
うまくいかないことがある?「6月のタロット」が教えるあなたへのメッセージ
ジブリの名作『千と千尋の神隠し』。公開から何年経っても、主題歌『いつも何度でも』を聴くと、美しい世界や感動が蘇る人も多いはず。そんな、すてきなテーマ曲の作詞をされた覚 和歌子さん。
このコーナーでは、彼女の手がけたタロットカード「ポエタロ」より、カードのテーマに沿って1話ずつ、覚さんのエッセイをお届けします。
今回のカードは、「子ども」です。
【子ども】この愛らしい泥棒たち
いとこの子ども、5歳の男の子はショウくんと言う。
久しぶりに会うと
父親の後ろにかくれてもじもじしているのだが
向かい合って食事をはじめると
テーブルの下の私の膝の上に
自分の小さい両足をのせてきた。
あ?
と彼に目を向けると
表情を変えずにパスタを食べ続けている。
小さい足の裏をくすぐるとケラケラ笑うのだが
わざと目を合わさない。
こっちも顔色を変えずにくすぐり続ける。
敵は目をそらしたままニヤニヤするだけ。
子どもの、まとわりついてくるような
わかりやすい愛情表現はけっこう好きだが
ショウくんのような繊細で複雑な表わし方も
味わい深くていい。
その妹2歳のマコちゃんが
これまた大人たらしである。
おもちゃのカメラを持った手をいっぱいにのばし
もう片方の手をほっぺたに当てるポーズで
「自撮り」する。
道を歩けばその小さい右手を母親につなぎ
空いた左手で当たり前のように私の手を取ったかと思うと
私を見上げてにっこりする。
いやん、おばちゃん溶けちゃう。
てな具合に
よそのパパたちもイチコロにしているらしい。
子どもは泥棒だ。
またたく間にハートをかっさらう。
無邪気と幼稚
純粋と単純
無垢と世間知らず。
これらは紙一重で
「子ども」の紛れもない表裏だ。
このカードを引いたら
現況がその二極両面によってもたらされていないかを
見つめてみたい。
覚 和歌子

©FUKAHORI mizuho
詩人・作詞家
山梨県生れ/千葉県育ち。早大一文卒。平原綾香、smap、新垣勉、夏川りみ、クミコ、ムーンライダーズなどの作詞で、多くの作品をCD化。NHK全国学校音楽コンクール課題曲、校歌、合唱組曲等の作詞なども多く手がける。01年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓)』の作詞でレコード大賞金賞。詩集『ゼロになるからだ』(徳間書店)、『はじまりはひとつのことば』(港の人)、『2馬力』(ナナロク社)など。エッセイ、絵本、翻訳など著作多数。映画監督、脚本、舞台演出、朗読、自らのバンドを率いてのソロライブ、米国ミドルベリー大学日本語学特別講師など。詩作を軸足にマルチな活動を展開。
***
「ポエタロ」とは?
「ポエムタロットカード」を縮めた名前、『ポエタロ』。
47枚のカードにはそれぞれ、美しくやわらかい日本語の詩と、
かわいらしくも不思議な魅力のあるイラストが描かれています。
使い方はいたって簡単。シャッフルしたカードの中から、
その時の直感で1枚、あなた自身のためにカードを引いてみてください。
1日のはじまりにその日の指針を得てもいいし、なにか大きなチャレンジの前、
なかなか超えられない壁に直面しているときに。
そのときの気持ちや環境にリンクした、やさしい詩とメッセージが、
次の1歩を踏み出す勇気や確信を与えてくれる不思議なカードです。
あなたの心強い味方になってくれるはず。
『ポエタロ いのちの車輪をまわす言葉』
覚 和歌子・著 石川 勇一(相模女子教授)・監修 大野 舞(Denali)・画 カード47枚 ガイドブック付き 3,780円(税込)/地湧社
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