「女性として終わってしまった感覚」…50代、体と心がバラバラになる「説明できないつらさ」は更年期のせい?【精神科医がアドバイス】
子供が巣立ったあとの「静寂」が怖くてたまらない
Q.「お母さん」を卒業したら、私には何も残らなかった
(50〜59歳/女性/お魚くわえたどら猫さん)
子供が就職し、母親としての役割が終わった。これから何を生きがいにすればいいのか。
夫との会話は事務連絡のみ。趣味もなく、資格もない。今更働くにも、ブランクが長すぎる。友人は孫の話で盛り上がっているけど、うちの子供たちは結婚の気配もない。
親の介護も現実味を帯びてきた。自分の健康不安もある。老後資金は夫任せで、具体的な金額も知らない。このまま夫に依存し続けていいのか。でも今更自立なんてできない。鏡を見ると老いた自分にため息。
若い頃の夢は何だったっけ。
残りの人生、ただ年を取るだけなのか。
何か始めたいけど、エネルギーが湧かない。「人生折り返し」どころか、もう終盤な気がする。せめて穏やかな老後をと思うけど、この虚無感を抱えたままでは難しい。Tomy先生、子育て後の人生の空白を、どう意味のあるものに変えればいいですか?
まずは休みなさい。やりたいことは後からついてくる
A.それは「空の巣症候群」。脳が疲れているだけよ
「空の巣症候群」という言葉を聞いたことがあるかしら?子供が自立して、子育てが一区切りしたときに訪れる、虚無感に囚われた状態に付けられた名称よ。雛が巣立ったあとの「空の巣」を眺める母鳥のイメージね。
この言葉は決して病名ではないのだけど、子供が自立したのがきっかけで、うつ病になる方もいらっしゃるわ。人によってはそれぐらいのストレスなのよね。
子育てに限らず、大きな問題に取り組んでいるうちは、気持ちがそっちに向かうので安定するのよ。でも大きな問題が解決してしまうと、今度は生きがいを失ってしまう。今のアナタはきっとそんな状態なのよね。
ただ、どんな環境でも人間は慣れる。今は子供が身近にいないのが寂しいかもしれないけど、それが当たり前になってくるのよ。だから、無理に「何かしなきゃ」と慌てなくてもいい。
今アナタがクヨクヨ考えてしまうのは、本当に沢山の問題があるわけじゃないの。一時的なストレスによって脳疲労を起こし、考え方がネガティブになっているのよ。だからいろんな「問題」が気になってくる。
まずやるべきことは、クヨクヨ考えないこと。休むこと。元気になったら、「今やってみたいこと」を考えてみることね。
若かろうが、そうじゃなかろうが、常に「今」はある。今に焦点を当てれば、年齢なんて問題じゃないのよ。
【Tomy先生のアドバイス】
虚無感には名前がある。「空の巣症候群」よ。脳が変化にびっくりしているだけ。まずはゆっくり休んで。元気になれば、年齢に関係なく「今」を楽しめるわ。
ここまでの記事では、更年期の不調との向き合い方や、「空の巣症候群」と呼ばれる心の変化についてご紹介しました。つづく関連記事では、周囲と比べて焦ってしまう気持ちとの向き合い方や、会話が減った夫婦の関係性についての話をお伝えします。
つづき>>会話なし、レス1年以上。相手の好きなところも忘れてしまい…。30代夫婦の「危機的状況」を脱するカギは?【精神科医がアドバイス】
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■著者略歴: 精神科医Tomy
1978年生まれ。東海中学・東海高校を経て、名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局に入局する。日本精神神経学会認定専門医。精神保健指定医。39万フォロワー突破のX(旧・Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。著書『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)に始まる「1秒シリーズ」は、36万部突破のベストセラーとなった。『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の小説シリーズも反響を呼ぶ。『精神科医Tomyの気にしない力』(だいわ文庫)、『精神科医Tomyが教える50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)ほか著書多数。
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