
ブレーキがききにくい。だから事故る【ADHD女子11】
じっとしているのが苦手、集中が続かない、衝動的に行動してしまう…ADHDと診断されていなくても、このような特性をかかえることで「生きにくさ」を感じている人は多くいます。今回は、臨床心理士による著作「
「うっかり事故」が多発するのは立ち止まって考えることができない脳のせい
「抑制制御 (inhibitory control)」、 むずかしい言葉ですね。
簡単にいえば、 気持ちがあちこちにそれてしまうことを抑えつ
けて (抑制) 自分の意思でコントロールすること (制御) です。
そこに障害がある、というのが1つ目。
ひと言でいえば「ブレーキのききが悪い」ってことです。
たとえばこんな実験があります。
コンピューターの画面上に緑色の矢印が表示されたら、 矢印と
同じ方向にあるボタンをクリックする、 赤い矢印が出たら反対側のボタンをクリックするという実験です。
簡単なようですが、多くの人はとっさに矢印と同じ方向のボタンを押したくなるものなのです。
その気持ちを抑えて 「赤だから反対じゃん!」 と逆方向のボタンを押せるかどうか、 それをみるのがこの実験の目的です。
これをADHDの子とそうでない子たちにやってもらったところ、
結果は、 はい、 みなさんの予想どおり
ADHDの子たちだけ、 よい成績をとることができませんでした。
ADHDの特徴の一つに 「不注意」 があります。
その原因は明らかにされていませんが、 脳のブレーキがききにくいということで説明できるのです。
抑制制御できないことがあらゆる「やっちゃった」の根 底にある
ブレーキがききにくい=衝動をコントロールできないというと、
カーッとなったら乱暴しちゃうとか、 暴言を吐くとか、
そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。
でも、 そんなことはめったにないですよね。
よほどのことがない限り、 ふだんはちゃんとがまんしますよ、 大人だもん。
でもね、実はいろんな困りごとを引き起こす要因になっているんです。
たとえば、 にっくき忘れ物。
出かける前にもう1回持ち物を見直せばいいものを、
出かけたい気持ちを抑えきれずに家を出てしまう。
頭の中は電車の時間に間に合うかどうかでいっぱい。
駅に着いてから 「定期がない!」 とあわてる。
たとえば、 悲しいなくし物。
ちゃんと手に持っていたはずなのに、 次の活動に気持ちが向いてしまうことを抑えきれず、
本来戻すべき場所に戻さないで「なんとなくそのへんに」 おいてしまう。
そこに別のものが積み重なったり、 おいたまま移動してしまったりして、 なくなる。
たとえば、 時間内に仕事が終わらない。
予定していた課題をやっている最中なのに、
つい 「あ、そういえばきょうは〇〇のセールだった! ネットで注文できるかな?」
と頭をよぎるともう抑えられない。
たとえば、 人の話をちゃんと聞けない。
おしゃべりしている最中に、 相手の言葉から連想ゲームで思い浮かんだことに気がそれてしまう。
相手はまだその話をしているにもかかわらず気持ちはもう次の話題に進んでいる。
たとえば、 確認しないで先走ってしまう。
頼まれた仕事の中身をちゃんと確認しないで始めてしまって、あとから大幅なやり直し……。
そう、どれもこれも 「抑制制御の障害」 が原因なのです
>>次へ(2/11 22:30更新)
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