大量経血に悩まされ続けて、51歳で閉経。生理がなくなった「体」と「心情」は、こんなにも変わるのか
多い日用のナプキンでも1時間で漏れ出してしまい、車のシートに経血が…
現在65歳のサチコさんが、初めて更年期を意識したのは47歳のとき。いつも28~32日周期だった生理の間隔が、短くなったり長くなったりし始めたことがきっかけでした。ただ、それによって体調が悪くなったり辛くなったりすることはなかったため、「年齢的に、そろそろ閉経かな」と思う程度で、あまり強く意識していませんでした。
ところが、48歳になったころから経血量が一気に増えだしました。それまでは、多い日でもナプキンを数時間ごとに変えれば問題なく生活できていたのに、多い日用のナプキンを使っても1時間で経血が漏れ出してしまうほどになったのです。
「このころ、飼っていた犬が心臓病にかかり、車で病院へ連れて行ってたんです。家を出て診察して帰宅すると約1時間ですが、この間でも運転席のシートに血が付くくらいの経血量でした。それを何度も繰り返すようになったので、白いパンツやスカートを履けなくなりました」
座らなければ、服に経血が付くことを少しは防げますが、座ってしまうと、どうしてもお尻の辺りや椅子に血が付いてしまいます。当時、クリニックで受付事務をしていたサチコさんは、職場の同僚にお願いして、生理中はできるだけ椅子に座らない業務をさせてもらうなどして、なんとか仕事を続けていました。
「制服が薄いピンクで汚れが目立つ色だったので、生理中は本当にヒヤヒヤしながら仕事をしていました。同僚が全員女性で私より年上だったため、私の状態をすぐに理解して協力してくれたことが救いでした」
処方されたホルモン剤を飲むと気持ちが悪くなり…他に手立てはないの!?
49歳になっても生理不順と大量の経血は続き、生活に支障をきたすようになったサチコさんは、自宅近くの婦人科で診てもらうことにしました。検査をした後、ホルモン剤を処方されたので飲み始めましたが、経血量が減るどころか、気持ち悪くなる日が増え、吐き気がするようになりました。薬が合っていないと思ったサチコさんは、担当医にそう伝えました。担当医から返ってきた言葉は……
「『そのホルモン剤を飲めないなら、貧血になるかもしれないから、そしたら大きな病院へ行って輸血してください』と言われました。薬を変えるとか、他の方法ではなく、いきなり輸血と言われてびっくりしました」
なんとなく医師に違和感を覚えたサチコさんは、処方されたホルモン剤を信じることができず、飲むことを辞めました。
私の経血量は医者も解決できないと思っていたところに希望の光が
頼みの医者を信じられなくなったサチコさんは、大量の経血と付き合いながら閉経まで頑張るしかないと思うようになっていました。
そんな50歳のある日、職場に新しく来た看護師にこの話をしたことで、希望の光が見えました。
「ホルモン剤や輸血の話をしたら、『医者を変えたほうがいい』と言われました。その看護師は大きな病院の複数の科で働き多くの医者を見てきた人で、私の担当医はもしかすると昔の医療知識で言っているかもしれないと言われました。この人が言うなら、と思い別の病院へ行ってみることにしました」
そして病院を変えたサチコさんは、そこで処方されたホルモン剤によって、経血量が落ち着き、ナプキンを定期的に変えれば問題ない経血量に戻り、51歳の1月に閉経しました。
「昔はよく、『閉経は女の終わり』と言われていました。でも、閉経はある日突然『はい、今回で終わり!』とはならず、半年以上経っても次の生理がこなくてやっと認識するものなので、私の場合はそんなに『ああ、もう女として終わりか』としみじみ思うタイミングはなかったです。それよりも、閉経すれば大好きな白のパンツやスカートをいつでも履けますし、旅行だって生理を気にせずいつでも行けるうれしさのほうが勝っています」
【前編】では、49歳から急に経血量が増えて、仕事中もひやひやしっぱなしだったサチコさんが51歳で閉経を迎えるまでにについてお伝えしました。
▶つづきの【後編】では、経血量が増えた原因の一つとして、当時の家庭内の様々な問題について振り返っていただきます。__▶▶▶▶▶
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