45歳、性差・世代差など「違い」の観察からの気づきをシェアしていくには?営業パーソンの視点【シェア・ウェルネス#2】
更年期の不調問題に取り組むオトナサローネは、更年期だと口にしやすい社会、そして誰もが不調時に休みやすい社会を作る「アフタヌーンエイジ・プロジェクト」を進めています。
そんなオトナサローネは、3月8日の国際女性デーを機に「シェア・ウェルネス」の提唱をスタートします。
どれだけ時代が変化しても、女性にとって男性がよきパートナーであることには変わりがありません。
「シェア・ウェルネス」は他者同士がお互いが補い合い、支え合って、よりよい次世代の日本を作るための提唱です。パートナーを補いあう「シェア・ビューティ」、楽しんでコミュニケーションを深める「シェア・フーズ」、世代を越えて知識も伝えあう「シェア・ヘルス」など、お互いの違いを理解した上で、いっしょによい世の中に変えていきたい。私たちが共通して抱えているそんな思いを提唱としてまとめました。
オトナサローネに関わるメンバーたちがこの「シェア・ウェルネス」をどう捉え、どう実践していくのか、ひとりずつの声をお届けします。
稲原史浩 45歳・営業
都内でソロ暮らし。両親は都内で元気に暮らし、同じく都内で暮らす妹には3人の子供が。主婦の友社の営業パートナー、(株)インクル―シブのコアメンバー。
男性ですが、「更年期」と口にする際に戸惑いや気恥ずかしさがなかった。その理由は
26歳で就職してから、現在までずっと営業畑です。広告営業として女性媒体だけでなく、ガジェットメディア、男性週刊誌など、幅広いジャンルをセールスしてきました。女性媒体経験がいちばん長いので女性のライフサイクルとの接点も多く、オトナサローネで「更年期」にまつわるセールスを手掛けるようになった際も違和感や疑問点はありませんでした。人によっては戸惑う場合もあると聞いて、人それぞれだなと思いました。
なんで戸惑わないのか? 営業畑が長いので、媒体とはこういうものだと思っているからでしょうか。もう一つ、音楽好きで、高2でグランジと出会ってからオルナナティブロックのサブカルルートを歩んできたため、「女性・男性」という区別よりも表現や指向性など「個性軸」で人を見ていて、その分社会を少し引いて見ているからかもしれません。
男性と女性の「違い」は尊重しつつ扱うべきもの。ポイントの違いがある
この「女性・男性」概念は、かつて身近にジェンダー認識が高い人物がいたことで体得できた部分があります。不用意な発言をしてしまった場合は真意を確認され、どう表現すれば伝わりやすいか、意図なく誰かを傷つけることがないかディスカッションを繰り返しました。男ばかりの世界で生きてきた私でも、こうした接点があれば認識も表現もそれほど困難なく変えることができる経験でした。
とはいえ、男性と女性の間には生物学的な性差が存在する点は無視できません。特に、女性ならではのホルモンバランスで起きる体調変化は知識さえあれば男性であっても簡単に配慮ができるはずのものですが、知らないと「なんでまた休むの」というようなことを口にしかねません。また、経験上、女性のほうが他者の感情そのものにも敏感なため、たとえば部下との接し方についても気を遣うポイントが違います。
「間に立って違いを翻訳する」立場なのだと思っています
違うな、と気づくことそのものが、私の場合はメディアセールスの材料となります。エディターや読者が話すことにじっと耳を傾け、自分の感情の動きを観察し、気づいたことをクライアントに伝えていく、いわば翻訳が営業の役割だと考えているので、こうした違いに気づけること自体が自分の提案の強さにつながると感じることがあります。
なぜ気づけるのか? 私のおおおもとって、たぶん、ずっと高2のままなんです。ロックに引きずり込まれた瞬間から、ずっとオルタナティブな位置に立つ自分、メインストリームに反発する自分をどこかまた別の位置から観察している。そのポジションこそが自分らしい視点なのだろうと思っています。オルタナティブって、メインがあってはじめて存在しますから、ある意味ずっと「当事者」にはならない。
当事者から一歩引いた「違い」を捉える視点で新しい提言に取り組んでいきたい
もともと、サブカル属性の強い男子ってこだわりが強いから、なんでも全部自分で選んで自分で買うんですよね。情報も自分で取りに行く。周囲の友人も、自分の健康はある程度自分で把握して、病院にも行ってハンドルしている傾向が強いんです。私はもともと病気にほとんどかからないので病院へ行く機会がないのですが、ここ数年は、健康診断の判定によって生活習慣を改善するよう努めています。ソロ暮らしで気ままな身ではありますが、40代半ばとなって、親より先に世を去らないようにしようという心構えを持つようになりました。
このように、あらゆる事象からあえて心を離し、当事者ではないスタンスを取る代わりに、自分自身の身柄は敢えて当事者の真っただ中に置き、行動や会話をよく見つめています。この視点からシェア・ウェルネスを捉えると、共感軸で思考を進める当事者メンバーとはまた違った位置からお話ができると思います。こうしてチームで新分野に取り組む際、この「違いを観察し、まるごと自分の心の引き出しに分類整理する」役割が必ず生きると思っています。
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