貼付は「てんぷ」とは読まない!みんなが読み間違えやすい日本語10選
オトナサローネで人気の「漢字記事」。
よく使うけど実は読み間違えやすい!単語10選を、一気にご紹介していきます。
是非参考にしてみてくださいね!
①若布
「わかめ」です。
古くから日本で親しまれてきた海藻で、なんと『万葉集』にも登場しています。『万葉集』では「稚海藻」という書き方の他に「和可米」と当てられていたことも。また歌によっては「玉藻(たまも)」も「わかめ」を指しているのではないかと言われています。
同じ「わかめ」という音で、出て間もない芽を表す「若芽」という漢字もあります。海藻の「わかめ」を表す漢字を書こうとして「若芽」と書いてしまうと、植物の新芽を表すことになってしまうので注意しましょう。
>>詳しくはこちら
②肉汁
「にくじゅう」です。
辞書に掲載されている読み方は「にくじゅう」であり、「にくじる」という読み方を主見出し語にしている辞書はめったにないようです。
とはいえ、「にくじる」という読み方は時代と共に広まりつつあります。2000年11月にNHKが行った「ことばのゆれ調査」では、「肉汁」の読み方を「にくじる」と答えた人が7割を超えたと言われています。
そのためNHK放送用語委員会では、「肉汁」の読み方を「にくじゅう」だけでなく「にくじる」も認めるようになりました。一般的な放送では「にくじゅう」という読み方を優先するとのこと。ですが、最近の料理番組では「にくじる」という読み方をよく耳にします。
「にくじゅう」という読み方に慣れている人からすると違和感があるかもしれませんが、時代の変化とともに読み方が柔軟に変わっていくのは、日本語の魅力なのかもしれません。
>>詳しくはこちら
③十分
「じっぷん」です。
「十」の読み方は、歴史と共に変化してきたと言われています。
元々歴史的仮名遣いでは「十」は「じふ」と読まれていました。「十」に「分」や「本」といった言葉がつながり、つながった文字の間に「っ」という音が生じると、「じふ」という発音の「ふ」が落ちて「十分(じっぷん)」「十本(じっぽん)」と読まれていました。
「十」の音読みのひとつ「じゅう」が現れてから、徐々に読み方が変化し、現代の音に合わせた「じゅっぷん」という読み方が浸透したという説があります。
なお、どちらの読み方も間違いではありません。
昭和41年NHK放送用語委員会では「20世紀」の読みについて、「じっ」「じゅっ」の両方の読み方を認めています。そのため、上記では「十」の読み方に「じゅっ」がないと書きましたが、平成22年度に改定された常用漢字表には、補足として「じゅっ」が書き加えられています。
>>詳しくはこちら
④正味
「まことの味」を表す場合には「せいみ」と読みます。味を表す言葉ですが、使う機会は少ないかもしれませんね。
なお先で紹介した「しょうみ」という読み方は、関西弁や若者言葉では、
- 本当のところ
- 正直なところ
- 結局のところ
として使われていることもあります。「しょうみ」本来の意味では対象がモノですが、関西弁や若者言葉で使われる「しょうみ」は、幅広い範囲で「本当の」という意味を表しています。
>>詳しくはこちら
⑤貼付
「ちょうふ」です。
「貼付」の意味は
はりつけること
引用元:小学館 デジタル大辞泉
ただし「貼付画」は「はりつけが」と読みます。これもまた読み間違えてしまいそうですね・・・。
読み方の規則があるようでなく、ないようであるのが漢字の難しいところ。「はりつけ」と読んでしまったほうが意味が通じる場面もあるかもしれません。臨機応変に使い分けてみてはいかがでしょうか。
>>詳しくはこちら
⑥月極
代表的な誤読漢字の1つ「月極」。正しい読み方は「つきぎめ」です。
「月極」の意味は、
1か月を単位として契約などをきめること
引用元:小学館 デジタル大辞泉
意味を知ると、この読み方にも合点がいくのではないでしょうか。
ただ・・・“契約などをきめること”なのであれば「月決(め)」のほうが適切なのでは?と考える人もいることでしょう。「極」という漢字を使うのは「国訓」と呼ばれる日本独自の読み方が影響しています。
「国訓」とは、
1 漢字に、その意味を表す日本の言葉を当てて読むこと。また、その読み。訓
2 漢字本来の意味と一致しない、日本独自の読み方。また、その読み引用元:小学館 デジタル大辞泉
のこと。
「極」という漢字がもつ本来の意味は「きわめる」。しかし日本人はこの漢字を「きめる、とりきめる」といった意味で使ってきました。「月極」の読み方は、この「国訓」に基づいています。
『常用漢字表』には、「極」の訓読みに「きめる」は掲載されていません。それでも「月極」は「つきぎめ」なのです。
>>詳しくはこちら
⑦目深
「まぶか」です。
同じような例として「目の当たり」があります。これは「まのあたり」と読みます。「目」の部分を「め」ではなく「ま」と読むのが本来の読み方です。
「目」を「ま」と読む言葉は、古くから日本で使われてきたものが多く、「目」を「め」と読む言葉に比べると少ないです。「ま」と読む代表的な漢字は、
- 目深
- 目の当たり
- 目蓋(まぶた)
- 目庇(まびさし)
- 目映い(まばゆい)
などが挙げられます。
ちなみに「目新しい」はなんと読むでしょうか?・・・正解は「めあたらしい」です。思わず「“ま”あたらしい」と読んでしまった人もいるのではないでしょうか。「まあたらしい」は「真新しい」と書きます。
「目新しい」の意味は
見たことがないような新しさがある
引用元:小学館 デジタル大辞泉
一方、「真新しい」は
本当に新しい。まったく新しい
引用元:小学館 デジタル大辞泉
と「目新しい」と異なります。
「め」なのか「ま」なのか紛らわしく感じるかもしれませんが、ぜひ使い分けてみてくださいね。
>>詳しくはこちら
⑧弁える
「わきまえる」です。
「弁」という漢字が使われている理由は、“償う、弁償する”という意味からわかるのではないでしょうか。
「身の程を弁える」という言葉では、「弁える」は“物事の道理をよく知っている。心得ている”の意味で使われます。そのため「自分の地位や立場などをよく理解し、その立場に見合った行動をとる」という意味に。
一方で「前後の弁えもなく」といった使い方をされるときは、“物事の違いを見分ける。弁別する。区別する”の意味で使われます。
また「弁える」の類語には、
- 身の丈に合わせる
- 節度を保つ
などが挙げられます。
「身の丈に合わせる」は自分の程度を知ること、「節度を保つ」は何か物事を行う際、ちょうどいい程度に収めることの意味で使われます。
>>詳しくはこちら
⑨一入
「ひとしお」です。
「感動もひとしお」という言葉を聞いたこと、ありませんか?ここでいう「ひとしお」の漢字表記が「一入」です。「一塩」だと思っていた人もいるのではないでしょうか。「入(しお)」の意味を知れば、「一入」の漢字と意味が合致するはずです。
「一入」の元々の意味は、“染め物を染め汁の中に1回つけること”。「入(しお)」は染料につける回数を指す言葉です。なお二回つける場合には「再入(ふたしお)」、何度もつけて布を色濃くしていく場合には「八入(やしお)」「百入(ももしお)」「千入(ちしお)」といいます。
染料につければつけるほど、布へつく色は濃くなりますよね。その様子から「いっそう」「ひときわ」という意味を表すようになりました。
⑩強か
「したたか」です。
「強」という漢字からは想像しにくい読み方かもしれませんね。なお「したたか」は「強か」の他に「健か」と書くこともできます。
- したたか者
- 強か者
- 健か者
すべて同じ
① 非常に強い者。容易に人に屈しない者。気丈な者。剛の者
② 相当の能力を持ち、たやすくこちらの思うようにならない者。一筋なわではいかない者引用元:精選版 日本国語大辞典
といった、「非常に強く、しっかりした人」のことを指します。
>>詳しくはこちら
いかがでしたか?
是非参考にしてみてくださいね!
スポンサーリンク