「ひとりでできるもん」レベルを客観的に考えてみた内容です。レベル1は「ファーストト…

更年期が「終わったあと」はどうなるの?59歳、駆け抜けた50代|100人の更年期#13

一般に、閉経の前後5年を更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。私ってもう更年期なの?…

注目の記事

LIFEに関する最新記事