
「こんにちは」は簡略系。ときには丁寧に気持ちを込めた挨拶を【悩みを手放す21の方法#8】
曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職で、庭園デザイナーの枡野俊明さんの新刊『悩みを手放す21の方法』(主婦の友社)の中から、自分がラクになれるヒントを8回に分けてご紹介します。
前回と今回のテーマは「挨拶をする」です。
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『間違っている可能性大。正しい挨拶の2つの作法とは?』
まず自分が笑顔になり、やさしい言葉を口にしましょう
もうひとつは、「和顔愛語」です。「人に接するときには、和やかな笑顔と思いやりや慈しみを持った言葉で」という意味の禅語です。「せっかく私が挨拶しているのに、機嫌そうな返事しか返ってこない」と思うことがあるかもしれませんが、実際にはお互いさまであることも多いものです。まずは自分から、気持ちのいい笑顔と思いやりある言葉で挨拶しましょう。きっと相手からも同じような笑顔と言葉が返ってくるに違いありません。
なかには「挨拶は目下の人からするものだ」と思っている人もいますが、そうではありません。挨拶は先に気づいた人から言うものです。おかしなルールにしばられず、気持ちよく言葉をかけ合いましょう。
挨拶に使われる言葉の多くは簡略化されたものです。「おはようございます」は、「朝もお早いですね。今日も一日お互い元気にやっていきましょうね」という気持ちが込められた言葉です。「いただきます」には、命あるものをいただくことへの限りない感謝の気持ちが含まれています。それをさらに簡略化して「(お)はよ(う)」とか「(い)た(だ)きあーす」などと言っていませんでしょうか。
挨拶ははっきりと大きな声で。ときには簡略化せず、 「こんにちは」のあとに「今日はいいお天気ですね。どうぞお気をつけて」と言葉を添えてみましょう。
声を外に発することで、体の内側からエネルギーが湧いてきます。そしてそのエネルギーを挨拶という形で誰かに届けることで、その人の心にもエネルギーが湧きます。言葉は響き合うものですから、まず自分から心に響くような言葉を発しましょう。
やってみよう【一禅チャレンジ】
出迎え三歩、見送り七歩
挨拶に込めた思いは、言葉だけでなく行動で示すことも大切です。「出迎え三歩、見送り七歩」という言葉をご存じでしょうか。お客さまをお迎えするときには、玄関から三歩ほど外に出て「いらっしゃいませ」を言い、お見送りのときには玄関から七歩ほど外に出て さようなら」を言いましょう、という意味です。これはお出迎えよりもお見送りを丁寧にしましょう、そのほうが相手もうれしいものですよ、という意味が込められています。別れ際はお客さまの姿が見えなくなるまで見送り、見送られる人も相手を気遣って適当なところで角を曲がる、それが日本古来の心遣いでした。現代の私たちの日常でも取り入れたいですね。
悩みを手放す21の方法(枡野俊明著/主婦の友社刊)
プロフィール
枡野俊明(ますの・しゅんみょう)
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職。庭園デザイナー。多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。「禅の庭」を通して国内外から高く評価される。芸術選奨文部大臣新人賞受賞、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。『禅僧が教える不安に負けない心の整え方』(主婦の友社)など著書多数。
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