着ない洋服は捨てる…が正解とは限らない?【スタイリスト石田純子の視点】

手持ちの洋服の数が少ないほど、知的でおしゃれじょうずのイメージがある昨今ですが、スタイリスト石田純子は「捨てなくていい」と思ったりするのです。そんなアイテムにこそ、新鮮に着こなせるヒントがあるかもしれません。

 

【石田純子・大人スタイルの新常識 法則52】

 

 

「洋服は10着あればいい」とか「断捨離」とか、捨てる&買わないことが流行のようですが、私は素直に「そうですね」とは言えません。「10着でコーディネートなんてできるのかな」「着なくなった洋服も復活できるチャンスがあるんじゃないかな」と考えてしまうのです。

 

先日も、数年前の丈短セーターを引っ張り出して「何かに使えないかな」と考えました。そして、ひらめきました。セーターの脇の縫い目をきれいにほどいて、そでから下が前身ごろと後ろ身ごろに分かれるようにしたのです。インナーに白のロングシャツを着てみると……ニットのサイドやすそから白シャツが出て、異素材ミックスのセーターができあがりました。夫に見せたら「あ、懐かしいセーターが突然今年らしくなった」と驚いてくれました。大満足です。

 

何十年も前のタンクトップやスカーフが、突然復活することもあります。「このセーターの下には、このカーブの白い丸首が必要」とか、「ほんのちょっとしか見えないんだけど、胸元にロイヤルブルーが欲しい」ということがあると、私は引き出しをゴソゴソするのです。すると「おっと、こんなところにこんな色のストールが!」「おっと、こんなシャツが!」と見つかるのです。忘れていた洋服がお宝となって再登場するのですから、得した気分になります。長くおしゃれをがんばってきたご褒美かもしれませんね。もちろん「さすがにこれは工夫のしようがない」と思うものは処分しますので、ご心配なく。

 

洋服の賞味期限は短いといわれています。「ベーシックなものは長く着られる」といっても、形は周期的に変わっていきます。それでも、「古くなったから着ない」「着ないから捨てる」というのはやはり残念。あまりに流行遅れは困りますが、ボトムをいま風に変えたり、小物をプラスしてみたり、部分使いしたり、ちょっとリメイクしてみたりすると、けっこう着られることもあるものです。

 

洋服を買うのは楽しいものです。新しい服を買えば収納場所は狭くなりますから、取っておけばいいというものではありません。残すもの、買うもののバランスを考えることも、ファッションにはたいせつなことなのです。

 

 

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大人スタイルの新常識』 石田純子・著 主婦の友社・刊 1,300円+税

何を着ればいいのかわからない、着たい服がみつからない。でも、おしゃれをあきらめたわけではない!!そんな悩みを持つ女性に向けて、2000人以上のファッションアドバイスをしてきた人気スタイリスト石田純子さんの「おしゃれの法則」を明かします。

シンプルな服、普通の服を着こなす人こそ、おしゃれ達人の思い込みありませんか?

崩れた体形でセンスよく服を着こなすなんてどうせムリ、とあきらめていませんか?

ベージュ色こそ、女性を上品に輝かせると信じていませんか?

そんな数々のファッションに対する思い込みが、あなたをおしゃれ難民にしているかもしれません。

シンプルな白シャツより、デザイン性のある白シャツの方が着まわせる。便利そうなベージュのボトムは老けさせる。処分したくない服は捨てない。好きな色は似あう色・・・など、これまでの思い込みを一新するメソッドが、あなたのこれまでの「わからない」「似合わない」を相殺します。

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石田 純子(いしだじゅんこ):
スタイリスト。雑誌『装苑』編集部をへて独立。雑誌、TV、CM等のスタイリングを手がける。
ファッションアドバイザーとして、百貨店の研修やトークショーなど活躍の場も多数。
若作りでない、若々しいスタイリングに定評がある。

■石田さんのシリーズはこちら

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ベージュのパンツは老けて見える?【石田純子・大人スタイルの新常識】

vol.2

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vol.3

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vol.7

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