みんな「更年期症状が本当にツライです…」って、夫・同僚・会社に伝えられた?働く52歳コンビが更年期を語りつくす

40代後半で顕著な更年期症状に悩まされ、50歳になってからHRT(ホルモン補充療法)で症状の緩和ができたリアル更年期コンビのオトナサローネ編集長・井一美穂と、美容エディターの藤井優美。久しぶりの対談内容は「更年期症状の伝え方」。特に働く女性ならではの難しさについて語り合いました。

 

ツライ更年期症状。いつごろ、誰に、どう伝えましたか?伝えられなかった?

井一 今回は、「更年期症状の伝え方」について。まずは読者に事前アンケートを取ってみたので、その状況からお伝えしますね。ご回答いただいたのは、何かしらの更年期症状を自覚されている人たち。不調を感じ始めた年齢と、それを誰かに伝えた年齢は上図の通りです。回答者の年齢は45歳から56歳で、47・48歳、50~52歳がほぼ同数、49歳が突出して倍でした。49歳はまさに私たちも更年期症状がマックスでひどかったときですよね。

 

藤井 左図を見ても、みなさん45歳前後から「あれっ?」と思うような変化が出始めて「これは更年期?老化?」と迷い、48、49歳ごろにいよいよ「やっぱり更年期症状だー」と納得する感じですよね。しかも、この年代って、体力の衰えや老化も顕著になってくることもあるし、今後の自分の人生をどうしたいのか考え直したりして、何かと悶々しがちじゃないですか?

 

井一 確かに、子育てのステージが変わったり、介護問題が出てきたり、定年退職という文字が見え始めて仕事でのポジションをどうするのかなど、その先を見据えた人生設計に目が向きますよね。とはいえ、まず家事や育児でこれまでのように動けなかったりするわけだから、一緒に暮らす家族、とくに夫に伝えねばならない。更年期を伝えた相手を見てみると……。

 

夫…66%

同僚…53%

子供…33%

上司…30%

親兄弟など…29%

部下や人事…各10%

(複数回答)

 

ちなみに、家族に伝えなかった人が25%、会社へ伝えなかった人が38%でした。

 

藤井 思ったよりも自身の更年期症状について伝えている人が多かった印象です。特に職場へ伝えている人が多いのも意外でした。

 

井一 そうなんですよね。男女比率の問題もありますが、女性が多い職場ならば、同僚には世間話の流れで話されているのかもしれませんね。ちなみに、藤井さんはご家族や職場には伝えましたか?

 

藤井 女性美容誌の編集部は女性ばかりの職場ですし、同世代が多いので、ガンガン話して、情報共有をしていました(笑)。夫にも、倦怠感や仕事や家事に対する自信がなくなった際に「更年期で~」と、伝えていましたが、「こちらも老化していろいろとツライ」と返され、正直どこまで伝わっていたかは疑問です。確かに、ツライのはお互い様だとは思うのですが、男性ホルモンは徐々に減少するのに対し、女性ホルモンの減少は急激なうえ、さまざまなところに影響しますから、これを理解してもらうのはなかなか難しいと思いました。

 

井一 アンケートには、「45歳前に症状が出たため、夫や周囲に口頭で伝えたけれど『まだ大丈夫でしょう』と笑われ、真剣に受け入れてもらえません」というコメントが見受けられましたが、まさにこのことですよね。これは結構な問題で、不調を訴えても届かないのでやがて言わなくなってしまう「学習性無力感」に陥ってしまう。最近は、モデルさんやタレントさんがカミングアウトするなどして、ようやく更年期ついて語られることも増えてきましたが、身近に更年期症状で悩んでいる人がいなければ、まだまだ自分事にできない人は多いかと思います。

 

周りに迷惑をかけたくない? 自信喪失? でも、更年期離職は日本経済の損失です!

 

藤井 更年期は誰にでもある“期間”だけれども、更年期症状は、物理的な女性ホルモン量の低下だけでなく、もともともっている気質やそのときの環境が大きく関係されると言われています。また、症状が出る人は約4割。なので、同じ更年期世代や先輩女性でも、「私は更年期なんてない(なかった)」と言われることも。「いやいや、更年期は誰にでもあるし、ただ“症状”が出ていないだけだから」と心の中で突っ込みながらも、同性に共感されないのも症状が出ている身としては、地味に堪えましたね。

 

井一 更年期の知識もそうですが、更年期や閉経を女性 “性”の消失、と捉えている人もいます。正直なところ、私も知識を得てもやっぱり思う。なので、軽度な症状であれば見ないようにする人もいるんじゃないでしょうか? あと、症状によっては仕事の効率が低下することでご本人がいたたまれなくなり、職場からフェードアウトするため、更年期のツライ症状が共有されていないのかもしれません。

 

藤井 確かに。以前、更年期世代の俳優さんにインタビューをした際、バラエティ番組は収録時間が長いうえ、瞬時に受け答えをしなければいけないため、更年期世代は出演を控えがちになる、と言っていたのがとても印象的でした。ホットフラッシュやブレインフォグなどの更年期症状を抱えた状態での仕事は本当にツライと思います。

 

井一 そこ! そこなんです! 更年期は期間限定なのに、その時のツラさから離職してしまうんですよね。せっかくここまで頑張ってキャリアを築いてきたのに、本当にもったいない! はっきり言って日本経済の損失だと思うんです。だからこそ、「更年期がツライ」「働き方を変えたい」「少し休みたい」「昇進は1回スキップして次回に」が普通に通用する世の中になることが必要だと思うんです。

 

つづき>>>「働く女性」の更年期、しんどくても最後に1つだけ「ふんばって」やっておくべきこととは

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