
遺伝性のがん⁉姉に続いて私も乳がん…女性として見た目が変わることが恐怖だった【乳がん体験談】(前編)
身内で唯一相談したのがパートナー
「パートナーにだけはがんのことを伝えましたね。現在のパートナーとは付き合って1年半くらいでした。がんの知識もないので、伝えたときはちんぷんかんぷんの様子。変な恐怖心もなかったのが、後になってよかったですね。
あと、職場ですね。入院しなければいけなかったので。メンバーには入院前の飲み会でがんになったことを報告しました。こんな場で⁉とみんな驚いていましたけど」
女性として見た目の変化に恐怖を抱く
入院中。ドレーンを付けて
がん治療でつらかったことはなんだったのでしょうか。
「治療自体がつらいというのはありませんでした。今思えば、現実に向き合っていなかったのかもしれません。シングルマザーだったので、やることはたくさん。考えないように、惰性で過ごしていました。手術するまで、手術台にあがるまでの方がメンタル的にきつかったですね。
入籍はしていないけど、恋愛中。命よりも “女としての自分”を失うのではないかという不安が先でしたね。乳房を残す方法、傷を残さない方法を調べまくりました。そして、乳頭や乳輪を残すときのリスクも知って。
胸を失うなんてパートナーにどう思われるだろうと不安で、パートナーに相談しました。そしたら、もちろんきれいな方がいいけど、生きることを優先して。生存率の高い方を選んでと。生きることからぶれない判断をしてほしいと言われました」
パートナーの言葉に背中を押され、野中さんは左胸の全摘出手術を決めました。家族にがんを伝えず、周りに相談しづらかったといいます。
「がんがわかってから、毎日、不安に押しつぶされそうでした。ここで初めて乳がんになった姉の気持ちが理解できた気がします。でも会社では管理職として、娘の前では母親として切り替えないといけない。
帰り道に1駅前で降りて1時間歩いて帰っていました。30分泣いて、残りの30分で母親の顔に戻って。入院するまでの1カ月半続けていましたね。ストレス発散にもなっていました。そのあいだはSNSはシャットダウンしていました。感情移入しちゃうから。仕事をしていたことも救われましたね」
乳がんがわかってから、管理職というキャリアや働き方に変化はあったのでしょうか。
「手術入院の前日まで普通に働いていました。2週間ほど入院して土曜日に退院。月曜には出社していました。有給を使って2週間休んだ程度です」
2015年、42歳のときに左乳房の全摘出、翌年、乳房再建手術を受けた後、その翌年の8月に予防的措置として健康な右の乳房と卵巣・子宮をすべて摘出した野中さん。パートナーとの関係に変化はあったのでしょうか。
「予後のリスクを考えて、乳頭・乳輪を残さない選択をしました。そのため、傷は乳房のど真ん中に15センチほど残りました。乳頭・乳輪の再建は、その見た目から決めました。乳頭は軟骨で、乳輪はアートメイクで再建しています。もちろん傷もありますが、仕上がりには満足です。
パートナーとは、絆が深まった気がします。好き嫌いではない。人生のパートナー。この先、10年後を考えるようになりました。ドクターの説明も受けてくれましたが、途中で寝てました(笑)。女性のことは理解できないし、君に任せると。そんな感じが心地よかったです。
術後の見た目に関しては、けろっとしていますね。再建した胸も固いね、冷たいね、垂れないねと」
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