気をつけて!「バツイチ男性のトラウマ地雷」知らずに踏んでない?【40代・最後の婚活#13】

2019.04.09 LOVE

イトウウミ44歳。結婚予定の彼に逃げられ、婚活を再開して2年目になる。私の人生、サクラ満開になるのはいつ? これは結婚目前でふりだしに戻った私が「どうして今婚活をしているのか」――振り返りながら書いている「セルフ自伝」です。

 

風邪も治りかけたとある日、S君からメールが来た。前回、一方通行のままメールが終わってガッカリした私(第12話)。「元気になったか?」の一言に思わずニヤける。気にかけてもらえて正直嬉しい。

 

どうしたのかとメールをスクロールすると、珍しく彼がボヤいていた。どちらかといえば、怒っている!?

 

そこまで怒る話かな…?普段は温厚なカレの反応に戸惑う私

S君はこんな40代の婚活に密着するテレビ番組を見た直後のようだった。

 

男性:バツ1・一流企業勤務・首都圏在住(戸建て持家)

女性:41歳初婚・ベンチャー勤務・23区在住(1LDKマンション)

 

――女性はとにかく都内に住みたい。首都圏もNG、東京以外での生活は考えられない。専業主婦になって子供を作りたい――

 

「どう思う? 男は結婚に不利じゃないか?」

 

私はこの番組を見ていないため、詳しいことはわからない。まあ、多少なりとも演出で盛られているだろうけど…

 

――女性いわく、汚い居酒屋はありえない。立ち呑みもイヤ。座りたいし、雰囲気のいいお店がいい――

 

――男性は「小説」「音楽」「芸術」に興味がある“文化系”。いっぽうの女性は「音楽なんてわからない」「本読まない」からどうでもいい――

 

あーいるいる。良い悪いはさて置き、自己中心的な女性。求めるだけ求め、相手を少しも理解しようとしない。そもそも、求めているのは彼じゃなくて、都合のいい世間体。自分の欲を満たし、叶えるだけの結婚がしたいのだろう。

 

完璧ハイスペのS君ですらずっと傷を負っている「トラウマ」

 

「こんな女性と結婚しても、金だけかかるよな…はぁ」

 

S君は離婚後、積極的に婚活パーティーに参加している。うらやましいことに、ほぼ毎回カップルになるらしい。しかし、連絡先を交換してデートするものの、なぜか続かない。彼曰く、女性の下心が垣間見え、幻滅してしまうそうだ。

 

S君は「高学歴」「一流商社勤務」「ルックスよし」のハイスペさん。完璧すぎて文句のつけようもない。そりゃあ女性も放っておかないよ。

 

でも、彼はこういうオプションで自分を見られることを極端に嫌う。なぜなら、それが離婚原因の一部だからだ。すっかりトラウマになってしまったことが、彼の言う「不利」で損していることなのだろう。

 

別の意味でのハイスペ、バツイチ博士号さんも持っていたトラウマ

実は私、バツ1の方とお見合いをしたことがある。某婚活サイトで出逢った「猫好き」のFさん。旧帝大卒の博士で研究職という素晴らしい経歴の方だ。

 

実際に対面する前のやりとりの段階でも、難解なお仕事の話は噛み砕いて説明してくれるし、猫との生活はコミカルに話してくれる。そんなFさんの聡明さと真面目さが、いつも行間から感じられた。何よりも、毎日丁寧にお返事を書いてくれる誠実さが嬉しかった。

 

会いたいと逸る気持ちを抑え、やり取りを続けて2ヵ月経った頃。Fさんから「会いませんか?」とお誘いがきた。

 

待ち合わせした喫茶店。時間通り現れたFさんは、メールの印象そのまま。知的で落ち着きのある、4つ年上の方だった。

 

「どんなオモチャが好きですか?」「うちのコはこのオヤツに夢中で」――時おり写真を見せ合い、会話が弾む。よかった、“猫”という共通の話題があって。

 

「何度も繰り返し聞かずにいられない」。私たちはどう向き合えるのか…

しかし、安心したのもつかの間。

 

Fさんが不意に訊いてきた。

 

「僕は転勤が多いです。ウミさん、大丈夫ですか?」

「私は大丈夫です」

「ものすごい田舎に行くこともありますが」

「ついて行きます」

「ご友人がまったくいないところに行く可能性もあります」

「…大丈夫です」

「趣味の音楽もできない環境かもしれません」

「一人でも演奏できるので気にしません」

「発表する場がないかもしれませんよ?」

「YouTubeとかネットもありますし…!」

 

さすがは研究職、理詰めでどんどん攻めてくる。来たボールを必死に返していた私。最後のほうは半ば意地だった。

 

ところが帰宅してからハッと気がつく。

 

Fさん、私を試していた? 詳しくは訊けなかったが、彼が離婚した原因はどうやら「転勤」。それが彼のトラウマでもあり、相手を見極めるときこだわってしまうポイント。だから、私に何度も訊いた? 「何があってもついてきてくれるか」って。

 

意地にならず、どーんとほがらかに、安心してもらえる返事をすればよかった。気がついたときにはもう遅く、次の連絡はこなかった。

 

バツイチ男性が離婚で受けた傷は、私たちが想像する以上に大きい

S君もFさんもバツ1。二人とも離婚がトラウマになっている。だから、その原因に遭遇すると過剰反応するし、あらかじめ防御線を張ってしまう。二度と同じ苦しみを繰り返したくないから。

 

同じことを何度も確認してくるのは何かのサイン。立ち止まって一緒にトラウマに向き合う優しさがあってもいいのかもしれない。

 

(そんなバツ1男性の心情については、ひろたかおりさんのこの記事に注目してます!)

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