コロナ第8波「もはやワクチンは切り札ではない」コロナ後遺症の現場から医師が鳴らす警鐘は

新型コロナウイルスの次の感染拡大「第8波」の見通しについて、感染症の専門家から次々と警鐘が鳴らされています。いっぽうで、すでに市中は「ウィズコロナ」の感覚。

外科医・免疫学者・漢方医と3つの専門を持つ新見正則医院の新見正則先生は、免疫学者の立場から「第8波」をどう見ているのでしょうか。併せて漢方治療に詳しい+kampo(プラス漢方)の代表薬剤師・笹森有起先生に「第8波」に備える漢方を伺いました。

 

ワクチンが「絶対的な切り札」だという信仰はもう維持できないのではないか

新見正則医院 院長 新見正則先生

――すでに国内では5回目の新型コロナワクチン接種が始まりました。私は9月に4回目を接種しましたが副反応で3日寝込み、直後にインフルエンザワクチンも接種したので両腕が腫れました。周囲からは「もうワクチン副反応に見舞われたくない」「インフルエンザワクチンも正直打ちたくない」という声が聞こえます。

でしょうね。ぼくは新型コロナワクチン4回目をまだ打っていません。3回目までは医師会から直接「各施設でしっかり打つように」と案内が届いていましたが、4回目以降は各自でよろしくという感じです。打てと言われればぼくも接種しますが、国も奏効率に絶対的な確信を持っているわけではなく、強気には出にくいのだろうと感じています。

 

――とはいえ、2回目接種まではワクチンが惨状を救ってくれた手ごたえがありました。対して今年1月のオミクロン株ではワクチン接種の有無に関わらず罹患が見られました。ウイルスの根本的な潮目が変わったのでしょうか。

新型コロナで親しい人を喪った方には心からのお悔やみを申し上げます。しかし、疫病と人類という大きな単位の話で言うと、これまで人類を滅ぼした感染症はありません。最悪だった天然痘でも罹患者の60%は生き残りました。案外と人類は強いのです。そんな中、免疫学の父・ジェンナーがはじめて安全性の高い天然痘ワクチン、種痘を作り出しました。種痘があまりに鮮やかな大成功を収め、ついには天然痘の撲滅まで成し遂げたため、我々は「ワクチンを使えば死なない、罹患しない」という期待を持ちますが、実のところそれ以降のワクチンは冴えません。効かないことはなく、ワクチンのおかげで助かった命はたくさんあるのですが、冴えないんです。

 

インフルエンザワクチンも「重症化を防ぐ」とありますが、感染しないとは書かれていません。それは「免疫」ではない、「減疫」です。免れていない。新型コロナワクチンもしかり、すでに「減疫」の状態に入っています。

 

――先に冬を迎えたオーストラリアで2020年以来初のインフルエンザの流行が見られたことから、日本でも新型コロナ「第8波」とインフルエンザの同時流行による病床ひっ迫が心配されています。

厚労省資料「インフルエンザとの同時流行を想定した第8波対策の課題についての記述疫学的検討」より

 

お忘れでしょうが、じつは去年もインフルエンザの警鐘が鳴らされました。国境封鎖に近い状態でなぜ日本がオーストラリアの影響を受けるのか、その論理展開はどうなのかと感じました。昨年に比べれば今年は人流が増えるでしょうが、とはいえそれほど大量の訪日客は期待できません。なのになぜ同じ論理展開で警鐘ばかり鳴らすのか。病床ひっ迫は確かに困りますが、従来の季節性インフルエンザでも年間2~3000人ほどの死者が出ていました。

 

これまで波が7回もきた以上、8回目の波もくると考えるのが普通です。ごく当然のこととして「第8波」はくるでしょう。いっぽうで新型コロナそのものはこのまま重症化リスクが下がり続けて、ちょっとひどい風邪の一つになっていくと思います。

 

ここまで、新型コロナについては専門家の予測も完全には当たっていない点を我々はもう冷静に受けとめていいと思います。変異を続けるウイルスというものの性質上仕方のないことで、神の領域を予想させるようなものです。ワクチンで罹患の確率を減らすことはできても、完全に免れることは難しい。なにごとも過信はいけないのです。

 

――もう経済も止めてはいられません。ウィズコロナの状態で私たちができそうなコロナ感染対策は、手洗いうがいのほかはワクチン接種くらいです。

前述の通り新型コロナワクチンは「減疫」はすれど「免疫」とは言い難いというのがぼくの立場です。第6波の際に検討された下記の資料でも、いちばんワクチンの効果が高いとされる2回接種後0-2か月でも有効率は70%でした。ちょっと痛いだけならまだしも、副反応で1日2日寝込んだ挙句に有効率70%では、少なくともぼくには自己判断してくださいとしか言えない。ここから先のウィズコロナ期は社会的な同調圧力ではなく、各自の判断を取り戻していくのだと思います。

 

出典/国立感染症研究所 新型コロナワクチンの有効性を検討した症例対照研究の暫定報告(第三報)(こちらから)『調整オッズ比を元にワクチン有効率を算出したところ、2回接種0-2ヶ月後では71%、2回接種2-4ヶ月後では54% 、2回接種4-6ヶ月後では49% 、2回接種6ヶ月以降では53%、3回接種後では81%であった(表4、図2)』

 

▶後編記事『ワクチンはカードの1つでしかない。自ら考えて「コロナと戦うカード」を足していく時期がきた

 

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この記事を書いたのは
OTONA SALONE編集長 井一美穂

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