【岩井志麻子】外出自粛は「エロスの自粛」となるのか?

2020.05.19 LOVE

首相から緊急事態宣言が出された日の二日後、新宿歌舞伎町の風俗店に入ってハッスルし、その一部始終を二大週刊誌に詳報されてしまった国会議員さんがいる。

 

記事によれば、彼は「上客」

それらの不謹慎さ脇の甘さより、「股間がクラスター」「犬になりたい」「〇×ニー見せっこしよう」といった数々のエロ名言がフューチャーされ、みんなはそっちに釘付けとなった。私としては怒りより笑いを提供してもらったから、責める気になれないんだわ。

だって記事を読めば、彼は上客で紳士なのよ。女の子を見下したりせず、無理強いもしてないし、可愛いねと愛想も振りまく。料金でゴネる、店員にいちゃもんつける、みたいなことも一切なし。楽しくきれいに遊んでるの。

 

彼に好感が持てる理由

平穏な時期にこの記事が出てたら、私は堂々と彼のファン、支持者を表明したわ。だって彼はインテリのMさんよ。賢くて物腰は柔らかで女に服従、奉仕するのよ。風俗店の女の子から見ても、こんな良い客はいない。

彼とそういう接触を持たない女から見ても、「俺様は議員様だ。偉いんだ。黙ってやらせろ」みたいな奴とは真逆なわけで、好感が持てる。黙々と腰振るだけの自分本位な男でもないから、ずっとエッチな言葉責めも楽しめ、いちゃついてるだけで楽しいと思う。

 

 

どんな緊急事態下でも

それで思い出すのが、こちらも尊敬する東陽片岡先生の漫画だ。よくいろんな話に出てくる山下さんてキャラがいて、地味で寡黙で一見すると例の議員さんとは正反対。そんな山下さんは妹から一緒に店をやろうと誘われ、こつこつ貯金してた……はずなんだけど。

実は、妹から入金があるとすべて瞬時に引き出し、ソープに行ってたのだ。それが妹にバレてボコボコに殴られ、山下さんはこう言い訳をする。

 

ソープに行った言い訳とは

「だ、だって、チン×がうずいて……」

これだよ、これ。議員さんもいろんな弁解を述べておられたが、要約するとこれだ。これほど真実を突くものはない。どんな緊急事態下でも自粛期間中でも、チン×はうずくのだ。女だって同じく、どんな不幸の中にあっても×××はうずくのだ(さらなる伏字)。

それが人間というもの。それが生きているということ。古今東西、戦時中でも飢饉のときでも、子どもは生まれてるんだからね。エロを自粛しまくったら、人類は滅びる。

スポンサーリンク

この記事は
作家 岩井志麻子

スポンサーリンク

スポンサーリンク